
(3)シーズン直前インタビュー 奥野友莉菜
いよいよ本格的なシーズンが始まる。明大の新戦力として氷上に立つ選手もいれば、今季で現役生活に区切りをつける選手もいる。4年に一度の五輪シーズンを迎え、リンクにはいつにも増して緊張感が漂う。新しいシーズンを前に、彼らは何を思うのか。本インタビューでは、その胸の内をお届けする。
(この取材は8月29日に行われたものです)
第1回は奥野友莉菜(商1=駒場学園)のインタビューです。
――入学してから4カ月ほど経ちますが、大学生活はいかがですか。
「慣れてはきたのですが、春学期はホームリンクの明治神宮が氷の張り替えで閉まっていた影響で、履修登録の際に練習時間を考慮して履修したら週6で学校に行くことになってしまって。それがすごく大変でした。1コマだけのために学校に行く日も何回かあって、それはそれで面倒でした」
――学業との両立は大変ですか。
「そうですね。すごく大変でした。まだ春学期はそれこそ慣れてなくて。パソコンでの作業も慣れてなくて、操作でよくわからなくなってしまうこともありました。授業もしっかり復習しないと本当に頭に入っていかなくて、練習との兼ね合いがすごく難しかったです」
――夏休みはどのように過ごされましたか。
「夏休みは練習ばかりで、試合と合宿しかしていませんでした。今月はほとんどオフなしで、試合合宿の連続でした」
――明大の合宿には参加されましたか。
「昨日まで参加していました」
――どんな練習をされましたか。
「野辺山でやったので、標高が高い分、空気が薄くてスタミナ切れが結構早いのですが、体力がつきやすかったのかなと思います。曲かけをしっかり最初から最後まで通して、曲もたくさんの数をかけるので、そういった部分で体力向上がすごくできたかなと思います」
――合宿では練習以外に何かされましたか。
「今回はバーベキューを最終日にやりました。明大合宿初の試みだったらしく、すごく楽しかったです」
――部練では普段どのように練習をされているのですか。
「明治にはすごく有名な選手の方々が集まっているので、数少ない部練で集まって、みなさんのいい部分をしっかり目で見て学習するようにしています」
――明大の選手で憧れや目標としている選手はいらっしゃいますか。
「同じコーチに習っている住吉りをんちゃん(商4=駒場学園)だったりとかは毎日練習も一緒なので部練以外でも見ているのですが、すごく参考にしています。練習からしっかり全力で、曲を通してやったりしているので参考にしています」
――今シーズンのSP(ショートプログラム)について教えてください。
「SPは『Danse Mon Esmeralda』という曲です」
――SPは新プログラムだと思いますが、気に入っている部分はありますか。
「今回のSPは本当に全体的に気に入っています。振付は宮本賢二先生です。最後がステップで終わるのですが、それがすごく振付的にもかっこいいので、気に入っています」
――ルーキーインタビューの際に振付を覚えるのが得意だとおっしゃっていたと思いますが、今回の新プログラムもすぐ覚えられたのですか。
「そうですね。割と覚えるのは早かったと思います」
――FS(フリースケーティング)は継続だと思いますが、練習で意識しているところや、解釈が深まったところはありますか。
「練習から滑らかに滑ることは、自分の見せ場の一つでもあると思うので意識しています。スケーティングやコレオシークエンスは自分の得意なところなので、見せるようにしています。フリーの振付は佐藤紀子先生なのですが、先生からクリスティーヌになって踊ってほしいと言われているので、そこを意識しつつ、物語全体を表現しようと思っています」
――サマーカップと東京夏季大会に出場されていましたが、うまくいった部分や改善点があれば教えてください。
「今言っていただいた二つの試合は、夏にしては上出来だと思っています。SPに関しては、ブロックの前までにたくさん試合に出たので、場を踏んで、試合に慣れてきた感じがすごくありました。この2試合では、一つ失敗しても、続けてミスをするということが少なくなったかなと思います」
――東京夏季大会を振り返っていかがですか。
「SPに関しては、ジャンプを飛ぶときに迷いが出てしまって、3回転ルッツ、3回転トーループのコンビネーションだったところを、本当に少しだけ崩れてしまって、セカンドを2回転トーループにしてしまったところが悔しかったです。それ以外はほぼいいと思っています。FSはまだまだ練習が必要だなという感じです。夏季は挑戦することがテーマの試合だったので、初めて3回転ルッツ、3回転ループというコンビネーションを試合で挑んでみようと思ったのですが、練習が足りなかったといいますか、曲でそのジャンプを練習するのが少し足りなかったという感じです。ジャンプ自体は本当はもう3年ほど前からずっと練習していて、着氷はたくさんしているのですが、曲に入れて練習というのが少し足りなかったので、挑戦しすぎてしまったかなという内容でした」
――今後、その挑戦したいコンビネーションは取り入れていく予定ですか。
「まだ確実ではないので、挑戦するよりかは、今までずっと試合で挑んできた3回転ルッツ、3回転トーループでしっかり固めていきたいです。」
――昨シーズンから成長した部分はありますか。
「このオフシーズンはジャンプを重点的に練習してきて、確実に安定感は増してきています。それが少しずつ試合で出せるようになってきたというのは、成長した部分だと思います」
――今シーズンへの意気込みや目標をお願いします。
「今シーズンは昨年と同じように全日本選手権に出場して、今度はしっかりFSに進出できるように頑張っていこうと思っています」
――ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
「いつも応援ありがとうございます。今シーズンは、昨シーズンが終わったころからずっと気持ちを強く持って練習してきたので、しっかりその成果が出せるように頑張っていこうと思いますので、これからも応援よろしくお願いいたします」
――ありがとうございました。
[川村暖]
(写真は本人提供)
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