(23)シーズン後インタビュー 山﨑舞美

2025.05.15

 各選手がさまざまな思いを抱え駆け抜けた今シーズン。全日本フィギュアスケート選手権(全日本)に6人が出場、日本学生氷上競技選手権(インカレ)では男子が団体部門で優勝を果たすなど活躍した1年となった。本インタビューではシーズン後の選手たちの声をお届けする。

(この取材は3月16日に行われたものです)

第2回は山﨑舞美(商2=釧路湖陵)のインタビューです。

――東京選手権(ブロック)を振り返っていかがでしょうか。
 「十分に練習に打ち込めない状況で大会を迎えて、結果も自分が目標としていたのが東日本選手権(東日本)に出場することだったので、東京選手権はショート落ちでフリーにも進めなくて、結構悔しい試合でした」

――その後の国民スポーツ大会冬季大会スケート競技会(国スポ)北海道予選会はどのような気持ちで臨みましたか。
 「国スポ予選までには股関節の痛みも回復することができました。今シーズンの目標が東日本出場と国スポに北海道代表として出ることだったので、結構力を入れて練習していたんですけど、結果は4位で補欠にも入ることができませんでした。でも、今シーズン全体を通して見た時に、国スポ予選がSP(ショートプログラム)もFS(フリースケーティング)も今シーズンの中では一番高い点数を出せて、やはり北海道での試合だったということもあって、少し気持ち的にも安心して臨めた試合でもあったし、今できることをやろうと思って楽しんで滑れた試合だったので、収穫は大きかったかなと思います」

――地元である北海道の試合での気持ちはやはり違いますか。
 「小さい頃から一緒に頑張ってきた選手たちは、年が離れていても関わりがあるのでみんなが応援してくれるという心強さがすごくありました」

――インカレの雰囲気はどのように感じましたか。
 「すごく大学で戦っているという感じがあったのと、間近で見られることは他の試合だとあまりないと思うんですけど、実際に憧れの先輩方の演技をリンクサイドで応援させていただいて、間近で見ることができたことがすごく自分の中ではもっと頑張ろうと思える瞬間でもありましたし、明治大学に入ってよかったなとすごく思った試合でした」

 ――明大の雰囲気をどのように感じていますか。
 「明治大学のスケート部は他のスケート部と比べると人数が少ないと思うんですけど、一人一人の選手のレベルもすごく高いし、今シーズンはしんどいことが多かったんですけど、先輩や同期の存在が自分の中では心の支えになっている感じもありました。すごくレベルの高い人たちが集まっていて、その中でも合宿やインカレはすごく和気あいあいとしていて、応援も他の大学に比べてもすごく元気な感じで、仲のいいスケート部だなと思います」

――関東学生選手権(関カレ)を振り返っていかがでしょうか。
 「関カレは体調を崩してしまって、5日間くらい練習をせずに本番を迎えました。本当は棄権することも考えていたんですけど、3人しか明治からは出場していなくて。団体は3人までがスコア換算されると思うので、今シーズン初めて明治大学の成績に貢献できるチャンスだと思って出場することにしました。正直、自分はもう滑り切ることで精一杯という状態で臨んだので、結果的には点数はあまり良くはなかったんですけど、学生の試合なのでリンクサイドでたくさん応援してもらったり、声かけてもらったりして、すごく心強かったし、華那ちゃん(堀見華那・令7商卒)と一緒に出る最後の試合で、団体2位で表彰台に登ることができたのもすごく嬉しかったなと思います」

――明治×法政on Iceを振り返っていかがでしょうか。
 「すごく楽しかったという気持ちでいっぱいです。上京したばかりで、東京の選手や他の大学の選手、他のリンクの選手とのつながりがあまりなかったので、今回で法政大学の選手や普段はなかなか会えない同期とも話す機会があって、すごくみんな優しかったです。今までは滑っている姿しか知らなかったんですけど、リンクに乗ってない一人の先輩や同期としてすごく優しかったり面白かったり、素敵なスケーターたちで幸せな空間でした」

――学業はいかがですか。
 「前期も後期も割と頑張ってやれた方なのかなと思うんですけど、どのくらいのバランスでどっちを優先してやったらいいかとか、そういうテスト前の感じを少しずつ、わかってきたので来年はもう少し頑張りたいなと思います」

――現在の練習の頻度はどのくらいでしょうか。
 「今シーズンは週に2回の貸し切りと一般営業で週に3、4回滑っている感じでした。自分のホームリンクの神宮のスケート場は順番待ちをしている状態で、クラブに入るのには定員が決まっているので、まだ住吉りをん選手(商4=駒場学園)などが入っているコースにまだ入れていないので、十分な練習時間を確保できていません。でも、3月から一つ上のクラスに入ることができて、週に3回か4回貸し切りで滑れることになったので、少し練習量は増やせるかなという状況です」

――今シーズンを振り返って、ご自身ではどのような評価をされていますか。
 「目標としていた二つの目標をどちらも達成することができなくて悔しかったですし、ブロック直後や国スポ予選の直後は、悔しい気持ちが大きかったです。すごく覚悟を決めて、今までと比べ物にならないぐらいの気持ちで上京してきたので、4年間のうちの1年目が何も結果を残せず終わってしまったことはすごく悔しいですし、シーズン中もシーズン直後も辛かったんですけど、やはり大きく環境が変わって、一人暮らしで自分のこともしながら、練習時間も少ない中でも頑張った自分のことは認めないと前に進めないかなと今は思っています。頑張った自分のことは認めて、今は自分のスケートともう一度見つめ合って、来シーズンからきちんと切り替えて、目標をもう一度考え直していけたらなと思っています」

――SPの『素敵なあなた』の選曲理由はありますか。
 「大学生らしさを少し出したいなというのと、大学生らしさもありつつ自分の明るいところを表現できるプログラムになるかなと思って選曲しました」

――FSの『SAYURI』はどのような部分を意識していましたか。
 「FSの『SAYURI』は全体的にSPと全然違う雰囲気で、大人っぽくて落ち着いた感じなので、SPとの違いもそうですし、細かい和楽器の音を拾って、細かい振り付けがたくさんあるので、そういう部分が結構いいところかなと思います」

――SPの衣装のこだわりはありますか。
 「SPの衣装はとにかくキラキラさせたくて、たくさん飾りをつけてもらいました。フリンジのスカートは少し重たいんですけど、でもやはりあの曲や振り付けにはフリンジが合うかなと思って、フリンジのスカートにしたのはこだわりです」

――FSの衣装はどういう部分をこだわって作られましたか。
 「FSは着物の衣装にのスタイルの衣装にするのはもう最初から決めていました。でも、着物の衣装は割と淡い色になりがちだと思うんですけど、細かい動きとかもそうですし、はっきり動きを目立たせたかったので、濃く、映える色にしました」

――来シーズンの意気込みをお願いします。
 「今シーズンは昨シーズンに比べて成長した部分があまりなくて、むしろ少し落ちてしまった部分の方が多いので、まずは昨シーズンのレベルまで取り戻すということが一番先かなと思っています。取り戻した上で、周りに上手な選手が多くいるので、その上手な選手からいろんなものを吸収して、自分らしいスケートを見つけて、ジャンプもスピンもステップも、全ての部分で大学1年目とは全然違うスケートを見せられたらいいなと思っています」

――ありがとうございました。

[野原千聖]