
(2)春季リーグ戦事前インタビュー 浅見勇志・芝拓人・木方圭介
2年ぶりのグランドスラムを目指す明大にとって、春季関東学生1部リーグ戦(春リーグ)は、その戦いの幕開けを告げる重要な舞台だ。1年間の流れを決定づけるこの大会で勢いをつけ、王座奪還への道を切り開けるか。昨季の悔しさを胸に、新チームが始動する。今回は浅見勇志(文2=希望が丘)、芝拓人(情コミ2=野田学園)、木方圭介(政経2=野田学園)に話を聞いた。
(この取材は5月3日に行われたものです)
浅見
――昨年度を振り返っていかがですか。
「去年1年間は、春は『誰かがケガしたら出るよ』ということを言われていて、春はずっと準備していて、チームは結果的には2位で、自分は出ていないのですが、応援していてもやはり2位はとてもうれしかったし、秋は必ず優勝したいという思いでやっていました。秋は先輩の体調不良で僕が代わりに出て、最初は自分が負けたらどうしようと思ったのですが、それもなんとか乗り切って。チームの順位は確か3位だったのですが、自分的には、自分が試合のオーダーに書かれて、最後までやり切れたことが良かったかなと思います」
――昨年度は秋リーグの埼玉工大戦で、リーグ戦デビューをされたと思いますが、その時の心境はいかがでしたか。
「その時はもちろん初めてだったので、最初はとても緊張したのですが、チームメイトからも『思い切っていけ』みたいな感じで言われていて。最初の試合前のミーティング集合の時とかでも、監督たちが『浅見を送り出してけ』みたいな感じだったので、自分ももう思い切ってやるしかないと思って、思い切ってやって、勝利につながったのでよかったですね」
――今年度のチームの雰囲気はいかがですか。
「去年はやはり4年生が主体だったので、新1年生が入ってきて、新1年生がみんな真面目なので、練習の雰囲気とか真面目でいい雰囲気なのかなと思います」
――現在の調子はいかがですか。
「悪くないです」
――今の練習はどういったことをされていますか。
「もともと練習内容に試合が多いので、自分は練習試合でも負けないことを心掛けてやっています」
――昨年度から強化してきたものはありますか。
「技術面ではバックハンドです。自分はオールフォアの型なので、やはりオールフォアを封じられたらバックを使わないといけないです。あとはレシーブですね。レシーブの強化で、そこから4球目、6球目で、その後のラリーにつなげていけるようにレシーブも強化してきました」
――結構自分の中でも身になったという感じはありますか。
「去年に比べたらだいぶ良くなったと思います」
――春リーグまでの間にさらに強化したいことなどがあれば教えてください。
「やはりさっきも言ったレシーブですね。レシーブが上手くできなかったら試合にすらならないので、強化していきたいです。あとはラリー戦に持ち込んだ時に負けないように、そこも強化していきたいです」
――ご自身の持ち味というのはどういうものですか。
「サーブから3球目と、やはりあとはラリー戦でのフォアの強打です」
――同期の選手たちの印象を教えてください。
「やはり同期の木方(圭介・政経1=野田学園)や芝(拓人・情コミ1=野田学園)とやっていても、試合とかを見ていても差はあるなと思うので、自分も2人に追い付けるようにはしたいと思っています」
――1年生で期待している選手などはいらっしゃいますか。
「水谷(悠真・商1=実践学園)と石井(佑季・商1=希望が丘)です」
――どういった点で期待されていますか。
「石井は高校の後輩だったので、もともとポテンシャルはあるなと思っていました。水谷は試合でやっても、自分が水谷とやっていてもやりづらいところがたくさんあるので、やはりそういうところが強いのかなと思い期待しています」
――目標とされている先輩はいらっしゃいますか。
「やはり去年の卒業生の松田さん(松田歩真・令6商卒・現日野キングフィッシャーズ)です。(松田が)2年生で春リーグ(個人)7勝0敗で。しかも去年1年間ダブルスを組んでもらって、そこで松田さんのいろいろなところを知れて、松田さんに追い付きたいなと思います」
――具体的に松田選手のどのようなプレーが目標でしょうか。
「試合の考え方が本当にすごくて、試合中にどんどん相手の弱点というか相手が嫌がることを、よく自分も頭を使えと言われるので、松田さんは試合中に対応できなくても、頭を使って対応したり、やりづらくても、最後は頭脳勝負でやっているイメージがとてもあって、考えてコース取りとかやっているイメージがあるので、そういうところですね」
――春リーグで意識している大学などはありますか。
「もちろん1部の大学は弱いところは多分ないと思うのですが、やはり専大には去年ずっと負けているので、専大には勝ちたいです」
――チーム全体の今年度の春リーグの目標などあればお聞かせください。
「チーム全体はやはり監督も言っていたのですが、優勝しか目指していないと思うので、優勝を目指せるように頑張ります」
