
(2)明治大学交響楽団インタビュー拡大版/新歓号特別企画
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。4月1日発行の「明大スポーツ」第545号の5面にて音楽団体の特集を行いました。大学生になり、新たな一歩として、音楽を挑戦してみるのはいかがでしょうか。ジャンルの違う音楽それぞれの面白さに迫りました。今回は明治大学交響楽団(明オケ)の幹事長・山室さん(文3)と内務・新谷さん(法3)のインタビューです。
(このインタビューは2月17日に行われました)
――楽器は何を担当されていますか。
山室 「私は弦楽器のチェロを担当しています」
新谷 「木管楽器のクラリネットを担当しています」
――今担当されている楽器を選んだ理由やきっかけを教えてください。
山室 「自分は高音より低音の方が好きだったので、低音の響きを出せるようになりたいというのが最初のきっかけでした」
新谷 「クラリネットはおばからもらったものです。あと、姉が吹奏楽部に入っていたので私も何か楽器やりたいなと思っていました。ちょうどあったクラリネットを始めました」
――年間の予定を大まかに教えてください。
新谷 「演奏会が6月、12月、3月に大きく分けて年3回あり、6月と12月はフルオケというオーケストラの演奏会です。3月は各セクション、弦楽器、金管打楽器、木管楽器という三つのセクションに分かれたコンサートになります。演奏会だと、あとはそれぞれ金管楽器や打楽器の、それぞれの楽器ごとのパートコンサートというのもあったりしますし、そのパートごとの合宿も行ったりしています。6月、12月、3月に演奏会があるので、その前の5月、9月、2月に合宿があります」
――合宿の目的は演奏会に向けての練習でしょうか。
新谷 「そうですね。あと5月の合宿は新歓も兼ねて、9月は3年生から2年生への引継ぎがあるので、そこも一緒に目的となっています。2月に関しては4年生の送り出しなど、合宿ごとにテーマが決まっています」
――合宿は何をメインに練習していますか。
新谷 「5月と9月の合宿は、各定期演奏会がメインなので、午前中はセクションごとに練習して、夜は合奏みたいな形が多いんです。つい最近やった2月の合宿はセクションコンサートの練習なので、セクションごとにという感じでした」
――12月の定期演奏会で引退という形だと思いますが、規模としては一番大きい演奏会になりますか。
山室 「ホールの大きさ的にもプロの団体でもよく利用されるホールで行います。大体1000人ぐらいのお客様が毎回来てくださって、非常に盛り上がる、3年間の集大成にふさわしい機会かなと思います」

――2023年には100周年を迎えられたそうですが、12月の定期演奏会は例年と違う形だったのでしょうか。
山室 「基本的には例年と変わらないような感じではやりましたが、物販や100周年記念商品を売ったり、100周年の記念オーケストラを行ったりという、普段の演奏会にプラスしました」
新谷 「100回記念ということですごく大々的にやったので、現役はもちろん、上の代のOBOGの方の期待はすごく大きいものだったと思います」
山室 「100周年記念のオーケストラや、大学の学長様、前学長様、理事長様とのご縁もありました。100周年の集大成としてふさわしいものでした。どういう演奏会になったかは、自分は演奏した側だったので分からないのですが、明オケのつながりをフルに生かした演奏会として行わせていただきました。出演者も60代の先生の方や、非常に広い年齢層の方と一緒に(演奏を)やらせていただき、縦のつながりをすごく感じた演奏会でした」
――東京六大学のオーケストラ連盟の活動も再開したと伺いました。どのように活動されているのですか。
山室 「六大学のオーケストサークルで集まっています。ちょうど今選曲会議中で、うちらの代が選曲会議を行っているという感じです。新しく再開したばかりなので、手探りのところが多いのですが、一応その各大学から有志を募って、そこでいろんな話し合いとか、役職とかを決めて動いているという感じです」
――他大学とのつながりは大きいのでしょうか。
山室 「楽器や練習場の融通も、そこで生まれた縁でできます。大学の合宿で日程が前後するときにお菓子をプレゼントもしますね」
新谷 「同じホテルで先に慶大の団体さんが泊まっていて、その後に明オケが続けてくると『お疲れ様』とホワイトボードにメッセージが書いてあったりもしました」
――改めて明オケの魅力を教えてください。
山室 「自分が思う魅力は、やっぱり人間の多様性だと思います。今まで出会ったことのないような人間がたくさんいて、もう一緒にいて飽きないですね。どの学年にもどこ見ても同じような人種が、いい意味でキャラがかぶっている人がいないというのは、3年間続ける上で非常に楽しいというか、どういう子が今年来るんだろうみたいな、そういう楽しみがあるところかなと思います」
新谷 「演奏も行事もいろいろあって、それをそれぞれが楽しんでいるところがすごく印象的です。音楽だけでもなく、遊びだけでもなく、両方ですね。大学生活の中のサークルって、こんな感じだろうな〟というのを体現しているのが明オケかなと想います」
――さまざまな音楽団体さんがいらっしゃいますが、明オケにしかないと思われる部分はありますか。
新谷 「まずは(明大に)フルオーケストラが明オケにしかないです。オケをやりたい人は明オケに来ていただけたらいいなと思いますし、あと規模が大きいのも強みです。毎年三つ演奏会があって、合宿があって、いろいろイベントがあってというのは、毎年続けてきたことだからできるというのもあります。加えて、OBとのつながりも大きくて、卒業してOBOGになってからも演奏機会があるというのはすごく大きなところなので、音楽をやりたいという人や、大学生活を楽しみたいという人にはすごく向いているサークルだと思います」
山室 「いろいろな境遇、自分みたいに以前は運動をやっていて、そこから楽器を始めたよという人もいますし、自分のパートの中で大学から楽器を始めたという人もたくさんいます。パートにもよりますが、そういうふうに新しい挑戦をする場としても、新たな経験をする場としても、非常に向いているのではないかなと思います。(大学から楽器を始めた人も多いのでしょうか。)自分のパートだと、高校までハンドボールをやっていましたとか、軽音もやっていましたとか、いろいろな境遇の人が協力できるところというのは、明オケだけの魅力なんじゃないかなというふうに思っています。本当にいろいろな人がいるので、どんな人でも馴染むことができる、いいところだなと感じます」
新谷 「特に魅力なのは、トレーナーの先生がいらっしゃって、プロオーケストラに所属していたり、すごい経歴を持った先生方が各楽器を教えてくださって、月に何回か見ていただけます」
山室 「弦(楽器)だと月に2回ほど見ていただけますね」
新谷 「なので初心者の方でも、初心者練習みたいなのもあったり、合宿でみっちり教えてもらったりというのがあるのでここも明オケの魅力の一つです。トレーナーの先生とのつながりが深く、たくさんレッスンを受けられるというところが大きいところだと思います」
山室 「弦楽器だと、トレーナーの先生のおすすめの楽器も教えていただけます。楽器を譲り受けた先輩もいたりして、サポート体制というか、新しく始める上ではうってつけの環境なのかなと思います」

