
(6)副将・藤川純平 特別事前インタビュー
体同連ラグビー部(MRC)が第32回関東学生クラブラグビー選手権大会(関東学生)で7年ぶりの優勝を果たした。その結果12月22日に兵庫県で行われる第23回東西クラブ対抗試合に出場し、関西クラブ1位と対戦する。そこで、日本一がかかる大一番に挑むMRC部員にインタビューを行った。
今回は藤川純平副将(営4=明大八王子)のインタビューをお送りします。(この取材は12月17日に行われたものです)
――MRCに入部した理由を教えてください。
「大学生になるにあたり、体育会で続けられるような実力は一切ありませんでした。ただ、ラグビーというスポーツが好きだったことと、高校時代の先輩から誘っていただいたこともあり、体同連ラグビー部に入部を決めました」
――MRCの魅力を教えてください。
「体同連ラグビー部の魅力は二つあって、一つ目は指導者がいないことです。我々は監督やコーチがいないので、チームの戦術や運営も学生が行っています。 そのため、常に自分たちで考えることが求められますし、自分たちの考えやアプローチでチームやラグビーを動かすことができます。だからこそ、幹部になった時はチームがどうやったら良くなるのかということを常に考えて行動していましたし、幹部での話し合いもよく行っていました。そこは体同連ラグビー部ならではの魅力だと思います。二つ目は部員みんな仲が良いことです。入部した当初は試合に出たいという気持ちや、試合で勝ちたいという思いは正直ありませんでした。しかし先輩方が食事や遊びに連れて行ってくれたり、同期のみんなが仲良くしてくれたおかげで、ラグビーでも勝ちたいという思いが芽生え、練習にも熱が入りました。自分たちが上級生になってからは、先輩方に倣って後輩を誘って仲を深める機会を大切にしていますし、学年の壁を越えて仲がいいのは魅力だと思います」
――スローガンである『challenge』に込めた思いを教えてください。
「例年、チームとして対戦相手によってモチベーションやマインドにばらつきがあることを感じていました。実際、試合になると相手に合わせてしまい、タイトな展開になるという課題がありました。それを払拭するために、今年は自分たちにベクトルを向けて、チャレンジャーという意識を持って毎回試合に臨めるようにという思いでこのスローガンにしました。また、毎試合ごとにテーマを決めて、そのテーマに対してチャレンジして、一つ一つの課題を改善していきました。この意識で、これまでと比べて大差をつけて勝てるケースが増えたと思います」
――チームを引っ張る上で意識していることはありますか。
「主張するよりも傾聴することを意識していました。もちろん副賞として主張しなければいけない場面もあります。 ただ、高校のラグビー部でキャプテンをしていた時に、自分の主張が多くて大事な場面で組織をまとめられなかったという後悔がありました。自分が良いと思っていることでも、チームにとって良いことなのかはわからないということを学びました。 そのため、チームを引っ張る上で、部員たちと同じ絵を見て取り組むために、モチベーションの向上や意識の統一が非常に重要になってくることは分かっていました。 主張する前に、同期や後輩たちに傾聴することを意識しました。月間MVPを導入したり、昨年よりもチームビルディングを増やしたという取り組みは、いい取り組みだったと思います」
――モチベーション向上のために意識したことを教えてください。
「ラグビーって15人しか出れないスポーツですが、部員は15人以上いるっていうところで、どうやったらメンバーがモチベーション高く練習に臨んでくれるかっていうところを考えました。プレーのところだけじゃなくて、練習中の態度であったり姿勢であったりっていうのをしっかり幹部で評価して、月間MVPっていうのを導入したり、学年の壁を超えて信頼関係を構築するためにチームビルディングを増やしたというところは、モチベーションの向上のためにやっていた取り組みだと思います」
――今シーズンをここまで振り返っていかがですか。
「非常に順調に進んでいると思います。7月の明治学院戦以降、負けなしの全勝できていますし、勝利するごとにチームとしての絆が深くなっている印象です。また、キャプテンの徳竹を中心に同期が大変まとまっており、どうしたらチームが良くなるのか、どうしたらチームが強くなるのかとか、そのために何をしたら良くなるのかということをみんなが発信している気がします。何が正解かわからない中でも、試行錯誤しながら徹底的に話し合いを重ねています。そのおかげで、7年ぶりに関東学生クラブで優勝という結果につなげられたと思っています」
――チームの底上げについて意識していたことを教えてください。
「底上げっていうところは、モチベーションの向上にもつながってくるんですけど、やっぱり試合でなるべく全員を出してあげて、しっかりその試合で評価をしてあげるっていうところは、層も厚くなりますし、底上げにつながってきたと思います」
――チームの強みを教えてください。
「全体の強みは、組織力だと思います。夏合宿の前まではずっとポッドの練習にフォーカスしていたので、練習で何度もやったポッドの形でトライを取るという場面はよくありました。BKの強みはセットプレーです。バックスの強みはセットプレーだと思います。セットプレーにフォーカスしてきましたし、練習してきたセットプレーが、実際に試合でうまいことトライを取るという場面はよくありました」
――後輩たちに伝えたいことを教えてください。
「ラグビーもプライベートも全力で楽しんでほしいっていうところは伝えたいです。 MRCは高校時代の部活のような硬い雰囲気はありませんし、楽しくラグビーができる環境がそろっていると思います。プライベートもたくさん時間が取れるので、全力で遊んで楽しんで、いい大学生活にしてほしいです」
――意気込みをお願いします。
「チーム一丸となって学生クラブ日本一を取り、徳竹(悠主将・総合4=明大中野)を胴上げします」
――ありがとうございました。
[晴山赳生]
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