――個人の目標などあればお聞かせください。
「リーグ戦にもし出るとなったら、もちろん勝利してチームに貢献したいですし、さっきも言った松田さんの7勝0敗をもし達成できればいいなとは思っていますね」
――最後に意気込みをお聞かせください。
「やはり出るからにはチームに貢献したいと思います」
――ありがとうございました。
芝
――昨年度を振り返って、印象に残っている試合はありますか。
「インカレ(全日本大学総合選手権)での専修大学との試合です。自分が4番で負けてしまったことと、チームとしても負けてしまったことで、個人としても明治大学としても、とても悔しい結果に終わってしまいました。今年こそインカレでそのリベンジを果たせればいいなと思っています」
――『うれしさ』という意味で、印象に残っている試合はありますか。
「春リーグでの早稲田大学との試合で、1番で濵田選手(濵田一輝)と対戦して勝てた試合が印象に残っています」
――昨年度の春リーグは大学での初めての団体戦だったと思います。春リーグでの思い出はありますか。
「大学でのリーグ戦を初めて経験して、やはり高校の団体戦とはまた違う雰囲気での試合だなと感じました。試合をするまでは、リーグ戦の雰囲気がそこまで分かっていなかったので、実際に試合をしてリーグ戦での雰囲気を感じて、モチベーションが上がったことを覚えています」
――リーグ戦を経験して、想像していた雰囲気と実際の雰囲気に違いはありましたか。
「出場している選手全員の一球一球に懸ける思いや執念が、高校でのインターハイ(全国高等学校総合体育大会)の団体戦や、高校選抜(全国高校選抜大会)の団体戦などに比べて、もっと上がっているなと思いました」
――2度目の春リーグを目前に控えて、今の調子、心境はいかがですか。
「調子自体はいい方向に向かっているかなと思っています。心境としては、去年の4年生の主力選手がみんな抜けてしまったんですけど、今年は自分たちがチームを引っ張って、昨年はできなかった『優勝』という結果を残せるように頑張りたいなと思っています」
――ドイツでの2か月間で強化してきたことを教えてください。
「ボールの質や回転量が日本の選手とドイツの選手とでは全然違うんですけど、その中でドイツにいる2か月間は、台上技術を中心に練習をしてきました」
――ドイツでの練習は昨年に続き2度目でしたが、昨年と比べて現地での生活に違いはありましたか。
「昨年行った時は全部が初めてで、食事も言語も違うし、文化なども全然違うんですけど、そこは2年目で少しは慣れていたのかなと思います。それでもやはり大変なところは大変だったんですけど、昨年よりはスムーズに2か月間生活できていたと思います」
――帰国後も台上技術の練習は変わらず行っていますか。
「そうですね。そこは変わらず続けています。ですが、日本の選手はドイツの選手に比べてピッチが速いので、その速い卓球の中でも自分から攻撃して点数を取れるような練習も今、取り組んでいるところです」
――春リーグまでの残り2週間弱で、特に調整していきたい部分はありますか。
「フォアハンドの部分で点数を取れるような練習をに取り組み続けていきたいです。バックハンドだったら結構いい感じに試合を進められていると思っているんですけど、フォアハンドで決め切るところがまだ足りないので、そこをうまくできるように調整したいと思っています」
――昨年度のリーグ戦から、出場する顔ぶれが大きく変わると思います。その点はいかがですか。
「1年生も入ってきて、今回初めてリーグ戦に出る選手が半分ぐらいになると思うんですけど、昨年は自分たちがレギュラーとして出ていたので、自分と木方(圭介・政経2=野田学園)と飯村さん(悠太・商3=野田学園)の3人で、まずはチームを引っ張っていって、そこに残りの3人レギュラーで出る選手は(自分たちに)ついてきてくれればいいのかなと思っています」
――新たなメンバーが加わって、昨年度と雰囲気などに変化はありますか。
「そうですね。昨年の4年生は自分がチームを引っ張るという気持ちが表にも出ていて、自分たちとしてもとても試合がやりやすかったですし、後輩からしたら頼もしい先輩たちでした。今年は4年生で試合に出る選手がいるかどうかはまだ分からないですけど、いてもいなくてもそれに関係なく、自分たちが昨年の4年生の代わりになれるぐらいチームを引っ張って、明るくて元気な明治大学で試合していけたらいいかなと思っています」
――1年生の中で特に期待している選手はいますか。
「自分的には水谷(悠真・商1=実践学園)が勢いもあって、ガッツもあるので、団体戦でもいいプレーができるんじゃないかなと思っています。頑張ってほしいです」
――同じ高校出身の1年生もいらっしゃいますが、入学前から関わりがあった選手も多いですか。
