(40)春季リーグ戦後インタビュー 衛藤晃太内野手

2025.06.15

(この取材は5月31日に行われました)

衛藤晃太内野手(営4=大分舞鶴)
ーー今季を振り返っていかがでしたか。
 「自分としては、もっともっとプレーでチームに貢献したかったなと思っているので、少し悔しさが残りましたね」

ーー今季から副将に就任され、チーム全体のことを考えないといけない立場になりました。
 「そうですね。試合に出ている時も出ていない時も、チームが勝つためというのを常に考えていました。試合中だけではなく、練習中でも普段の生活でも、そういうところは常に考えながら、やらせていただきました。そういうのが自分自身の成長にもつなっているのではないかとは思っています」

ーーチームをまとめる役割として、辛かった時期はありましたか。
 「自分は本当に周りに支えてもらいながら、全然未熟ですけど、支えてもらいながらこの役職をなんとかできているなと思っています。個人的には苦しかったエピソードはあまりないのですが、今季は楽な試合が1試合もなかったので、その試合をどう乗り越えるかというのが課題でした。苦しい局面もありながら、でも本当にみんなで付き合いながら、なんとか乗り越えられたのかなと思っています」

ーー木本圭一主将(政経4=桐蔭学園)、そしてご自身以外の2名の副将とはどういうコミュニケーションを取っていますか。
 「練習メニューとか、チームの課題ですね。どこが課題とか、どこを練習するべきかとかというのは常に話しています。それ以外の私生活とかの部分でも、ちょっと緩みが出たりしたところを、もう一回締めていこうというのを話していて、チームとしては日本一というのを常に口にしています」

ーー勝ち点4を挙げたものの、今季も早大に勝ち点を奪われる形となりました。チームとして足りなかったところはどこだと考えますか。
 「やっぱり守備のミスというのがたくさん出ました。早稲田戦だけではなく、法政戦もそうですし、守備のミスというのがやっぱ目立ったシーズンだったかなと思います。もちろんピッチャーが一生懸命投げている中、野手も一生懸命練習してやっているのですが、やっぱりミスが出ると悪い流れにつながってしまうので、そこをもう一度見つめ直したいです。あとは伊藤樹投手(早大)にノーヒットノーランをやられてしまったので、どうやって打つべきかというのを、もう一度チームで話し合って、束になって向かっていきたいと思います」

ーーやはりチームとして伊藤樹投手に対し苦手意識があるのでしょうか。
 「いや、そんなことはないと思います。やっぱり相手がマウンドに立つとベンチも『絶対打つぞ』という雰囲気になっているので、結果的に苦手というふうになっていますが、対戦する時は目の前のことしか考えていないと思っています」

ーー慶大1回戦で自身初のスタメン出場を果たしました。ご心境はいかがでしたか。
 「光弘(帆高内野手・商3=履正社)のケガがあって、自分はそういう時もあるかなと思ってずっと準備をしてきたので、いざ自分の出番が回ってきて、なんとか結果で貢献したいと思っていました。あの日はちょっと苦しい結果に終わったのですが、それでも次の試合でもベンチに入れてくださった監督、指導者の方に恩返ししたいという気持ちで、次の試合に集中しました」

ーーその次の慶大2回戦では攻守にわたる活躍を見せましたね。
 「やっぱり前の試合のミスについては、そこも技術かなと思っていて、なんとかポジティブに捉えるようにしました。周りのサポートなどもありながら、本当にみんなが気遣ってくれて、いろんな声をかけてくれて、本当にそれに助けられましたし、自分自身もそれによってうまく切り替えることができたかなと思っています」

ーー打席での粘り強さが光り、途中出場ながらも貴重な四球を選ぶなど、2出塁を果たしました。その辺りはいかがでしたか。
 「自分は打席での役割とかを考えながら、基本的には積極的に振っていくという感じでした。四球の場面とか、なんとか塁に出たい場面とかも、どうにかどうにかと思いながら、それでもボールを見ないように、積極的にバットを出していきたいなという思いはありました。(四球を選んだのは)積極的に攻めた結果かなとは思っています」

ーー守備でも軽快なグラブさばきを披露しました。
 「毎日、監督だったり、学生コーチにノックをしてもらっているので、本当にその積み重ねで今があると思っているので、恩返ししたいという気持ちもありますし、与えられた機会でもっともっとチームに貢献したいなという思いを持って、これからもやっていきたいです」

ーー最終カードの法大戦ではベンチ外という形となりましたが、理由はあったのでしょうか。
 「監督さんからは、法政は左投手がたくさんいるので、右の代打をベンチに入れたいというのを伝えられました。自分はチームが勝つためにというのを常に考えているので、そういう意図があるのなら、僕はそれを受け入れるのはもちろんですし、補助だったり、その場合でできることを全部やろうと思ってやってきました」

ーーフォア・ザ・チームの姿勢を常に貫いているように感じています。
 「やっぱりどんな立ち位置であろうと、できることはあると思うので、そこは変えることなくやりたいなとずっと思っています」

ーー座右の銘はありますか。
 「少年野球の選抜チームの監督さんがおっしゃっていた言葉です。『心構え』と『心が前』に分けていますが、まずは準備の部分を大事に思う『心構え』と、最後は気持ちが引かないようにすることも大事なので『心が前』というのを常に意識しています」

ーー過去の取材でも伺ったのですが、打席時のベンチの盛り上がり具合から人望の厚さが伝わってきます。
 「自分はずっと試合に出られない状況が続いて、その中でチームにどうやって貢献するかというのを考えながら、私生活とかそういうところも大切にするつもりでやってきました。そういう積み重ねが、もしそれが人望につながっているのであれば大変嬉しく思います」

ーー中高時代には主将を務められたと思いますが、やはりリーダーシップというのが強みでしょうか。
 「どうですかね(笑)。中学とか高校の時はもう下級生の時から出させていただいたので、自分で言うのもなんですが、自分がなるかなという雰囲気で、なるべくしてなったみたいな感じでした。でもこの大学に来て、自分もまさか副将に選ばれるとは思っていなかったので、そういった面では全然、今までとはリーダーシップの発揮の仕方も違うかなと思いましたね」

ーー言葉でチームを鼓舞するリーダーもいれば、背中で引っ張るリーダーもいると思います。衛藤選手はどちらでしょうか。
 「ベンチではいつも一番声を出すつもりでやっているので、そういった面では言葉で?かなと思います。普段の自主練習とかでは、しっかり自分の姿勢で示していきたい思いもあるので、そういう意味では背中で、というところもあるかなと思います」

ーー光弘選手欠場の中、遊撃手のポジション争いというのもあるかなと思います。その辺りはどういったふうに捉えていますか。
 「本当に磯(圭太内野手・情コミ2=作新学院)と友納(周哉内野手・文3=福岡大大濠)と3人で支え合いながら、サポートし合いながら頑張っています。やっぱり誰が出ても、出ている選手がやりやすい環境を作るというのは、ベンチにいるメンバーの役目だと思っているので、そういうのを常に考えながらやっています。やっぱり勝ちたいという思いはみんな一緒なので。もちろん自分が出て活躍できればそれがベストかもしれないのですが、出る出ないというのは指導者、監督が決めることなので、決められた以上は自分の役割をしっかりこなしますし、全員がそういう思いでてきていると思います」

ーーありがとうございました。

[李翔恩]