
(76)インカレ直前インタビュー⑯/中村草太
12月7日より全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)が開幕する。今季は関東大学1部リーグ戦(リーグ戦)で現行体制移行後、史上初の無敗優勝を達成。勢いそのままにインカレ連覇および3冠を目指す。明大は関東第1代表としてAグループに振り分けられ、14日に鹿屋体大、16日に大阪学大、18日に関学大と対戦する。そして各グループ上位2チームがノックアウトステージへ進み、22日に準々決勝、25日に準決勝を戦う。そして中村組は28日の決勝の舞台を目指す。日本一を懸け、絶対に負けられない戦いが始まる。
今回はFW中村草太(政経4=前橋育英)のインタビューをお届けします。
――リーグ戦で無敗優勝を成し遂げました。振り返っていかがですか。
「主将の立場でずっと責任やプレッシャーを感じていたので、リーグ戦という長い戦いのタイトルを取れて、うれしさよりもほっとしたという気持ちの方が大きいです」
――2年連続で得点王とアシスト王をダブル受賞することは大変難しいと思いますが、どのように困難を乗り越えましたか。
「序盤は結果も出て調子が良かったのですが、シーズン中盤あたりからなかなかゴールやアシストがついてこなくて、苦しんだ部分がありました。そこから終盤また調子を取り戻せたのは、主将をやっていたことが要因かなと自分の中では思っています。自分が良くなくてもやり続けないといけない、示さないといけない立場だったのでそのおかげかなと思います」
――無敗優勝という偉業達成の中で、ターニングポイントになった試合はありますか。
「ターニングポイントはいくつかありますが、まずは後期の筑波大戦です。天皇杯全日本選手権では負けていますし(前期の)リーグ戦では2―2で自分たちが勝ち点1を取って追い付いた状態だったので、何としてでも勝ちたかったです。お客さんも2000人ぐらい入っていて、すごくアウェーというか、注目されている中でのほぼほぼ完璧なゲームだったと思っています。あとは一試合一試合の成長が、22試合通して負けなかったことにつながるのかなと思います」
――主将という立場での難しさというのはいかがでしたか。
「発言でチームをまとめるキャプテンとプレー面で引っ張るキャプテンがいる中で、自分はプレーで引っ張る方かなと思っていました。背中で示さなくてはいけないのに自分のプレーができず、それがチームの調子にもつながって、そういった期間はものすごく悩みました。ただ今年は副キャプテンの上林(豪・商4=セレッソ大阪U-18)と常盤(亨太・法4=FC東京U―18)がしっかり支えてくれたので、大きく崩れることはなかったです。上林と常盤がいたから自分もここまでやってこられたのかなと思います」
――栗田監督への思いをお聞かせください。
「もちろん今までの指導者の方々がいてこその今だと思っていますが、栗田監督には言葉にできないくらい感謝しています。インカレで日本一を取って栗田さん(大輔監督)を胴上げしたいです。個人ではダブルタイトルを、感謝の気持ちも込めて取りたいと思っていたので、まず一つは取れて良かったです」
――同期への思いをお聞かせください。
「1年生から苦を共にしてきた仲なので、4年生で最後の試合に出たいというのはあります。しかし勝負と実力の世界であって優勝を目指しているので、外れてくる選手もいます。4年間で一度も背番号をもらえなかった選手もいますし、そういった同期の思いもくんでプレーで表現したいです」
――後輩への思いをお聞かせください。
「明治の取り組みを信じて実直にやり続けてほしいです。その先にチームの勝利や自分が思い描く理想像があると思います。3年生は残り1カ月少しで最上級生になるので、すごく難しい時期ですが本当に頑張ってほしいなと期待しています」
――DFでは特に下級生の選手が活躍していますが、どういったことを後輩に期待していますか。
「(DF面は)本当に後輩のおかげで勝っているというか、来年も大丈夫だなと思っています。問題は攻撃陣。くま(熊取谷一星・政経4=浜松開誠館)とか自分が抜けた時どうなるのかが楽しみな部分ではありますが、チームを勝たせられる選手が出てきてほしいです。そこが来年の見どころ、期待している部分です。藤森(颯太・政経3=青森山田)、林(晴己・政経3=高川学園)、真鍋(隼虎・政経3=名古屋グランパスU-18)などの前線の選手が攻撃面でチームを引っ張ってくれたらと思っています。3人とも今年中にもう一つ殻を破ってほしいです」
――4年間で成長した部分はどのような点ですか。
「サッカー面なら個の力は、ものすごく成長したと思います。守備の考え方、意識が上がったなと思います。これまで攻撃にずっと重きを置いていたので、そこが明治に来て苦しんだ部分ですし、逆に一番成長した部分でもあります。サッカー以外のところで言うと、考え方と本質を捉える力は上がったかなと思います。監督、スタッフ含めて先輩方からご指導していただく中で、今までと違った価値観に大きな影響を受け成長できたと思っています」
――インカレに向けてチーム、個人としてどのような準備をされていますか。
「攻撃のクオリティー、ポジショニングなどは重点的にやっています。あとは守備の整理のところを引き続きやっています。リーグ戦の結果にも出ていますが、失点は少なくて得点が多いという部分の精度を高めていっている途中なので、それがインカレでも発揮できたらいいです」
――インカレの意気込みをお願いします。
「昨年に引き続き優勝、2連覇を狙ってチーム一丸となってやっていきたいです。4年間で最後の大会になるので、結果で恩返しできたらと思っています。4年生の姿、プレーを見ていただきたいです」
――ありがとうございました。
[藤原茉央]
◆中村 草太(なかむら・そうた)政経4、前橋育英、168センチ・64キロ
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