――お二人から明オケに対する愛着を感じられます。最初に入団しようと思ったきっかけや決め手を教えてください。
山室 「自分は楽器を親に買ってもらったので、どうしても絶対にやらなければいけない立場でした(笑)。明治にもオケ(オーケストラ)があるから、ここ入るしかないなという、最初はそういう理由でしたね。(楽器を買ってもらったというきっかけは何ですか。)自分は中学まで運動をやっていて。高校から弦楽部があったので、その弦楽部に入るにあたって、楽器購入が必須でした。(親に)無理して買ってもらっていたんですよ。それで、もうやめるとは言えないので(笑)。明オケが魅力的だなということで、(入団に当たって)オーディションがなかったというのも一つの理由です」
新谷 「私は小学校の最後の方から中高とずっとクラリネットをやってきて、他に何ができるかと言われても、楽器しかなかったのと、音楽をどこかで続けたいなという気持ちがあって、オーケストラがあったので選びました」
――やりがいを感じる瞬間を教えてください。
山室 「まだ新しい幹部になってから2カ月も経っていないんですけど、その中で先日終わった合宿(2月合宿)がすごく達成感が強くて、一大行事を終わらせられて、無事に4年生を送り出せたというのが自分にとって大きかったですね」
新谷 「2年生が主体となってやるものが初めてだったので、各団員の個性とか、役割とか、どういうところが意外と得意なのかを見せてもらえて、すごく団員を知るきっかけになりました。あとやりがいとしては、演奏会一つをやるごとに〝やり切った〟と感じるので、そこは大きいかなと思います」
――練習の頻度を教えてください。
新谷 「演奏会でだいたい3曲をやっていて、1曲目と2曲目が短めの曲、3曲目が長めの交響曲という感じです。前の2曲を月曜日に練習して、後ろの1曲を金曜日に合奏練習しています。それが週2回で、あと週1回は金管打楽器、木管、弦で分かれて練習するセクション、パート練習か、先生に見ていただく日もあり、大体合わせて週3日ぐらいです」
――一回の練習あたりにどれくらい時間をかけているのですか。
新谷 「だいたい18時から20時半の2時間半で、合奏の日はそんな感じです。大体、駿河台キャンパスの10号館の音楽練習室というところでやっています」
――セクションごとに練習する機会も多いと思いますが、同期との横のつながりとセクションごとのつながりでどちらの方が強いのでしょうか。
新谷 「最初はセクションかなというのはあります。練習機会が多く、合奏も隣にいるので。ただ運営代になって感じるのは、本当にいろいろな役職に毎日LINEをすることがよくあるので、最初のうちはセクションが中心なんですが、それは学年ごとに分けてやったりする行事も多いので、どちらもつながりが強くなるかなと感じています」
山室 「最初はセクションからで、学年のつながりでいうと新歓の時ですね。和泉の新歓は2年生主体で、去年で言うと私たちが主体でやって、その時に初めて話した人もいました。あとは、明大祭も2年生主体でやっていく中で、明大祭も生明祭もそうですけど、2年生がそこで主体となってシフトを組んだりというとこで、おそらくそういうところでも仲が良くなったりします。仕事をすると仲は深まっていくかなという感じです」

――大学で音楽を始めようと考えている新入生に向けてメッセージをお願いします。
山室 「自分は高校から(今とは)別の楽器でピアノをやっていたんですけど、チェロを始めてからは素人みたいな状態で大学に入りました。そういう人でも楽しめればいいかなと思っていますし、うまくなるために練習する場所もありますし、その環境はそろっています。自分が未経験だから、音楽やったことないからと思って挑戦するのを辞めるのはもったいないと思います。少しでも興味を持ったら練習を見に来てほしいですし、相談にきてほしいなと思います」
新谷 「本当にいろんな人がいて、ここまでお話したのも(明オケの)一面でしかないので、何かしらで音楽がやりたいという気持ちや、大学生活を楽しみたいという気持ちがある人にはとても向いているサークルだと思います。練習見学や説明、新入生の説明会もありますのでぜひ来ていただいて、明オケのいろいろな面を知ってもらって、気になったらぜひ入団していただければなと思っております」
――ありがとうございました。
[橋本太陽、堀口心遥]
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