(16)春季リーグ戦開幕前インタビュー 木本圭一主将

2025.04.17

(この取材は3月15日に行われました)

木本圭一主将(政経4=桐蔭学園)
――主将を務めることになった経緯をお願いします

 「戸塚監督から『任せたい』という話をいただいて、自分が引き受ける形でしたね。『姿で見せてほしい』という話をいただいて、できることを今よりも全力でやるというか、もっと周りに姿として見せて引っ張ってほしいという話をされました」

――今季から戸塚監督が就任されますが、指導者と選手間での関係性はいかがでしょうか。
 「戸塚さんはかなりノックを打ってくれたり、バッティングピッチャーをしてくれたり、率先してやってくださる方なので。その部分では、監督と選手の間では連携が取れているというか、関わりやすい関係になっていると思います」

――奪冠にはどのような意味を込めましたか。
 「4年生で意見を出し合って『奪冠』というスローガンになりました。自分たちが1年生の時、村松さん(令5情コミ卒・現中日)の代で日本一の景色を見させていただいて、そこから日本一になれていないので。その日本一の景色を見られているのは自分たちだけなので、それを後輩につないでいきたいという気持ちもあり、奪還というスローガンに決めました」

――今年度のチームを概観していかがでしょうか。
 「宗山さん(令7商卒・現楽天)みたいなスーパースターの選手はいないんですけど、1番からピッチャーを抜いた8番まで切れ目のない打線で、どこからでも長打が出ると思うので、打線としては結構いいかなと思いますね。投手陣は強いボールを投げられるピッチャーが多く、4年生中心になると思います。その4年生に結果で引っ張っていってもらいたいなっていう風に思います」

――どのようなチームビルディングをしていきたいという風に考えていますか。
 「バランスの取れたチームだと思うので、しっかりと明治の強みである守備からリズムを作って打撃につなげてというかたちですね。いい試合運びでリーグ戦勝ち抜いていきたいなと思います」

――桐蔭学園でも主将を務めました。どのような経験や考えを培いましたか。
 「やはり高校生ぐらいから一人一人の考えだったり意見だったりは持つようになると思うので、それをまとめ上げるのも主将の役割だと思っています。自分自身の意見だけにならず、周りの意見をしっかりと聞いて、全体がいい雰囲気でチームづくりをしていくのが大事だというふうに今も思っています」

――そこで培ったリーダーとしての自身の強みというのはございますか。
 「そうですね。ミーティングも大事ですが、まずは主将、副将がしっかりと一つになって方向性をきっちりと示すことがチームとして一番大事なことだと思っています。主将、副将で話したり、学生コーチを含めて話したりなどは結構しているので、その方向性を示すことが大事だと思います」

――具体的にはどのような連携をとっていますか
 「練習のメニュー決めというのがあって、元々は学生コーチだけで決めていたんですけど、授業がなかったり空いている日であれば主将・副将で同じ部屋に居て、どこが弱い部分か考えたり、足りていない練習は何か考えたりして、そのときに話し合ったりしていますね。やはりキャッチャー、内野、外野で副将がいるので、客観的にも見られますし、自分たちが感じている部分もあるということで、チーム練習のバランスも偏らないようにやっています。去年まではオーソドックスなバッティングをしてノック、みたいな感じだったんですが、やはり試合になればいろんな場面があるので。実践を増やして、ランナーを付けた状態でノックする、ピッチャーをつけていろんな状況で練習する。今までそこが足りてなかったよねという話になったので、最近はランナーを付けて、ダブルスチールしてくる対策とかもやっていますね」

――秋リーグ開始当時は、結果が出ずに苦しい時期もありました。
 「始まってすぐは、結果が出ずに色々考えて。みたいな感じだったので、自分的にはそれが一番苦しかったかなと思います。最初の入りがやはり悪かったので、去年の秋はそこが苦しかったなという気持ちと、世代が一つ上の人たちとは長くやってきたので、優勝したかったなという気持ちはあります」

――リーグ戦後半では土壇場、ここぞというときの一本が光りました。どのような修正を試みましたか。
 「毎週試合をしていく中で、必ず良くなっていかなきゃいけない立場だったので、動画を見て、相手が攻めてくるボールを考えて、やれることをやって臨んでいました。自分の中ではチャンスを楽しんでいる気持ちがあるので、その気持ちの余裕というか、そういう場面が好きなので、そういう楽しめていることが結果が出てるのかなと思いますね」

――個人では、アナライザーとの情報や数値の共有についてはいかがでしょうか。
 「そうですね。どのゾーンがどのぐらい打てているかといったデータも出してもらっているので、ここ攻められるだろうなというのは頭の中でありながら練習してリーグ戦に臨んでいます。あまり調子がよくなかったので、対応しきれなかった部分はあります」

――早稲田の伊藤樹投手が大きな壁となりました。
 「やはり『選手に対しての攻め方』でやってきている感じがありました。他の大学だったら一人一人に対してではなく、大学相手にどんな感じで攻めてくるという感じだったんですけど、早稲田は一人一人に対して攻めてきている感じがあったので、そこにみんなは戸惑いというか、ボールが絞れていなかったんじゃないかなというのは思いますね」

――これまでの大学生活を振り返って、課題だった点と目指すポイントをお願いします。
 「やはり安定感が欲しいですね。今までみたいな『打てない状況』というのをなくしたいとずっと思ってきたので、今もそれに向けて取り組んでいるんですけど。打率を残すためにもっと丁寧に、繊細さを持って練習しなきゃいけないなと思っています」

――具体的に注目している練習法はございますか。
 「バットの芯に当てることで、ヒットの確率が増えると思っていて。(球速の)遅いマシーンがあるんですが、それで芯にしっかり当てる意識をしています。自分はどっちかというと根本の方に当たって凡打することが多いので、この芯に当てられるようにちょっと工夫はしています。それが良くなるかはまだわかんないですけど」

――四冠を指すにあたって、まずは春の攻略が前提になると思います。最も難しいと感じる点であったり、壁を感じる部分はどこでしょうか。
 「やはり早稲田ですね。伊藤樹から打たないと春の優勝も四冠も見えないと思うので、もう自分たち自身も意識してやっているんで。春、答え合わせじゃないですけど、しっかり打ち返したいなと思っています」

――現在の進路希望としてはいかがですか。
 「プロ志望ですね。秋やって長打も出始めて、やはり宗山さんだったり浅利さん(太門投手・令7卒=日本ハム)だったり、近くで見ていた人たちがプロに行くというのを見て、かっこいいなというか。もとから自分も行きたいなという気持ちがあったので、そこで一気に強くなりましたね。(今は)打率が、とにかく打たなきゃいけないと思うので、打率を残してという感じですね。簡単にアウトにならないバッターも評価されると思うので、簡単にアウトにならず、しっかりと率を残してやりたいなと思います」

――最後に抱負、意気込みを春に向けてよろしくお願いします。
 「打撃では三冠王を目指してやりたいと思っているので、他の誰にも負けない打撃を目指して個人としてやっていきたくて、チームとしては負けない明治をまたつくり上げたいと思っているので、常に勝って。負けないで頑張りたいと思います」

――ありがとうございました。

[松下日軌]