(32)ラグビー日本代表強化試合 JAPAN XVvsマオリ・オールブラックス 竹之下仁吾「これからも継続的に呼ばれる選手になっていきたい」

2025.07.16

 6月28日にリポビタンDチャレンジカップ2025 ラグビー日本代表強化試合で JAPAN XVがマオリ・オールブラックスと秩父宮ラグビー場で対戦した。今試合では唯一の大学生として明大から竹之下仁吾(政経3=報徳学園)がスタメンに選出された。

ここでは、JAPAN XVでの活動を終え、15人制日本代表にも選出された竹之下選手にインタビューをお送りします。(この取材は7月14日に行われたものです)

――マオリ・オールブラックス戦にスタメンで選出されました。その時の心境を振り返っていかがですか。
 「(試合に)出る準備をしていたので、どれだけ通用するか楽しみやなと思っていました」

――試合は緊張されましたか。
 「あまり緊張しなかったです。ワクワクの方が大きくて、お客さんもいっぱい入っていただいたので一周回って緊張しなかったというか。ワクワクした気持ちで試合に臨みました」

――試合に向けてチームで話し合っていたことを教えてください。
 「システムや準備してきたディフェンスのあり方だったり、準備してきたプレーをプレッシャーが高い中どれだけ遂行できるかをみんなと話していました。実際、それはあまりできなかったのですが、そこをフォーカスしてやっていこうと話していました」

――前半を振り返っていかがですか。
 「前半の入りのところを大切にということも話していて、最初はうまくいったのですが、前半の最後の部分で相手にペースを少し持ってかれていたところがあったので、後半も入りを意識して相手に乗らせないようにしようと話しました」

――一番印象に残っているシーンを教えてください。
 「2トライ目のシーンです。植田和磨くん(コベルコ神戸スティーラーズ)がトライしたシーンなんですけど、そこは自分が動いてオーバーラップをつくれて生まれたトライだと思っているので印象に残っています」

――オールブラックス戦での収穫と課題を教えてください。
 「一番はマオリ・オールブラックスという強い相手と試合できたことが経験になりましたし、これから先ハイプレッシャーの中でどれだけスキルを遂行するかが大切になってくるので、あのようなプレッシャーの高い試合を経験できたというのは、これからにも役に立つと思うので、良かったなと思っています。あとはフィジカル面で軽かったり、スキルやフィジカルのところで全然まともにアタックできなかったので、そこはもうちょっと工夫していきたいなと思います」

――『超速ラグビー』はどのようなスタイルでしたか。
 「考えるスピードもテンポも早いですし、そういう全部の速さが合わさったのが『超速ラグビー』だと思います。何事にも早く対応していかなければならない中でこの長い期間合宿していたので、パスの判断だったり、ラグビー中の判断も成長できたと思います。やはり練習は大変だったんですけど、あれだけ練習しても、ウェールズに1勝しましたが、もう1勝できなかったところで、もっとハードなトレーニングをしていかないと上にはいけないなと試合に出てないですけど分かったので、ハードにやっていけたらなと思います」

――合宿ではどのようなスケジュールで練習していましたか。
 「朝6時ぐらいに起きて、ジムだったりブレークダウンの練習を30分くらいして、その後ご飯食べて、10時ぐらいからチーム練習を大体1時間半~2時間ぐらい練習してからリカバリーしてランチを食べます。そしたら20~30分ぐらい昼寝の時間があってリカバリーして、その日によって違いますが、ジムだったり、ブレークダウンの練習、コンタクトフィットネスをして、夜ミーティングがあったりなかったりという感じでした」

――エディーHCはどんな方ですか。
 「普段はめちゃ優しくて、ご飯を食べている時も気軽に話してくださって『調子どう』とか『今日の練習どうやった』みたいに日本語で聞いてきてくれるので積極的にコミュニケーションを取ってくださる方です」

――エディーHCからの言葉で印象に残っているものはございますか。
 「今回ウェールズの試合は出なかったんですけど、その時に言われたのは『もうすぐそこにチャンスあるからこれから練習を継続してハードにやり続けたら(メンバー入りも)そう遠くはないかな』と言われたので、より頑張ろうと思いました」

――チームの雰囲気的はいかがでしたか。
 「みんなファミリーみたいな感じです。大学で被っている方もいっぱいいたので一緒にゲームとかをしました。同じゲームを一緒にオンラインでやったりとか、ご飯を一緒に食べたりして、本当に仲良くさせていただきました」

――合宿では大学生唯一の選出でした。ご自身のどのようなところが評価されたと感じていますか。
 「大学の試合しか出ていなくて、リーグワンなどの試合に出ていない中で評価してもらったので難しいですけど、ボールを持ってない時の動きがいいとエディーさんからもずっと言われているので、そこを評価してもらっているのかなと思います」

――合宿から明大に持って帰りたいこと、生かしていきたいところを教えてください。
 「日本代表の練習でも口酸っぱく言われたのが、コンテストボールのところでしっかり競りに行こうというところで、これからシーズンでもコンテストの場面が増えてくると思いますし、僕の得意な部分でもあるので、しっかりみんな同じ精度でやっていけるようにしていきたいです。また、練習の強度とかが全然大学と違ったところがあり、そういう普段からの強度も大切になってくることが分かったので、そこは明治の練習で改善できるとこがあったら、コーチ陣に言ってみたりとかして練習の質を上げていきたいなと思います」

――春を通して成長した部分を教えてください。
 「メンタル面が成長したと思います。今まではミスをしたら(気持ちが)落ちちゃうことはあったのですが、そういうところは去年に比べたらなかったと思うので、そこは大きく成長したところかなと思います」

――これからへの展望や目標を教えてください。
 「まずは明治で優勝することが一番で、まずそこを達成するために今まで抜けていた分頑張ってチームに貢献したいです。日本代表の活動で言えば、1回だけじゃなくてこれからも継続的に呼ばれる選手になっていきたいなと思っています」

――夏、秋シーズンへ向けての意気込みをお願いします。
 「春は試合に出ていなくて、外から試合を見ていて気づいた部分だったり、チームの課題をしっかり全員で修正して、選手権(全国大学選手権)優勝に向かっていきたいと思いますし、個人的にはたくさんボールを触って、チームの勝利に貢献できるような選手になりたいです」

――ありがとうございました。

[岩本文乃]

◆竹之下 仁吾(たけのした・じんご)政経3、報徳学園高。180センチ・86キロ
 YouTubeのJAPAN RUGBY TVの動画でお題つきジェンガ対決企画に参加した竹之下選手。他にも登場した伊藤耕太郎(令和5商卒・現リコーブラックラムズ東京)選手、土永旭(横浜キヤノンイーグルス)選手、中楠一期(リコーブラックラムズ東京)選手はおそらくエディーHCの指名とのこと。「撮影は1時間くらいでした。一期さんは合宿が初対面でしたが、ジェンガの企画を通して仲良くさせていただきました(笑)」