
(4)副将・久保大貴 特別事前インタビュー
体同連ラグビー部(MRC)が第32回関東学生クラブラグビー選手権大会(関東学生)で7年ぶりの優勝を果たした。その結果12月22日に兵庫県で行われる第23回東西クラブ対抗試合に出場し、関西クラブ1位と対戦する。そこで、日本一がかかる大一番に挑むMRC部員にインタビューを行った。
今回は久保大貴副将(商4=報徳学園)のインタビューをお送りします。(この取材は12月17日に行われたものです)
——関東学生で優勝した瞬間の率直な感想を教えてください。
「1年間自分たちの代でやってきて、ようやく1年間の目標というか過程が実ったなというのが率直な感想でした」
——昨年度と比べてチームとして変わったポイントはありましたか。
「まず僕たちの幹部の中でミーティングの回数は圧倒的に多くして、やっぱり会話をすることを重視して、それをチームメイト全員に共有するっていうところで、同じ目標とか今どういう状況なのかっていう現状分析のところをちゃんと全員が持てて、同じ目標も持てたので、そこはすごく大きかったのかなと思います」
——ミーティングの頻度はどのぐらいのものになりますか。
「決まった頻度というよりかは試合2週間前から次の試合の戦略というか、どういう試合にしていこうかっていう話をしていたりとか、全体のミーティングもその後に挟んだりしています。新チームが発足してすぐは月1ぐらいの頻度でミーティングして共有してっていうのを導入していたので、対話する機会がすごく多かったかなと思います」
——練習のメニューなどはミーティングで選手自身で決めていますか。
「全部選手だけでやらせていただいています。まず最初に幹部5人でミーティングをした時に、課題とチームの分析をして、そこにアプローチするような練習方法を5人で考えて、全員でやる形でした」
——チームの特徴や雰囲気を教えていただきたいです。
「一番特徴的なのが、学年の垣根を超えた関係というか、例えば試合後に全員で温泉に行ったりとか、全員でご飯を食べたりとか、学年を超えて会話する機会が多いので、4年だけで固まったりとか、3年だけで固まったりとかが全然なくて。それがすごく特徴的なチームかなとは思います」
——雰囲気を良くするための機会は設けられていますか。
「新歓合宿とかはないんですけど、まず最初に入部した生徒の歓迎会みたいなのがあって、その後も月1でチームビルディングとしてチーム全体で集まって、最初に練習して、ミーティングして、最後にみんなでご飯に行ったり飲みに行く。夏まではそれを月1でやって、夏は 9泊10日の夏合宿があるので、そこで全員で話す機会を設けたりとかで、より一層仲が深まっていったって感じです」
——今期のチームテーマの『Challenge』に込めた思いを教えてください。
「まずは、昨シーズンで2位という結果で1位には届かなかったところで、2位という結果に慢心せずに、常にチャレンジャーの気持ちを持ちながらというところが一つ目の理由で、もう一つに、試合中でのテーマを言いやすさというか、試合中でも『Challenge』の気持ちを忘れずに、全員が『challenge』しようって言えるような言葉として選びました」
——MRCのプレー面での特徴を教えてください。
「プレー面では、ディフェンスが今年すごくレベルが上がったなという実感があって、実際に無失点のトライで抑える試合が多くて、体を張って止めるところは昨年から成長できたプレーの1つだと思っています。あとは、FWとBKの連携したセットプレーを積極的に使うとか、練習で合わせていくところでは、昨年よりも精度も、使う回数も増えたので、そこで成長できたかなと思います」
——今年度はタックルの練習などに力を入れている。
「タックルの技術は元から持っている選手が多かったので、例えばオフサイドにならないように全員で1歩下がる意識をちょっとした練習のところから、それこそタッチフットの楽しい練習の中でそういう意識を付けさせるトレーニングを入れたりとか、主に上がる練習でいかに協力して編成できるかっていうところも入れたりしました」
——限られた練習時間の中で意識していることはありますか。
