(4)春季リーグ戦事前インタビュー 櫻井倭主将・安江光博

2025.05.14

 2年ぶりのグランドスラムを目指す明大にとって、春季関東学生1部リーグ戦(春リーグ)は、その戦いの幕開けを告げる重要な舞台だ。1年間の流れを決定づけるこの大会で勢いをつけ、王座奪還への道を切り開けるか。昨季の悔しさを胸に、新チームが始動する。今回は櫻井倭主将(情コミ4=鶴岡東)、安江光博(政経4=明徳義塾)に話を聞いた。

(この取材は5月3日に行われたものです)

櫻井

――春リーグ目前の現在の心境について聞かせてください。

「ゴールデンウイークは特に今お客さんとかも来て、みんな集中してやっていて、何よりも明るい雰囲気でやってくれているというのが、みんなリーグ戦前だから変わったことをやろうとしているのではなくて、普段の練習を特に集中してやっているイメージがあるので、それはみんな取り組む姿勢があって良いかなと思っています」

――今年度のチームはどのように感じてますか。

「自分が主将になってからは結構明るい雰囲気でやるような選手が多くなったので、プレッシャー、重圧を感じながらやれるような選手は減ったのかなと思っています。そこを武器に元気なチームというか、明るいチームでやっていきたいと思っています」

――主将になるまでの経緯を教えてください。

「監督からも少し話があって、1年生の時から同期の中で自分がレギュラーの試合に出る選手として起用していただいていたので、そういうこともあって『プレーの面でも引っ張っていってほしい』ということで、自分にやってみないかという話をいただいて。そこで自分も(レギュラーとして)経験させていただいたので、恩返しをしたいという気持ちと、自分が伝統のある明治のキャプテンとして挑戦して、成し遂げてみたいという気持ちがあったのでやらせていただきました」

――平賀龍生前主将(令7文卒・現松戸市役所)から主将を引き継ぐにあたって言われたことはありますか。
 「『思った以上にキャプテンは動かないといけないから、嫌われるようなこともあるかもしれないけれど、そこは仕事として自分の中で抑えて、チームが良くなるようなことを第一に考えて行動するようにしたらうまくいく』というふうには伝えてもらっていました」

――関東学生新人選手権(新人戦)ではコーチとして参加されていましたが、後輩たちにアドバイスは送っていましたか。
 「新人戦では1人しかベンチに入れないので全体で話したことはないのですが、個人(シングルス)で世古(凱士・国際1=松徳学院)のベンチに入って、伸び伸びやるようにというふうには伝えていて、緊張しないようにというところを心掛けてアドバイスするようにしていました」

――主将として意識していることはありますか。

「団体(大会)やリーグ戦が、結構出られるか出られないかのところに自分もいるので、そこでなんとか頑張って自分が出て、プレーでも引っ張っていけるような、キャプテンがいるから心強いチームというふうにしていきたいので。プレーの面でも、生活とか普段からでも引っ張っていきたいので、どちらも両立して頑張れるようにというところをすごく心掛けてやっています」

――今の調子はいかがですか。

「2カ月前くらいに左足を骨折してしまって。今もまだ復帰の途中でリハビリ中なので、まだ全然練習できていないのですが、もうすぐ3カ月経ってしまうので、できるだけ早く復帰して秋には出られるようにというふうに考えてやるのと、今はそういうサポートの方に専念してやっています」

――昨年度はチームとして団体戦無冠に終わりましたが、成績を振り返っていかがですか。

「昨年度はライバル校である選手、大学に負けてしまうことが多くて結果は残せなかったので、その分今年度はそういうところも勝って、また3年ぶりにグランドスラム(春秋リーグ戦、団体インカレの全てを制覇)というのを自分の代で達成できるようにしたいなというふうに思っています」

――3年ぶりのグランドスラムに向けて必要な部分は何だと思っていますか。

「1個上の松田(歩真・令7商卒・現日野キングフィッシャーズ)さん、手塚(崚馬・令7政経卒・現岡谷市役所)さん、山本(歩・令7商卒・現日鉄物流ブレイザーズ)さんが主力で、ずっとリーグ戦も出ていて経験豊富だったので、そこが抜けてしまったというところで、新しく自信がある選手というのを、経験をもっと積んでほしいなと。あとは今回ダブルスがすごく仕上がりが良いというか、飯村(悠太・商3=野田学園)・木方(圭介・政経2=野田学園)ペアがとてもいい状態できているので、そこを確実に取れるように後押ししたいなと思っています」

――シングルスで期待している選手はいますか。
「1年生の水谷(悠真・商1=実践学園)、石井(佑季・商1=希望が丘)というのと、あと3年生の高橋航太郎(政経3=実践学園)です」

