(152)箱根駅伝事前インタビュー/溝上稜斗
明大で唯一関東学生連合チーム(学生連合)に選出された溝上稜斗(商4=九州学院)。11月中旬と12月前半に行われた選考を経て、箱根駅伝(箱根)出場に向け、大きく弾みをつけた。今回は、そんな箱根出走を間近に控えた溝上のコメントをお届けする。
(この取材は12月23日にオンラインにて行われたものです)。
――学生連合の選考であった富津合宿を振り返っていかがですか。
「合宿というより単独走の10マイルを走るという感じでした。そこで余裕を持って、47分半を切るぐらいのタイムで走り終えることができて(16キロ走だったので)あと5キロ走って、ハーフマラソンで62分台出したいなと思うぐらい状態はすごく良かったです」
――好調の要因は何だと思われますか。
「11月中旬に行われた10000m記録挑戦競技会の1万メートルで自己ベストで走れて、そこからいい流れで富津合宿までいけたので、自分の感覚としても調子がいいなと感じていました。特別なことというより、いつも通りの流れでいけたことが一番大きかったです」
――合宿の結果を受けて、一気に箱根出場が近づきました。
「当たり前なんですけどうれしかったです。ですが、うれしかったと同時に今まで残りの期間でケガや体調不良などの失敗をしてきたので、気を引き締めないといけないと自分に言い聞かせていました」
――箱根に向けて、どのような練習をされていますか。
「秋学期になってチームでポイント練習をする日に自分だけ授業がありました。そのため、みんな午前中からポイント練習をするのですが、朝に一人で練習をしていました。めっちゃ寒い中、単独走でずっと練習していたことは今振り返ると選考に生きていたと思います」
――現在のコンディションはいかがですか。
「先日も明大のグラウンドでみんなで練習会を行ったのですが、先頭で引っ張ってしっかりこなせたので、状態としてはいいと思います」
――箱根ではどなたに給水をお願いする予定でしょうか。
「マエケンと(前田健心・理工4=樹徳)と村越(優汰主将・文4=横浜)にお願いしようと思っています。村越はずっとチームの主将としてやってきてもらったし、村越の声が一番元気出るので応援してほしいなと思いました。マエケンは箱根に出場していたら運営管理車に乗って箱根を走る予定でしたが、それをさせてあげれませんでした。だから最後一緒に箱根路を走りたいなと思って選びました。まだ本人たちには言ってないんですけど。(――これ記事で書いても大丈夫ですか?)大丈夫です。本人たちに拒否権ないので(笑)」
――昨年度はチーム全体で箱根に向けて体調管理を徹底していましたが、今回は溝上選手だけというところで体調管理の面で難しさはありますか。
「それはすごく今感じています。例年だとみんなで箱根に向かって、クリスマスもみんなで外出を我慢しようという感じなのですが、今はどうしてもそうはいかないです。だからと言って、自分が体調不良になって『あの時お前らが外出してたから』という言葉は言い訳にもならないと思います。悔いを残したくないので『電車に乗る時のマスクと帰ってきた時の手洗いうがいは徹底してね』というふうにみんなに自分から言っています。あと、毎日ボディメンテとR-1を飲んでいます」
――箱根へ具体的な練習はされていますか。
「試走を行って、コースのイメージはつかめました。最近は過去の動画を見て、試走で走ってきた自分のイメージと動画で選手が走っているその背景を見ながらイメージトレーニングをしています。あとは九州学院高の先輩や聖人さん(鈴木・令4政経卒・現旭化成)づてに旭化成の選手の方からも『いつでもアドバイスできるから何かあったら言ってね』と言っていただけたので、箱根への対策はしっかりできていると思います」
――チームの支えを感じられる場面はありますか。
「最初は自分だけ箱根のチャンスをもらったので、正直みんながどういうふうに思っているんだろうという不安はありました。ですが、みんなすごく応援してくれていて、特に新谷(紘ノ介主将・政経4=世羅)は毎回応援してくれます。だからこそ、結果を残したいです」
――昨年度はチームとしての箱根、今回は学生連合として箱根に臨みますが、違いを感じられていますか。
「(明スポの)禿(かむろ)先生のインタビューでもあったように学生連合として出ると言っても明大を代表して出るという意識が強いので、チームとして出ることと学生連合として出ることの心境はあまり変わらないです」
――学生連合の選手との交流はありますか。
「九州学院高の後輩である佐藤(駿河台大)がいたり、古川さん(東大院)が熊本出身の方だったりするので、仲良くできています。あと片川(亜細亜大)は合宿を通してすごく仲良くなって、練習の時も一緒に走っています。また、チーム全体の雰囲気もいいと思います」
――箱根をどのような大会にしたいですか。
「いろいろな人から『学生連合でオープン参加なんだから、目立つ走りをしてよ』などと言われたりします。ですが、明大の代表として出ますし、自分としても今まで積み上げてきたものを最後に箱根という舞台で何の悔いも残さず、出し切って終わりたいと思います。あとは明スポのインタビューを見て『ここまで来るためにいろいろな人の支えがあったんだな』とすごく実感したので、(箱根は)恩返しをするための舞台でもあります。おふざけとか思い出づくりとか一切なく、ガチで結果を狙いにいきます」
――目標を教えてください。
「大学に入学した時の目標が5000メートルで13分台、1万メートルで28分台、ハーフマラソンで62分台、そして箱根を走ることを目標にしていました。1万メートルとハーフマラソンはそのタイムを出せなかったのですが、学生連合の選考を経てもうそれぐらいのタイムを確実に出せる自信が今あるので、箱根では4年間やってきたことを信じます」
――意気込みをお願いします。
「箱根が競技人生の集大成になります。だから、しっかり自信を持ってスタートラインに立てるだけの準備はしてきたつもりですし、それだけの力が付いてきている実感もあります。残りの期間しっかり準備して、ベストな状態でスタートラインに立って、でも走り始めたら全力で楽しんで、全力で頑張って、結果を出して最後締めくくりたいと思います」
――ありがとうございました。
おまけ
――対談読まれましたか。
「見ました。高校の同期からちゃらんぽらんって言うなって怒られました(笑)」
[原田青空]
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