(1)ルーキーインタビュー拡大版/新歓号特別企画

2025.04.01

 4月1日発行の「明大スポーツ」第545号の2、3面にて、今年度から明大に入学する選手たちの特集を行いました。輝かしい成績を残してきたルーキーたちの思いに迫り、明大での4年間の意気込みを伺っています。今後の活躍に大注目です。

 今回は2面に掲載しました、水泳部競泳部門 成田実生(情コミ1=淑徳巣鴨)のインタビューです。

(このインタビューは3月9日にオンラインで行われました)

――明大に進学を決めた理由を教えてください。
 「他の大学も検討した上で、明大に行きたいと思いました。コーチとも大学進学について相談する中で、『水泳だけではなく自分がやりたいことや、勉強もしっかりできる大学がいい』とアドバイスをもらい、他にももちろん勉強も部活動もできる大学はあるんですけど、私が学びたかったスポーツに関することや、心理学とか外国語とか全てできるのが明大だったので、それが大きな決め手になりました。また水泳部の強さも昔からの憧れであったので、自分の中で一番ぴったりくるのが明大でした」

――情コミに決めたのも、学びたいことがあったからですか?  
 「そうです。まだしっかり大学を調べていなかった時に情報コミュニケーション学部を知り調べてみたら、一つのことにフォーカスして学ぶ学部ではなく、幅広くいろいろなことができるところが魅力的だと感じたので、情コミにしました」

――学業面でも目標はありますか?  
 「今までの中高とはテストの形なども違うと思うんですけど、やはり目標は文武両道することで、遠征に行った時などもしっかり自分で勉強して明大にした決め手である『勉強もスポーツも』というところを頑張りたいです」

――大学生でやりたいことはありますか?  
 「オフの日は大学生っぽいことをしたいです。まずは友達を作って、一緒にカフェで勉強したりとか、大学生と言ったら休みの日に自分たちの車で遠くに行ったりするイメージがあるので、そういうこともやってみたいなと思います」

――明大水泳部員との関わりはありますか?  
 「私が高校1年生の時に高校3年生だった先輩とは一緒にジュニアパンパシフィック選手権の遠征に行ったり、合宿や大会で会うことも多いので、これから一緒に戦えることが楽しみです」

――今までの日本学生選手権(インカレ)はご覧になっていましたか?  
 「直接会場で見たことはなかったんですけど、結果を見たり、情報が入ってくるので、そこで明大の活躍を見て憧れが強くなりました。昨年度の男子2連覇もかっこよかったです」

――女子は人数が少ない中でタフな出場になると思うのですが、体力面などその点についてはどうお考えですか?  
 「先輩方からもタフなレースになることは聞いていたので、不安なところもあるんですけど、先輩たちがそれでも言う、『チームのために』とか『チームのおかげで』、『チームの応援があって』という言葉が印象に残っていて、そういうことも実感できる瞬間が多いと思うので、不安もあるんですけど、明大の一員として早く戦いたいなという気持ちも大きいです」

――中学3年3月の世界ジュニア新記録を樹立以前の成績を教えてください。 
 「まずはじめてジュニアオリンピックカップに出ることができたのが、小学4年時夏だったと思うんですけど、その時は(ジュニアオリンピックに)出場するだけという感じで、最下位から何番目という順位だったり、ジュニアオリンピックに出ることが目標くらいのレベルでした。でも、小学6年時春にはじめてジュニアオリンピックで200メートル個人メドレーで残ることができて、その頃から夏ではメダルを取りたいという気持ちがどんどん強くなりました。中学1年夏のジュニアオリンピックではじめてメダルを取れたのですが、そこが自分のターニングポイントになった大会でした。1位になれそうだったんですけど、終盤で抜かれて2位になってしまい、すごく悔しい思いもした反面、そこではじめてナショナル標準記録を切ることができて、全国から集まるナショナル合宿に参加することができたり、自分の中で様々な変化があった大会でした。そこからは中学2年の大会で通信大会だったんですけど、2種目で金メダルとれることができました。中学1年時夏ぐらいが、自分の中では一気に水泳に対する気持ちとか、目指すものが変わっていった感じがありました」

――水泳に対する気持ちの変化、成長の理由はご自身ではどうお考えですか?  
 「全国で2位になれたけど、(ナショナル)合宿に行ったら自分より速い選手が同い年にも先輩にもいっぱいいて、その中ですごく刺激を受けて、まだまだ上がいるんだとか、もっともっと上を目指すきっかけになったと思います。他の選手の練習に対する取り組み方なども見て、もっと頑張るようになりましたし、練習の時も目標を忘れずに練習に取り組むようになったりとかして、そういうのが結果にも表れたと思うので、そこがすごく自分の中で変わったところかなと思います」

――取材や記者の人数がどんどん増えていると思いますが、取材は緊張しますか?  
 「もう本当に最初の方は緊張しすぎて、まず何を質問されたのか、話しながら忘れちゃっていたこともたくさんありました。 今でもまだ話がまとまらなかったり、緊張しています」

――昨年末のジャパンオープン、400メートル個人メドレー決勝後のインタビューにて「『負けることを恐れない』という先輩の言葉に共感して、自分の気持ちを整理することができた」とおっしゃっていましたが、追う側から追われる側になって、心情の変化はありましたか?  
 「高校3年間で立場がすごく変わったことを自分でも実感していています。高校は初めてジュニアの日本代表に入れたところからスタートして、高校3年生にはシニアの代表になれました。インターハイでも『オリンピックに出たから』という理由で、自分で圧をかけてしまったりとか、自分でその立場を気にしすぎてしまったところがありました。また日本でのランキングもどんどん変わっていたので、そういうところで、追う時は目標があるから、怖いもの知らずというか、そういう気持ちで臨めていたと思うんですけど、やはり追われる側になると少し身構えてしまうところもあるし、プレッシャーのかかり方も違いました。インターハイなどではその点がかなり難しかったです」

――そういう時はコーチとか先輩とかにお話聞いてもらう感じですか?  
 「コーチとは何回も話し合っていて、さきほどの先輩の話も、コーチたちが私の話を聞いてもらう機会を作ってくださったりして、先輩のお話を聞くことができました。他にもお母さんだったり、いろんな人に話を聞いてもらって、答えを一緒に出してもらうことが多いです。もう怖くて泳ぎたくないと思ってしまう時もありますが、話を聞いてもらうと、自分はやっぱり頑張りたいという気持ちになるので、よく話を聞いてもらっています」

――ロサンゼルス五輪への具体的な目標と、その目標までに向けて大学でやるべきことを教えてください。  
 「ロサンゼルスオリンピックが大学生の中での一番の目標なんですけど、その上で大学1年生、2年生がすごく重要になってくると思っています。まずは今度の選考会(3月に行われた日本選手権)でもシンガポールの世界選手権の代表になったり、アジア大会など代表に毎回入ることがオリンピックにもつながっていくと思うので、そこをロサンゼルスオリンピック前の小さな目標に掲げています。あとはインカレでのタフなレースも絶対力になると思うし、インカレは自己ベストを出す選手が多い大会のイメージなので、そういうところでも楽しみながら同期のみんなとか先輩方と一緒に頑張りたいと思います」

――ありがとうございました。

[寺井和奏]

◆成田 実生(なりた・みお)東京都出身、淑徳巣鴨高。163センチ