――ルーキーの2人は先日の新人戦のダブルスで3位となりましたが、どういうところに注目していますか。
 「水谷、石井は練習も飯村悠だったり、芝(拓人・情コミ2=野田学園)とか木方とやらせても競ったりとか。芝とかにはたまに勝ったりもしているので、そういう面で言うとリーグ戦でも上の方(実力者)には食らいつく力を持っているというのはすごく感じていて、あとは実力を発揮できればいいなというのと、あとは向かっていけるところもあるので、そこは武器なのかなと思っています」

――飯村悠・木方ペアに対して期待するようなところはありますか。

「全日本チャンピオンという大きなタイトルも獲得したので、だいぶ自信は2人ともついていると思うのですが、リーグ戦でもすごく勝ちたいという意志が2人もあると思うので、緊張してやってほしくないというか。変なプレッシャーは掛けたくないなと思っているので、2人の持ち味を生かしてやれば、絶対に負けないペアだと思うので。全勝してリーグ戦7勝で、ダブルスは終われるようなチームのペアだなと思っています」

――櫻井主将がリーグ戦のメンバーに入るという意味で、成長していきたい思っているところはありますか。

「持ち味としてはフットワーク力とフォワード、フォアドライブが自分の中では武器なのかなと思っているので、そこを誰にも劣らないようにというか、磨いていきたいなと思っているのと、逆に課題のバックハンドを安定性が増せるように、早く足を治して取り組めるようにしたいなと思っています」

――昨年度リーグ戦が出場がなかった中で、今年に懸ける思いはどのようなものですか。

「(今年度の)春は出られないのですが、もちろんチームで、自分が最悪出られなくてもチームをしっかり優勝に自分が導いてあげれば、仕事を全うできたなというふうに感じられるので、そこが一番の目標です。できれば秋でも自分が出てチームを引っ張っていけるようにプレーで引っ張りたいと思っています」

――リーグ戦でライバルになる大学を教えてください。
「中大と専大と早大だと思います」

――どのようなところを警戒していきたいですか。

「中大は新しく新人戦優勝した石山(浩貴)選手とか、インターハイ王者の小野(泰和)選手が加入したので、あと元々いる道広(晴貴)、青山(貴洋)選手に加えてそこ(1年生)が追加されたので、ダブルスも含め要注意。専大は定期戦で惜しくも敗れてしまったので、そういった面でリベンジは、絶対リーグ戦では勝ちたいなと思っているところと、早大は前回ギリギリ負けて、メンツもほとんど変わりないので、濵田(一輝)、徳田(幹太)選手と、あと濵田の弟(尚人)を見て、そこが点取り屋なので、どこかを崩して何とか勝ちたいなと思っています」

――早大には弟の大地選手がいますが、兄から見て弟はどのような選手だと思っていますか。

「コピー選手みたいな、自分を見ているような感じなので。高校は違うし、体格も違うのですが、持っているものというか、武器そのものはほぼ一緒かなというふうに思っていて。弟もガッツはあるので、そこは負けられないですね、やはり早大なので」

――普段は話したりしますか。

「親がリーグ戦を見に来たりするので、その後とか食事行ったりとかもたまにあって、よく話はしますね」

――秋リーグでもし対戦する機会があったらどのような戦いをしていきたいですか。

「秋とかには当たる可能性も全然あるので、自分がもし当たったら、弟のことを分かっているのも自分だと思うので、弱点とかももちろんあるので、その分、多分自分は負けることはないのかなと自信は結構あって。でも、雰囲気だけのまれないようにすれば大丈夫かなと思っているのですが油断はしないように。もし当たったら戦いたいです」

――昨年度は日大も強い印象がありますがいかがですか。

「もちろん警戒はしているのですが、それ以上に早大と中大が強敵なので。今回は吉山(僚一)選手もチームに登録していなかったので、出てこないというのは分かっているので、そこの警戒はいらないのでまだ楽かなというのはあります。が、依然強いのでそこ(チーム全体として)も警戒しています」

――主将として今年度のチームをどのようにしたいですか。

「今年度は雰囲気づくりはすごく大事にしたいなと思っていて、やはり強い選手が抜けて、勢いとかで大事にしないと。やはり実力は先輩が上だったので、その分劣る分は雰囲気とかでカバーして盛り上げていきたいなというふうに思っているので。そういう面と、あとは若い選手に結構期待しているので、そこで重圧を感じてほしくないというか、プレッシャーが掛からないようにサポートしていくのが自分の役割だと思うので、チーム全員で勝てるように、普段の練習から雰囲気は大事にしてやろうと思っています」