「入学前から関わりがあったのは、水谷と石井(佑季・商1=希望が丘)の2人で、あと野田学園出身の2人を除いた、残りの3人はそこまで会ったことがなかったので、自分が日本に帰ってきてから初めて会う感じだったんですけど、みんな真面目で、努力家だなと感じています」
――後輩が入ってきて、先輩として意識していることはありますか。
「卓球面でも生活面でも、後輩の見本になれるような先輩でありたいというのは考えて生活しています」
――昨年度リーグ戦経験者として、リーグ戦でのご自身の役割はどのようなものだと思いますか。
「昨年と変わらず、自分はシングルス1本しか出ないので、そのシングルス1本出たところで、絶対1点をチームに持って帰ってくることができるような存在でありたいです」
――昨年度のリーグ戦での経験を今大会にどう生かしたいですか。
「昨年のリーグ戦で負けた試合は、リードしている時に少し守りに入って、そこから逆転されるという形が多かったので、今年はそういう(リードした)場面になったら、もっと強気に攻めたり、戦術を変えたりして、勝ち切れるような試合をしていきたいと思います」
――チームの優勝のためにカギになってくるのはどこになると思いますか。
「ダブルスはもちろんですが、前半でリードして折り返すことだと思っています。昨年のリーグ戦で負けた試合は、前半からリードされて、そのまま相手の勢いに負けてしまう形が多かったと思うので、今回はダブルスもシングルスも前半に取って、リードして後半に回せれば優勝に近づくのではないかと思っています」
――リーグ戦の難しさはどのようなことだと思いますか。
「出場する選手はみんな大学を背負ってレギュラーとして試合に出ているので、やはりプレッシャーや緊張を感じていると思うんですけど、その中でも自分のプレーができれば、リーグ戦ではどんどん勝っていけるのかなと思っています」
――対戦する7校の中で、ライバル視している大学はありますか。
「中央大学、専修大学、早稲田大学です。第1戦で、中央大学と対戦するんですけど、(中大は)1年生で強い選手が入ったり、2年生以上の選手も強い選手がそろっていて、そんな中央大学が1戦目というところで、やはりその1試合目は絶対に勝たないといけないというか、絶対に勝ちたいなと思っています。専修大学は、昨年の春秋リーグどちらも負けていて、インカレでも負けているので、3連敗している中で、今年の春リーグは絶対に勝ちたいです。早稲田大学に関しては、昨年の秋リーグで早稲田大学が優勝、明治大学が2位という結果に終わりました。結果論なんですけど、早稲田に勝っていれば明治が優勝できていたので、今年はリベンジできるように頑張りたいです」
――試合の中で注目してほしいところはありますか。
「3球目のバックハンドからのラリーの展開や、打たれた時のカウンターやブロックに注目してほしいです」
――チームとして、また個人としての目標を教えてください。
「チームとしての目標は全勝で優勝することです。個人としての目標は、出た試合は全部勝って、優秀選手賞などが取れればいいかなと思っています」
――最後に、改めて春リーグへの意気込みと、応援してくださる方々へ一言お願いします。
「今年の春リーグは、昨年1年間1回も優勝できてないというところで、絶対に優勝するという気持ちで試合に臨もうと思っています。応援してくださる方々には、明治大学として絶対に最後まで諦めずに自分たちらしいプレーをするので、応援していただけたらうれしいです」
――ありがとうございました。
木方
――全日本選手権(ダブルスの部)で日本一になられてから、ご自身の気持ちに変化はございましたか。
「優勝してからは『おめでとう』と言ってもらう機会が多かったです。正直まだそこまでの実力はなかったと思うんですけど、たまたまというか、自分たちの実力以上の力を出せて優勝できたと思うので、もっと強くなっていきたいなと思っています」
――昨年度の春リーグは大学での初めての団体戦だったと思います。1年前の春リーグで印象に残っている試合はありますか。
「高校の先輩だった徳田さん(徳田幹太・早大)に勝てたのが印象に残っている試合です」
――悔しさが残った試合はありますか。
「専修大学に負けた時がやはり一番悔しかったかなと思います」
――2度目の春リーグを目前に控えて、今の調子、心境はいかがですか。
「調子自体は結構いい感じなので、そこは試合前までにしっかり調整していきたいなと思っています。今の心境は、やはり自分はダブルスとシングルスの両方に出場させてもらうので、自分がしっかり取らないといけないなと思っています」
――ここまでの期間で強化してきたことを教えてください。
「バックハンドは結構得意なんですけど、フォアで打つときに少し威力がなかったり、ミスをしてしまうことがあったので、そこを今強化しています」
――春リーグまでの残り2週間弱で、特に調整していきたい部分はありますか。
