
(2)徳竹悠主将 特別事前インタビュー
体同連ラグビー部(MRC)が第32回関東学生クラブラグビー選手権大会(関東学生)で7年ぶりの優勝を果たした。その結果12月22日に兵庫県で行われる第23回東西クラブ対抗試合に出場し、関西クラブ1位と対戦する。そこで、日本一がかかる大一番に挑むMRC部員にインタビューを行った。
今回は徳竹悠主将(総合4=明大中野)のインタビューをお送りします。(この取材は12月11日に行われたものです)
――MRCに入ろうと思ったきっかけを教えてください。
「自分出身が明大中野で、その明大中野のラグビー部の友達が入っていて、正直最初はやるつもりはなかったんですけど、みんなが入っていたので、僕もやろうかなっていうぐらいの気持ちで入りました」
――MRCの魅力を教えてください。
「特に僕たちの代はプレー内外で全学年が仲が良くて、絆っていう部分が本当に一番PRしたい点です。僕たちの代で、頑張って絆を深めよう、もっとさらに深めようって思って、月に1回チームビルディングも開いて、参加人数が50人とかの規模で、みんな来てくれるぐらい仲がいいっていうのが一番大きいかなと思っています」
――コーチがいない中、活動していく上で大変なことを教えてください。
「MRCはコンセプトとして、楽しんでラグビーをやるっていうのが大元にあります。僕らが2年ぐらいの時、2年前とかは本当にタッチフットしかやらなくて、2時間タッチフットやってから帰るみたいな練習でした。未だにコンタクトの練習は1個もないんですけど、なのに強いみたいなのがMRCだったんですよ。それで僕たちが、どう日本一に(チームを)持っていくかっていうことになって、コーチがいなくて僕たちが練習メニューを決めるので、コンタクトの練習をやり始めようと思えばやり出せたんですけど、そうすると、楽しむためにやりたい人たちは来なくなります。上級生になれば、勝ちたい気持ちが強くなるので、そのためには(コンタクト練習を)やらなきゃいけないよねっていう考えの人はいると思うんですけど、コーチがいないと強制ができない。強制しようと思えばできるんですけど、そうすると来なくなっちゃう人がいるっていうのが、練習メニューのところに関しては難しいところです。メンバー選考に関しても、僕らは4年なので、同期を出したくなる気持ちはあるんですけど、やっぱりラグビーのうまさ、強さ順に選んでいかないといけません。コーチがいれば、僕らは口出しできませんが、試合に出るメンバーを決めないといけないので、メンバー選考もコーチがいないと難しいですね。あともう1個あって、試合中の交代指示ですね。特に僕は、試合にフルで出ているので、(交代を)考えながら試合をしないといけないっていうのが大変です。交代指示者に試合前に全部試合プランを伝えるんですけど、ラグビーなのでケガとかあったり、イレギュラーなことが起こるじゃないですか。そういう時に、試合に出ていないコーチがいれば、そういうことを僕たちは考えずに試合できて楽なのにな、みたいなことは考えますね」
――主将に選ばれた経緯を教えてください。
「ちょうど昨年の今頃に代替わりして、4年の同期ほぼ全員、マネジャーも含めて集まりました。僕はまず最初に立候補して、立候補していないみんなからの信頼が厚いやつが1人いて、1人ずつ匿名とかじゃなく、みんなで円になって、俺はこいつがいい、なぜなら理由はこうだからみたいな感じでっていうのを全員、俺ともう1人選ばれたやつ以外全員でやりました。票数的に俺の方が多かったんですけど、最後は多数決で決めるっていうよりかは、俺に入れてないやつらに多分このまま行くと俺になるけど、俺で大丈夫かっていうのをもう一度確認して、もちろんそれは大丈夫だったっていう感じで僕になったって感じですかね」
――主将としてどんなチームづくりを目指しましたか。
