(2)「チームから必要とされる選手になりたい」 利川桐生 新体制インタビュー

2025.04.05

 昨年度、明大は全国大学選手権(選手権)ベスト4となり『奪還』とはならなかった。今年度は平翔太主将(商4=東福岡)が先頭に立ち、スローガン『完遂』のもと、7年ぶりの頂点を目指す。本連載では新チームの監督と幹部となる4年生のインタビューを全6回にわたって紹介します。

第2回は利川桐生(政経4=大阪桐蔭)選手のインタビューをお送りします。(この取材は3月21日に行われたものです)

——昨シーズンを振り返っていかがでしたか。
 「自分たちが思い描いた、求めていた結果ではなかったですけど、春から冬にかけてしっかりと全員成長できた1年間だったかなと思います。(個人的には)なかなか夏からケガが戻らず、あまりチームに貢献できなかったので去年の4年生に申し訳なさはあります」

——楠田選手(知己・政経4=東海大仰星)と副将が2人になった経緯を教えてください。
 「楠田はケガでなかなか思うようにラグビーができなかったんですけど、私生活のところとか下級生たちとの関わりっていうのはすごく見習う部分もあったので、周りから信頼を得てバイスキャプテンに指名されたのかなと思います」

——FWリーダーが廃止されましたが、FWは楠田選手と2人で引っ張っている状態ですか。
 「僕たち2人が頑張って引っ張るというよりは、ラインアウトのリーダーがいますし、スクラムのリーダーもいるので、そういう分野はそこの人間に任せつつ、全体的に見て頑張って引っ張っていこうかなと思っています」

——『完遂』というスローガンにはどのような意味が込められていますか。
 「最後の1分1秒までスキを与えずにやりきるという意味を込めて『完遂』という言葉にしました。みんなで案を出して案を出した人間がなぜこの言葉を提案したのか思いを聞いて投票した結果、全員の思いが『完遂』という言葉に一致して決まりました」

——新チームが始まってから現在のチームの雰囲気はいかがですか。
 「去年の4年生がいなくなって一からのスタートということで、JTSメンバー(JAPAN TALENT SQUADプログラム2025)とかセブンス(東日本セブンス)とか高校代表で結構メンバーが抜けているんですけど、全体的にはすごくポジティブな雰囲気で練習に取り組めていると思います」

——木戸組からここは引き継ぎたいというポイントはありますか。
 「ベースのところは大きく変えず、ただ毎年一緒のことをしていても現状維持は衰退だと思っているので、これから試合をやっていって、どんどん去年から進化できるようにしていきたいなと思います」

——チームでここを強みにしていきたいというポイントはありますか。
 「チームのスローガンが『完遂』で、チームのテーマはベースアップというところ。一人一人のベースを上げることによって、チームが強くなると思うので1年間ベースアップロードを強みにしてやっていきたいなと思います」

——FWの世代交代についてどのように捉えていますか。 
 「去年出ていた4年生たちが偉大だったので、穴を埋めるのは少し難しい部分もあるんですけど、誰が出ても層の厚いラグビーができるというのが明治の強みでもあると思うので、そこまで4年生の穴というのは心配してないです」

——個人的にキーマンと思っている選手はいらっしゃいますか。
 「FWは富田(陸・政経4=大阪桐蔭)と最上(太尊・商4=仙台育英)。富田は去年ケガをしていてなかなか試合に絡めず悔しい思いをして、春先から留学もしていたので、今年1年間フロントローを引っ張っていってほしいなと思いますね。最上は去年バックローで唯一スタメンで出ていて経験値はあると思うので、周りをしっかり引っ張ってリードしてほしいなと思います」

——後輩で注目している選手はいらっしゃいますか。
 「藤井(達哉・政経3=東福岡)と亀井(秋穂・政経3=長崎北陽台)ですかね。亀井はJTSにも選ばれて増量アップしていますし、筋肉量もアップしてパワフルさを増しているので。背も高いですし、ラインアウトとか愚直に頑張っていて期待しています。藤井は去年の秋の最後の方にちょっと試合に出ましたけど、やっぱり力強くてワークレートが高くてすごく頼りになるので、今年1年間本当に頑張ってほしいなと思います」

——1年間でどのような選手に成長していきたいですか。
 「チームから必要とされる選手になりたいというのはあって、どんなにすごくてもケガをするとなかなか使いにくいことはあると思うので、タフでパフォーマンスも落ちない一貫性のある選手に今年1年間で成長したいです」

——今シーズンの目標を教えていただきたいです。
 「個人では1年間フィールドに立ち続けるところにフォーカスしています。チームとしては負ける思いはしたくないっていうのがあるので、勝ち続けられるチームになるために何が必要なのかっていうのをしっかり考えて行動できるチームになりたいです」

——ありがとうございました。

[佐藤比呂]

◆利川 桐生(としかわ・とうき)政経4、大阪桐蔭高。181センチ・104キロ

最近ハマっているものにサウナを挙げた利川選手。「ぼーっとしている間に急にいいアイデアが思い付いたりとかするので、自分にとってサウナが大事な時間です」