(20)第544号拡大版 競技解説

 明大スポーツ第544号1面では、自身初の世界選手権に内定した佐藤駿(政経3=埼玉栄)特集を掲載。ここでは、今回の紙面に登場したフィギュアスケートの大会や選手について解説する。

〜大会について〜

世界選手権
例年3月に行われ、その年のシーズン世界一を決める大会。五輪を除けば、世界最高峰の戦いである。オリンピックのプレシーズンでは、この大会に出場した各国の選手の順位により、翌年のオリンピックの出場枠が決められる。

四大陸選手権
ヨーロッパを除く国と地域を対象とした大会。アメリカ、アジア、アフリカ、オセアニアの選手が出場権を持つ。世界選手権に次ぐ規模の大会である。

GPシリーズ(グランプリシリーズ)
各年シーズン前半に世界各国で行われる6大会と、6大会の成績上位者のみが出場できるGPファイナル(グランプリファイナル)の総称。今シーズンは、GPファイナルはフランスで、GPシリーズはアメリカ、カナダ、フランス、東京、フィンランド、中国で行われた。
明大からは佐藤のほかに住吉りをん(商3=駒場学園)と三浦佳生(政経1=目黒日大)が出場した。

GPファイナル
GPシリーズ6大会の成績上位選手が出場する決勝大会。男子、女子ともにGPシリーズの順位からポイントを換算し上位6人のみが出場できる。シーズン後半に開催される世界選手権の前哨戦でもある。

ジャンプについて

選手について

三浦佳生(みうら・かお)
2023年の四大陸選手権で優勝を果たし、大会史上最年少優勝を成し遂げた。その年の世界ジュニア選手権では、2位に大会史上最大の44.06点の差をつけ優勝。スピードのあるパワフルなスケーティングが持ち味で〝ランボルギーニミウラ〟の愛称を持つ。佐藤選手とは幼馴染でありプライベートでも仲がいい。2025年四大陸選手権に出場予定。

鍵山優真(かぎやま・ゆうま)(中京大)
2022年北京オリンピック銀メダル、2024年四大陸選手権優勝。国際大会では4回転フリップをはじめとする4本の4回転ジャンプに成功している。伸びやかなスケーティングと表現力を持っており、2024年の全日本選手権ではSP(ショートプログラム)、FS(フリースケーティング)ともに1位につけ、初の優勝を果たした。愛称は〝ゆまち〟。

壺井達也(つぼい・たつや)(神戸大)
2024年全日本選手権3位、2025年四大陸選手権、世界選手権代表。2024年のNHK杯で自己ベストを更新し3位につき、自身初のGPシリーズ表彰台に上がった。神戸大で勉学に励む文武両道の選手である。

イリア・マリニン(アメリカ)
2024年世界選手権優勝、現在世界ランク1位。史上初の4回転アクセル成功者であり、今シーズンのFSは4回転アクセルを含む6種類、7本の4回転ジャンプの構成で挑んでいる。日本語も達者で、日本で開催されるアイスショーにも多く出演している。インスタグラムのユーザーネームは〝illa_quadg0d_malinin〟(クワドゴッドは日本語訳で4回転の神)。

アダム・シャオイムファ(フランス)
2024年世界選手権3位、現在世界ランク2位。4回転ルッツを演技に組み込む演技で、2024年のGPシリーズフランス大会では、優勝を果たした。2024年のGPファイナルも出場権を得ていたが、足首のケガのため辞退した。

ギヨーム・シゼロン(フランス)
元アイスダンススケーター。2022年北京オリンピック金メダル、世界選手権5度優勝の実績を持つ。2023-24シーズンから佐藤の振り付けを担当している。