「1年から4年の壁がないような、仲が良くて強いチームを作りたかったです。結果それがうまくいった感じなんですけど、最初は下級生とか、試合に出てないメンバーの底上げを目標にやってきてて、春の大会(KCRF)は公式戦じゃないっていうのもあって、そこでは底上げを意識して、前半はフルのメンバーで戦って、後半は15人全員入れ替えて、今まで出てなかったメンバーとかを出してあげて、底上げをしようっていうのが目標でした.1年生は誰がうまくて誰が強くてとか全然わからない状態なので、そういうところで底上げして本当に良かったなとは思ってます」
――目指しているキャプテン像はどのようなものですか。
「僕はラグビーを何年もやってきましたが、幹部自体がそもそも初めての経験でした。本当に最初は何をどうすればいいのかわかんなくて、声とかで頑張って引っ張るしかないのかなって思っていました。プレーで引っ張るキャプテンが一番かっこいいかなと思っていて、その点だと僕は試合に2年からずっと出さしてもらってて、プレーでは引っ張れるのかなとはずっと思ってたんですけど、どんなにいいプレーをしても、引っ張るっていうのが何なのかがよく分かってなくて。チームまとめ上げるためには、いいプレーするだけじゃダメなんだなっていうのを、いつ頃かに思ったんですよ。本当にどれだけいいプレーをしても、別にチームのスーパースターになったとしても、キャプテンにはなれてないんだなっていうふうに思いました。やっぱりキャプテンはプレー内外で、どれだけ人とコミュニケーションを取れるかっていうのが大事なのかなっていうのを感じました。僕は特に1年生とコミュニケーションを取るようにしていて、チームビルディングは今年からやり始めたイベントで、4月とか5月ぐらいに新歓が終わってメンバーが全員確定したぐらいに1回やって終わってたんですけど、それを毎月やろうってなったのが今年からで、それの何回目かぐらいに、チームビルディングをやっても、同期で固まってとか、酒飲めるやつで固まってみたいな感じになっちゃってたので、仲良くて強いチーム作るためには、4年から壁を壊してかないと、1年からは多分歩み寄ってくれないなってい感じて、僕がキャプテンとして一番話しやすい存在であれば1年生も楽かなと思って、特に1年生になるべく話しかけるようにしたりはしてました」
――今シーズンを振り返っていかがですか。
「一番大きかったのは、幹部5人が仲良くて、幹部それぞれが歯車のように5人がうまいこと回ってくれたなっていうふうに思っています。自分的には周りがどう思ってるか分かんないんですけど、自分的には何も考えずにプレーだけに集中して、声出してっていうことに注力することができる環境を他の4人が作ってくれたと思ってて、特に副キャプテン2人が1年間を逆算してプランを立ててくれて、ここまでにはこういうことをした方がいいとか、モチベーションの維持とかを考えてくれました。幹部それぞれがやることをやってくれたから、僕はやりやすかったし、その幹部4人が裏方のことをやってくれたので、僕がチームと向き合えたのかなっていう風には思ってます」
――後輩たちに伝えたいことはありますか。
「まずは後輩たちには感謝しかないです。今まで試合形式の練習やユニットでの練習はメンバーに入っていない後輩たちがたくさん練習に来てくれたから成り立ちました。また、大会中のボールボーイやタッチジャッジなどのスタッフを快く引き受けてくれたのも、メンバーが試合に集中できた要因であると思っています。特に来年の4年生には来年以降、ぜひ自分たちの代の色を出していって欲しいです。今の代の良かったところは引き継ぎ、よくなかったことは切り捨て、新しいことをどんどん取り入れて、さらに良いMRCを作っていってほしいです」
――試合に向けて意気込みをお願いします。
「絶対に勝ちたいです。自分がMRCに入ってから悔しい思いしかしてきていないので、ずっと目標にしていた『日本一』が今目の前にある状況で、先輩たちやOB、応援してくれている全ての人の想いを胸に7年ぶりの日本一を勝ち取りたいです。一生のうちで何かで日本一になることは滅多にないことなので、まずはこの日本一に挑戦するMRCを最高に楽しみたいと思います」
――ありがとうございました。
[晴山赳生]
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