――昨年度4年生だった先輩方はどのような代だと思っていますか。

「昨年度は平賀さんも含めて4人がほぼ主力で前戦で戦ってくれたので、そういう面ですごく引っ張ってくれたのが心強かったなというふうに思っていて。リーグ戦でもほぼ勝ち越しという選手が全員だったので、見ていても安心感はありましたし、戦略的にすごく心強かったので、今年どうしていくか考えないとなというところもありますし、4年生が抜けたのは寂しいなと思います」

――今年度最上級生としてはどのような代で、1年過ごしたいなと思っていますか。

「(リーグ戦に)出る選手が自分か安江(光博・政経4=明徳義塾)かなという感じで、出る可能性がある選手が少ない自分の学年ですが、その分寮生活とかもきっちり指導して、卓球以外のところでも活性化させていきたいなというところと、練習に出た際はプレーでも引っ張っていけるようにならないといけないなと思っていて。自分の代では最後、(優勝できなかった)2年間の分、最後優勝して(グランドスラムを)成し遂げたいなというのと、4年生全員で勝ちに行きたいなという気持ちがあります」

――個人とチームとしての今年度の目標を聞かせてください。

「最後の年でもありますし、キャプテンとしてリーグ戦は春秋優勝、そしてインカレも全然チャンスはあると思うので、優勝して3年ぶりにグランドスラムを達成して卒業していきたいです。個人としては最後の大会が出てくるので、関東学生(選手権)で1年生で入ったランク(入り)をもう1回最後入りたいなというのと、ちゃんと本選(全日本大学選手権・個人の部)出場して、頑張ってランクを目指して、入って引退したいなと思っています」

――春リーグに向けての意気込みをお願いいたします。

「主将としてやれることは全力でやろうと思うので、チームのみんなやOBの方だったり監督、それから応援してくれるみんなの期待に応えられるように精一杯頑張ろうと思っていますので、恥じないようにというのもそうなのですが、明るい雰囲気でチームづくりからやって、悔いのない試合をしたいなと思っているのと、絶対に優勝したいなと思っています」

――ありがとうございました。

安江

――春リーグが控えていますが、今の心境はいかがですか。 

「自分はまだ試合に必ず出られる立場ではないのですが、出る可能性がある以上、準備は万全にしています。もし出場することになれば、必ず勝つという気持ちで臨みます」

――昨年の全日本学生選抜選手権大会(全日学選抜)では調子が良かったと伺っていますが、現在の調子はいかがでしょうか。 

「全日学選抜ほど絶好調とは言えないかもしれませんが、自分なりにいい方向に持っていけるよう、しっかり調整を進めています」

――調整している中で、特に意識している部分はどこですか。

「一番大切なのはメンタルの部分だと思っています。それから、ケガなどで状態を崩さないように、万全のコンディションで試合に臨めるようにしています」

――新チームとなり、4年生として迎える初めての春リーグですが、その自覚や役割についてはいかがですか。

「4年生として試合に出るのは自分だけだと思うので、プレーでチームを引っ張っていけたらと考えています」

――今年度は下級生中心のチームになっていますが、昨年と比べての違いを感じることはありますか。

「実力的にも下の代の選手たちの方が強いと思うので、自分は強い立場ではないと自覚しています。でも4年生として、姿勢ややる気、プレーで勇気を与えられたらと思っています」

――対戦校の中で、特に注目している大学や選手はいますか。

「特にはいません。誰が相手でも勝てるように準備をしています。結局は自分との戦いだと思っています」

――1年生以来のリーグ戦出場となりますが、その時と比べて成長を感じる部分はありますか。

「プレー面ではそこまで大きな成長を感じていませんが、メンタルの部分では強くなったと思います。勝負どころでしっかり勝てる場面が増えたという手応えがあります」

――メンタルの強化は練習の積み重ねや経験の成果でしょうか。

「そうですね。4年間の経験がある分、やはり1年生の頃とは違う自信や落ち着きがあります」

――チーム全体の雰囲気はいかがですか。

「練習中は集中していますし、それ以外の時間でも団結力があって、非常にいい雰囲気だと思います」

――チームが優勝するためのカギはどこにあると思いますか。

「芝(拓人・情コミ2=野田学園)、木方(圭介・政経2=野田学園)、飯村(悠太・商3=野田学園)の3人が確実に点を取ってくれるので、自分が1点を取れるかどうかがカギだと思っています。自分の勝敗がチームの勝敗を左右すると感じています」

――春リーグの目標を改めて教えてください。 

「優勝一択です」

――最後に、明治大学を応援してくださっているファンの皆さんにメッセージをお願いします。 

「優勝に向けて全力で頑張りますので、応援よろしくお願いします」

――ありがとうございました。

[北原慶也、杉本菜緒]