(1)MRCの成立と今シーズンの成績

2024.12.20

MRCの設立背景
 1952年、新入生であった竹島明氏が和田政雄教授(元商学部教授)に「明大にもクラブチームを作ってラグビーをしたい」と熱意を伝えたことがきっかけで体同連ラグビー部(MRC)は設立された。和田教授は1936年2月16日に花園ラグビー場で行われたニュージーランド学生代表クラブに日本代表選手として出場し、1959年のオックスブリッジ連合との試合では日本代表監督を務め、学生ラグビー界を支えた人物だった。「体育会にはないMRCらしさを大切にしながら、全員が主役のチームを作る」という和田教授の指導指針は現在のMRCの活動理念にもつながっている。創部当初はクラブの運営状況は厳しいものであったが、故・北島忠治監督の協力もあり、チームの基盤を構築。1971年には関東学生クラブ選手権(KCRF)で初優勝。1991年からはKCRF9連覇を果たし、強豪チームの地位を確固たるものとした。一般入試で入学した選手たちが運営をし「体育会とは違うMRCの誇り」を胸に活動をしている。

MRCの海外遠征
 MRCは3年おきに海外遠征を行っている。異文化を体験するとともに、強靭(きょうじん)な肉体を持つ海外選手との試合を通して、成長を遂げることが目的だ。寺島善一教授、村田潔教授の協力により、この伝統は守られ続けている。2019年度はイギリスだったが、新型コロナウイルス感染拡大により一時中止。次回は2025年度にフィジーへの遠征が計画されている。海外遠征においてはOBの方々の尽力もあり、MRCの活動を物心両面で支援している。

今年度の戦いぶり
 今年度は5人の幹部体制で徳竹悠(総合数理4=明大中野)率いる徳竹組が始動した。春シーズンは「メンバー全員を試合に出す」ことで、試合経験がある選手を増やし、チーム全体の底上げを図った。しかし慣れない選手も多く、春に行われたKCRFでは日頃から意識して練習していたBK展開などがうまく機能せず悔しい結果に。MRCが強みを見せ始めたのは夏合宿からであった。9泊10日で行われた夏合宿は9戦全勝。合宿後、明治学大体育会ラグビー部との練習試合で勝利し、秋シーズン開幕後も5連勝を飾った。6戦目の相手は、学生クラブの中でも屈指のフィジカルを持つ山梨学大GE。ノーペナルティー、ハンドリングの精度、運動量の3点を意識したラグビーで戦略を立て、山梨学大GE戦を迎えた。試合では、相手チームのキープレーヤーであったセンターへのディフェンスが光り、プレッシャーをかけることに成功。日頃からタッチフットで強めてきた運動量も功を奏し、47―19で東日本優勝を決定づけた。次なる目標は全国優勝。相手は準体育会・近大ドルフィンズ。昨年度も全国大会に出場した強豪だ。「自分がMRCに入ってからは悔しい思いしかしてきていない。ずっと目標にしていた日本一が目の前にある状況で、OBや応援してくれている全ての人の思いを胸に7年ぶりに日本一を勝ち取りたい」(徳竹)。日本一を決める決戦は12月22日。栄冠に輝くのは、MRCだ。

[森口絵美理]