「リーグ戦になると緊張する場面が多いと思うんですけど、緊張した場面でもサーブレシーブが最初にしっかりできないと試合にならないと思うので、そこをしっかり練習していきたいなと思います」
――団体戦と個人戦、どちらの方がご自身のプレースタイルに合っていますか。
「どっちが得意かはちょっと分からないですけど、団体戦はチームで戦えるので好きです。応援するのも楽しいです」
――新しいチームになって初めての団体戦ですが、今のチームの状態はいかがですか。
「練習自体はいい雰囲気でできていると思います。1年生も入ってきて、昨年は4年生が3人出ていて、やはり出る人も3人まるごと変わるので不安はあるんですけど、楽しみたいなと思います」
――新たなメンバーが加わって、昨年度と雰囲気などに変わりはありますか。
「昨年は4年生が引っ張っていってくれていたので、自分たちはそれについていく感じだったんですけど、今年は自分たちが引っ張っていけるように頑張らないといけないと思っています」
――1年生の中で特に期待している選手はいますか。
「水谷(悠真・商1=実践学園)と石井(佑季・希望が丘)です。リーグ戦に出る可能性があるのはその2人かなと思うので、この2人には思い切ってプレーしてほしいです」
――同じ高校出身の1年生もいらっしゃいますが、入学前から関わりがあった選手も多いですか。
「そうですね。とても仲がいいので、今年のチームも慣れてきたと思います。チームの雰囲気もいいので、このままリーグ戦に臨みたいです」
――後輩が入ってきて、意識していることはありますか。
「1年生で初めてのリーグ戦はやはり緊張すると思うので、上級生として自分たちが勝って、少しは楽にプレーさせてあげたいなと思っています」
――昨年度リーグ戦経験者として、リーグ戦でのご自分の役割はどのようなものだと思いますか。
「昨年も2点出させていただいていたんですけど、あまりチームの勝利に貢献できていなかったので、今年は2点を確実に取ってチームの勝利のために頑張ることだと思います」
――プレー面ではどのようなプレーを目指していますか。
「やはり守っていたら勝てなくなると思うので、自分から積極的に攻めて、相手にプレッシャーを与えられるようにしていきたいです」
――ダブルスでは、日本一になったからこそのプレッシャーなどはありますか。
「そうですね。日本一になったからと言って受け身にはならないようにして、やはり対策とかもされると思うんですけど、自分たちで考えて我慢してプレーしていきたいと思います」
――昨年度のリーグ戦での経験を今大会にどう生かしたいですか。
「昨年度は相手の勢いに飲まれてしまって負けることが多かったので、自分たちが勝ってチームを勢い付かせられるようにしていきたいと思います」
――チームの優勝のためにカギになってくるのはどこになると思いますか。
「前半戦で中央大学、専修大学、筑波大学と強い大学が並んでるんですけど、そこで3勝できるかどうかが優勝にかかってくると思っています」
――リーグ戦の難しさはどのようなことだと思いますか。
「どの大学も本気で勝ちにきて、どの大学も強いので、自分たちが受け身になったら絶対負けてしまうと思います。自分たちがチャレンジャーにどれだけなれるかが、勝負どころかなと思います」
――対戦する7校の中で、ライバル視している大学はありますか。
「どの大学も強いとは思うんですけど、今年は1戦目にあたる中央大学がメンバー的に1番そろっているかなと思うので、そこでまず勝ちたいです」
――試合の中で注目してほしいところはありますか。
「昨年度より少しは粘り強くプレーできるようになったと思うので、その粘り強さを見ていただきたいです」
――その粘り強さは、どのような練習をして鍛えてきましたか。
「自分は両ハンドで決めにいくプレーが多かったと思うんですけど、今は少し台から下がったとこでもフォアハンドでしっかり回転をかけて、ラリーで勝てるように練習をしてきました。もちろん両ハンドも大事なんですけど、ラリーになった時にもっと安定して勝てるようになると思います」
――チームとして、また個人としての目標を教えてください。
「チームとしては、苦しい試合もたくさんあると思うんですけど、自分たちらしい試合をして全勝で優勝できるように頑張っていきたいと思います。個人としては、ダブルス、シングルス両方とも勝って、全勝で大会を終えたらなと思います」
――最後に、改めて春リーグへの意気込みと、応援してくださる方々へ一言お願いします。
「春リーグは新チームになって初めての団体戦なので、自分たちらしく声を出して最後まで諦めずに試合をしていきたいと思います。ファンの方々はいつも応援してくださってありがとうございます。春リーグでは、自分たちらしく最後まで諦めずに試合をするので、応援よろしくお願いします」
――ありがとうございました。
[大島菜央、寺井和奏]
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