「ウエートトレーニングとかは各自で練習時間外でやっているって形なんですけど、週3で全員が集まるタイミングで自分の持ってきた戦術とかを試す機会になるのでそういう調整とか、新しいことをチャレンジするような場として大切にしてきたかなと思います」
——FWの強みを教えてください。
「FWは今年の強みは一言で言うとディフェンス力なんですけど、その中身はやっぱり気持ち的な面が大きくて、それこそ相手に対していかに前進できるかっていうメンタル面もそうですし、走り切れるところもすごくFWの強みかなと思います」
——体同連であるMRCが他大の体育会を倒せる理由を教えてください。
「まず山梨学院のような体育会を倒すことを常に頭の中に入れていて、1年間ずっとそこを目標にして、優勝を目標にやってきたんですけど、その中で勝っていた部分はメンタルなところが大きいかなと。それこそ山梨学院に最初にトライを許した時とかも、もう一度リセットしていかに前進できるかっていうところでMRCはすごく勝っていて、反対に山梨学院の方は自分たちが2、3トライしたところでチーム内でちょっと言い争いする場面が見えたので、そういうところは僕たちは全然全くないので、常にポジティブに、常に前を向いて戦えたところがとても大きな要因かなと思います」
——精神力と結束力の高さが強みのチームということですか。
「ミスを攻めるチームではないし、喧嘩したところとか全く見たことないレベルなので、結束力は自信はあります」
——MRCに入った理由を教えてください。
「まず自分が大学に入った時にラグビーするつもりは全くなかったんですよ。ケガもあったりして、本当にラグビーは怖いスポーツでした。留学も行きたかったので、主に留学とかをメインで大学生活を考えてたんですけど、MRCの存在を知って、自分は2年生の時に7、8ヶ月ほど留学行ってきたんですけど、そういう融通の利くフレキシブルなところもあって、それに加えてやっぱりチームメイトも雰囲気としては新しく入る人も歓迎するような雰囲気なので、すごく入りやすくて、もう1回ラグビー頑張ろうと思いました」
——内部進学の選手が多いMRCですが外部の報徳学園高から入りにくさは感じませんでしたか。
「正直最初は明中(明大中野高)の子たちが多かったりとかで、自分も留学に行っていて、 今ほど仲良くなれていなかったので居づらさもなかったことはないです。でも今思うと新しく入る人でもすごく歓迎してくれる雰囲気で、それこそ明中だけで集まるようなチームじゃなくて本当にいろんな高校の出身の人とも全員で集まる文化というかチームなので、誰でも入りやすいかなとは思います」
——4年生として意識していることはありますか。
「ただラグビーをやってるだけとか、ラグビーを楽しむだけだと最高学年の意味がないので、個人的にはやっぱり言うべきところは僕がしっかり言うところだったりとか、そういうチームの風紀をちゃんと正すところは軌道修正してというか、そういうところは4年生として心掛けてるところで、生活のところから、練習中、試合中も含めて、俯瞰(ふかん)して見るようにはしています」
——副キャプテンとして心がけていることはありますか。
「副キャプテンとして、まずは一番チーム全体に言える立場なので、ダメとかやめろっていうところは言うところは一つあります。それこそコミュニケーションをより取らせるところでは意識しているところがあって、リーダー陣として後輩とかコミュニケーションを図らせる機会をより増やすとか、話をさせるとか、そういうところも意識しているところかなと思います」
——来年から部を任せる後輩はどのような後輩たちですか。
「本当に自分と似たようなというか、ちゃんとするところはちゃんとして、楽しむところで楽しんでくれる後輩たちが多いので、これからもその雰囲気はなくさず、それこそ新入部員に対して、歓迎できる雰囲気とかもみんなあるので、そこは変わらないと思っています」
——全国大会への意気込みをお願いします。
「7年ぶりの優勝を絶対取っていきたいので頑張りたいと思います! 地元の兵庫開催ですごくワクワクしているので、いつも通りのMRCで圧倒してくるので、その時も取材していただけたらと思います」
——ありがとうございました。
[佐藤比呂]
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