(31)春シーズン総括インタビュー 山川遥之「もっとチャンスメークできる選手に」

2025.07.15

 春シーズンを終え、関東大学春季交流大会では5戦を戦い抜き4勝1敗で準優勝。早大に勝利するも、王者・帝京大に完封負けを喫した。しかしルーキーや初紫紺を着た選手の活躍も多く見られ、部内の競争は激しくなっている。そこで今回は春シーズンを終えた選手たちにインタビューを行い、春の振り返りと夏、秋に向けた意気込みを伺った。7月11日より連載していく。

第5回は山川遥之(営4=尾道)のインタビューをお送りします。(この取材は7月7日に行われたものです)

ーー春シーズンを振り返っていかがですか。
 「チームとしては最後帝京に負けてしまったんですけど、内容面で言えば特にディフェンス面ですごいレベルアップができたかなというふうに思っています。個人としてもたくさん試合に出させていただいて、自分に足りない部分であったり、改善すべき点っていう部分が分かった、経験できたという←トルいい機会になったので、それを今後の合宿だったり、秋のシーズンに向けて改善していけたらなと思います」

ーーフルバックの位置から見て、春シーズンのFWはどのように目に映りましたか。
 「本当に頼もしかったです。しっかり体を張ってくれるところはもちろんなのですが、明治のFWっていうのは昔から『前へ』という言葉の通りで、すごい精神力あるアタックで、ディフェンスでも体を張って、ターンオーバーの部分であったり、セットプレーの部分でもすごい頼もしかったなと思います」

ーーBKはいかがでしたか。
 「BKは様々なメンバーと一緒にやった中で、やはりスキルフルな選手が多いと思って、それでガッツがあるプレーや、時にはスマートなプレーという部分もできたと思うので、すごく一緒にプレーしてやりやすかったし、うれしくもありました」

ーー春シーズンで一番印象に残ってる試合があれば教えてください。
 「個人的には春の早明戦です。僕自身、早稲田戦っていうのは紫紺を着て戦うのも初めてだったんですけど、(早大とは)あまりいい経験がありませんでした。1年生の時の新人早明、あとジュニアの試合で負けていて、それからはケガでなかなか早稲田というチームと試合することがなくて、自分の中でも少し苦手意識というか、因縁の相手と思っていたので、そこに出させていただいて、勝ったという部分は、この4年間の中でうれしかったです」

ーー春シーズンのMVPはどなただと思いますか。
 「ずっと試合に出続けた藤井達哉(政経3=東福岡)です。バックローっていう、競争の激しいポジションの中で利川(桐生・政経4=大阪桐蔭)であったり、最上(太尊・商4=仙台育英)であったり、ケガが多い中最初から出続けて、戦い切ったっていうのがまずすごいと思いました。また存在感という部分で毎週毎週目立っていて、明治のバックローとして攻守ともに体を張り続けてくれたというところで、僕は達哉(藤井)がMVPだと思います」

ーー夏に一番伸ばしたいと思う自分のポイントを教えてください。
 「僕自身はもっとアタックで、ボールに絡んでいけたらいいなと思っています。自分の役割、やらなきゃいけない部分っていうのははっきりしていて、それをこなすことは、頑張ればできることです。フルバックっていうのは自由に動けるポジションでチャンスメークをしていかなければいけないポジションになります。そういった部分で、もっとチャンスメークをできる選手、ゲインラインで強固なディフェンスのできる選手になっていきたいと思います」

ーー春シーズンを振り返って今年のチームの強みの部分と改善点をお願いします。
 「チームの部分で言いますと、組織のディフェンスっていう部分では、去年に比べると今の段階では強みになってきてるのではないかと思っています。失点数であったり、粘り強さという部分は十分に発揮できていたと思っていて、逆に強い相手になった時にどうそこで組織的にディフェンスできるか、あとは一人一人どれだけ体を張れるかというところで今後はそういうところを合わせていかないといけないと思っています。あとはアタックで、セットプレーに関してはすごくいいと思うんですけど、フェーズを重ねた後のアタックデザインであったり攻め方という部分はもっともっと改善していかなければいけない部分だなと個人的には思います」

