
(24)崖っぷち1部残留 試される総合力/関東インカレ展望
4日間にわたる熱き戦いがいよいよ幕開けを迎えた。相模原ギオンスタジアムで開催される関東学生対校選手権(関東インカレ)に、明大からは短距離部門17名、長距離部門5名、競歩部門3名の選手がエントリー。今大会、明大は5000メートルと1万メートルへの出場を見送ったため、限られた種目で確実に結果を残すことが求められる。1部残留を達成し、さらなる高みへ駆け上がることはできるのか。
初日は1500メートルと4×100メートルRの予選に注目したい。1500メートルには、昨年度の日本学生個人選手権(学生個人)で3位となった加世堂懸(商3=仙台育英)が出場。成長著しい明大中距離の後継者にメダル獲得が期待される。4×100メートルRについて、鷹羽柊弥(法4=盛岡第四)は「明大記録を更新できる実力を持ったメンバーがそろっている」と自信をのぞかせ、表彰台入りを誓う。一方、川津靖生(法3=明星)は4月下旬のインタビューで「大会が重なり、リレーの練習をあまり積めなかった」と話し、バトンパスへの不安を漏らす。昨年度の日本選手権・リレー競技で浮き彫りになった連携不足を克服できるかが焦点となるだろう。
2日目は100メートルと400メートルの決勝。注目が集まるのは、400メートルの明大記録を持つ原田真聡(文3=東農大二)と100メートルの明大ランキング2位の神戸毅裕(営3=明星)だ。昨年度は両者ともに4位と表彰台に届かなかっただけに、今年度こそは優勝を狙いたいところ。しかし4月以降は思うような結果を残せておらず、両選手のコンディションが懸念される。400メートルでは、4月に行われた東京六大学対校陸上競技大会で自己ベストを更新し、好調なシーズンスタートを飾った古俣由人(法2=東京学館新潟)にも期待したい。
3日目のメインは200メートル、1万メートルWの決勝 、4×400メートルRの予選だ。200メートルの注目選手は川津。目標について「順位は3位以内で、タイムは自己ベストを更新すること」と意気込む。1万メートルWでは、主力の近藤岬(理工4=十日町)主将が欠場となり、明大にとって痛手となった。3月に行われた全日本競歩能美大会で自己ベストを更新した長田隼人(商3=松山工)を中心に、競歩部門3名の全員入賞を狙う。4×400メートルRは、昨年度の日本学生対校選手権(日本インカレ)で、明大歴代2位の記録を樹立。今大会では決勝進出と表彰台への期待が高まっている。日本インカレでの好走を再現できるかが見どころだ。
最終日を飾るのはハーフマラソン。明大からは3月の立川シティハーフマラソンで自己ベストを更新した土田隼司(商2=城西大城西)が出場する。1時間04分00秒という持ち記録は上位に食い込む可能性を秘めたタイム。今大会で1時間3分台をマークし、入賞を確実なものにできるかに関心が集まる。
今年度の関東インカレ1部残留は、崖っぷちの戦いになること間違いない。5月24日に開催される全日本大学駅伝予選会(全日本予選)への注力により、長距離部門のエントリー数は例年を下回る。神戸は「長距離は全日本予選を優先するべき。冬季から短距離と競歩で残留できるほどの走力をつけ、関東インカレに挑もうという共通認識を持っている」と奮闘を誓う。短距離、長距離、競歩の垣根を超えて、一枚岩になれるのか。明大競走部は正念場を迎えている。
[武田隼輔]
関連記事
RELATED ENTRIES