(29)「ディシプリンを徹底して克服していきたい」最上太尊 春シーズン総括インタビュー

2025.07.13

 春シーズンを終え、関東大学春季交流大会では5戦を戦い抜き4勝1敗で準優勝。早大に勝利するも、王者・帝京大に完封負けを喫した。しかしルーキーや初紫紺を着た選手の活躍も多く見られ、部内の競争は激しくなっている。そこで今回は春シーズンを終えた選手たちにインタビューを行い、春の振り返りと夏、秋に向けた意気込みを伺った。7月11日より連載していく。

第3回は最上太尊(商4=仙台育英)のインタビューをお送りします。(この取材は7月5日に行われたものです)

――最後の春シーズンを振り返っていかがでしたか。
 「僕としては開幕戦から去年のケガを引きずっていて、治ったと思ったらまた足首をケガして、全然試合に出られずに終わってしまったので、悔いが残っているというか、もっとやりたかったなと思います」

――印象に残っている試合を教えてください。
 「早明戦ですね。僕たちは開幕戦から苦戦していて、チームプレーがうまくいってなかったんですけど、早明戦の時は今までやってきたことをみんながフォーカスできて、やっと明治らしいアタックやディフェンスができたので印象に残っています」

――帝京大戦は早大戦とは真逆の展開になりましたが、振り返っていかがですか。
 「まずセットプレーが前半の途中から相手優位になってしまって、そこでペナルティーを取られて、自陣に入られてしまいました。その後も帝京さんのフィジカルに僕たちが負けてしまって、そのままズルズルいってしまって、自分たちのペースをつかめずに試合が終わってしまったなという感じです」

――帝京大に勝つために必要なことはどのような部分だと考えていますか。
 「帝京大学に負けた後もミーティングで出たんですけど、オフザボールのところでボールを持ってない時の動き出しが帝京大学さんの方が早くて、そこで順目の枚数が余ったりしたので、やっぱりここは変わらずオフザボールかなと思います」

――最上選手が春シーズンで得た収穫と課題を教えてください。
 「去年帝京大学に負けてから、ずっとフィジカル強化に取り組んでいたので、その部分で通用していたことが収穫かなと思います。その分、早稲田や帝京と試合をした時に2人目の寄りが遅かったり、オフザボールが相手より遅かったりというのが僕の課題ではまだあるかなと思っています」

――チームで出た課題と収穫はいかがですか。 
 「早稲田戦の結果でわかるように、明治の前に出るアタックができたら、早稲田相手にもあの点差になるということが分かったのが一番の収穫だと思います。課題は、明治は出だしが良くなくて、最初に相手に流れを持って行かれることが多くて、強い相手になってくると自分たちの本来のスタイルが出せなくなることだと思っています」

――春シーズンは規律面に苦しんだ印象でしたが、振り返っていかがですか。
 「ペナルティーの数は特に多くて、京産戦もペナルティーが多くて負けてしまいました。自分たちで防げるミスは防いでいかないと、この先も(全国大学)選手権も絶対勝てないと思うので、ディシプリンにおける場面は徹底してこの夏合宿を通して克服できたらなと思っています」

――セットプレーを総括していかがですか。
 「スクラムに関しては、早明戦では明治が圧倒できたといえば圧倒できたと思いますが、帝京大学には通用しなかった部分がありました。スクラムはまだ帝京大学さんのレベルに達していないので、課題かなと思っています。ラインアウトに関しては、クオリティボールだけだったら、春シーズンはいい結果が出ていましたが、モールになるとトライを取れなかったので、(モールは)明治のFWとしての課題ではあるかなと思っています」

――最上選手が思う春シーズンMVPはどなたですか。
 「物部耀大朗(商3=中部大春日丘)です。明治のFWとして80分間常にコリジョンのある場所で体を張ってくれて、ラインアウトでもクオリティボールを出してくれたり、相手のディフェンスをスチールしてくれたり、明治のFWに欠かせない存在だと僕は思いました」

――夏合宿で伸ばしていきたいことを教えてください。
 「僕はFWなので、特にスクラムもなんですけど、ラインアウト、モールは伸ばしていきたいです」

――秋に向けて意気込みをお願いします。
 「(関東大学)対抗戦も優勝して、選手権も優勝します」

――ありがとうございました。

[晴山赳生]

最上 太尊(もがみ・たいそん)商4、仙台育英高。185センチ・105キロ
オフは地元の秋田に帰省するそう。帰省先でやりたいことを伺うと真っ先に「お母さんのごはんが食べたいです!」と一言。