ーー寮長として、春シーズンのチームはいかがでしたか。
 「最初1年生が入寮してから、ノロウイルスが流行って大変だったんですけど(1年生は)大学生にも慣れてきて、緊張が解けてきてますし、過ごしやすさという部分ではいいなと思います。しかし、過ごしやすさが良くなった分、ちょっと気の緩みが出てきたというか、少し時間にルーズな部分が見えてきたので、メリハリをつけるところ、あとは練習やリハビリに対する意識や行動というのを、全体に促せればいいなと思ってます」

ーー平翔太主将(商4=東福岡)が昨年度よりも寮則にこだわるようになったとおっしゃっていたのですが寮長として昨シーズンと比べていかがですか。
 「(寮則に)こだわるようになったという部分で、厳しくしたって言われてたと思うんですけど、厳しくするというよりかは、寮生活をしていく中で、やるべきことはちゃんとやろうということをはっきりさせました。例えば、朝決められた時間に起きて、ご飯を食べるという部分、あとは練習時間に絶対間に合うことや、あいさつの部分も含めて誰でもできるようなことで今後社会でも絶対に必要なことだと思うので、そういったことの徹底は、監督もよく重んじていて『当たり前のことを当たり前にする』という言葉を使うんですけどそういう部分を厳しくするというか、スタンダードを上げてそういう生活を当たり前にするっていうのを決めたので、最初はみんな去年と違って難しかったと思うんですけど同じことを繰り返していくことによって、やっていくことがだんだんと習慣化するようになって、最終的にはそれがスタンダードになっていくと思います。もう今の時点ではある程度その基盤っていう部分はできてきていると思うので、あとはそれを普通に、僕たちが常に言わなくてもできるようになればいいと思います」

ーー春シーズンを終えて、4年生の雰囲気はいかがですか。

 「現在4年生にケガ人が多く、少ないメンバーでチームを引っ張っていくという部分で、去年までチームを引っ張ってきてくれた先輩についていく側だったので、いざ自分たちが4年生になって、次は自分がチームを引っ張る側となった時に、ちょっとその難しさであったり、どうしていったらいいかっていう迷いが生まれていました。たまに練習で4年生のリーダーシップが今少ない時もあるんですけど、それはチームなので、そこは4年生だけじゃなく3年生だったり、学年関係なく、全体として雰囲気を作っていければいいかなって思っています。それで、夏合宿には多くのメンバーが帰ってくるので、そこの試合が始まってからもう一度自分たちが本当に日本一を目指していくというのを、練習でも私生活でも体現できていたらいいなと思っています」

ーー日本代表に同じポジションの竹之下仁吾(政経3=報徳学園)選手が選ばれました。
 「ポジション争いっていうのは、ここ(明大)に入ってきた以上は絶対に逃げられないもので覚悟の上で入ってきて、やっぱり仁吾(竹之下)だけじゃなくて、阿部煌生(政経2=流経大柏)であったり、古賀龍人(商1=桐蔭学園)であったり、後輩にもすごくいい選手がいてそれぞれにそれぞれの良さがあり、他の大学だったら試合に出られるような選手ばっかりだと思うし、経歴もある選手ですけど、最後試合に出るのは1人で、それを決めるのは監督、コーチ陣なので、納得いくかいかないかというかは僕たちがそう思っていても変わらないと思います。僕は出た試合というかプレー時間の中で自分のパフォーマンスを最大限に出せて試合中にインパクトを残せる選手にならないと代表経験のある他の 3人とかにはかなわないと思うので、僕自身できることは、与えられた練習や試合の中で自分が持っている力を最大限に出すことで、その方法をしっかり考えて常に向き合っていくしかないと思うので、結果がどうであれ、最後のラグビー人生というのを、もしメンバーに入れても入れなくても後悔なく終われるよう頑張っていきたいと思います」

ーー秋シーズンに向けての目標と意気込みをお願いします。
 「個人的にはまだ秋シーズンに紫紺のジャージーを着て出たことがないのでまずは紫紺のジャージーを着るという部分、そして、この競争に勝って明治の代表として試合に出れるよう頑張っていきたいと思います」

――ありがとうございました。

[保坂啓太郎]

◆山川 遥之(やまかわ・はるゆき)営4、尾道高。178センチ・82キロ
夏のオフは2回あり今計画を練っているそう。「1回目は家族と過ごして2回目は4年生で集まる機会がなかなかないと思うのでいろんな人たちと出かけたいです。去年でいうと一等ヴィラを借りてサウナやバーベキュー、学年会をやりました」