(51)第10回パラ大学祭 明大の絆を体現した1日/第10回パラ大学祭

2024.12.07

 11月10日にlivedoor URBAN SPORTS PARK ランニングスタジアムにて第10回パラ大学祭が開催された。明大からは3チームが出場し、最高成績は明大Bの4位に。どのチームも笑顔があふれパラスポーツの良さを改めて実感するイベントとなった。

◆11・10 第10回パラ大学祭(livedoor URBAN SPORTS PARK ランニングスタジアム)
明大B――4位 620点
明大A――5位 580点
明大C――17位 310点

 最初の種目はボッチャ。ボッチャとは対戦する二つのチームがそれぞれ6球を投げ、ジャックボールと呼ばれる白いボールにどれだけ近づけられるかを競う競技である。〝 地上のカーリング〟 とも呼ばれ、誰でも気軽にできることが魅力の一つだ。明大Bは巧みなチームワークで全チーム唯一の3勝を挙げ、無敗の好スタートを切った。しかし、明大Cは不本意な結果に。2連敗で迎えた3戦目、前半は得点を挙げるも後半はなかなかジャックボールに近づけることができず。大量失点で敗戦を喫し、まさかの3戦全敗となった。

(写真:ボールを投げる堀口心遥・政経2=宝仙学園)

 二つ目の種目はオリジナルスポーツ。玉入れがベースの競技となっており、①目隠しをして玉を入れる人、②籠まで言葉で誘導する人、③手をたたいて籠の位置を知らせる人と役割を決めて挑んだ。同じはちまきの色同士でチームをつくるため、他大学の学生と協力し、交流しながらそれぞれのチームが順調に玉を籠に入れていった。あまり結果に差が生まれなかった1回戦だったが、ここで上原大祐さん(認定NPO法人D—SHIPS32理事長)がゲームの難易度を上げることを提案。学生たちからアイデアを募集するとさまざまな意見が上がった。その中から制限時間を短くすること、②の担当を減らして③を増やすことが2回戦に適用され一気に難しくなったゲームに会場は大盛り上がり。得点には反映されない試合ではあったが、普段関わることのない他大学の学生と交流を深めることができた貴重な体験となった。

(写真:籠にボールを入れる髙橋未羽・政経2=東洋大牛久 )

 続く車いすバスケは配点が高く、優勝を目指す明大にとって勝利が求められる重要な種目であった。明大Aは負けなしの結果となったものの、ボッチャで快進撃を見せた明大B、出だしから調子の上がらない明大Cは苦戦を強いられる結果に。晴山赳生(法2=明大八王子)は「チーム内のコネクションが課題かなと思う。パスを出すタイミングやポジショニングが共有できておらずパスカットされた」と振り返った。一方この競技で明大Aの岩田英佑(法2=明大中野)が華々しい活躍を見せる。高校時代の水球経験を生かしたゴールのポジションは見る者を魅了するほど美しく、一度もボールをこぼすことなくチームの勝利に貢献。課題が浮き彫りとなった一方で、個々の選手の可能性も感じさせる試合であった。この経験を生かし、チームがどう成長していくのか。来年の戦いに期待がかかる。

(写真:車いすバスケを楽しむ小松錦葵・営1=金沢桜丘)

 最終種目はパラ大学祭恒例の車いすリレー。順位による得点がここまでの種目と比べて格段に跳ね上がり、一発逆転も狙える種目だ。しかし、明大は毎年この車いすリレーで苦戦を強いられている。カーブ含むレースとなった昨年度と異なり、今年度は直線を交互に往復するレース。慣れない車いすはコントロールが難しく、他チームのコースに侵入し不本意な妨害となる場面も数多く見られた。ここで今大会において特に印象的な場面が訪れる。これまでの種目では明大3チームの中で常に最下位を貫いてきた明大Cが巻き返したのだ。車いすバスケでは負けなしとなった明大Aと振るわない結果が続く明大Cが、車いすリレーではその差0.40秒と競り合う結果に。蹴落とし合うのではなく応援し合うことで3チームとも最後まで健闘することができた。このレースが明大スポーツ新聞部の絆を示唆している。

(写真:ゴールテープ目前の晴山)

 「チームとして勝利に対する情熱が足りていなかった。悔しい気持ちでいっぱい」(晴山)と勝利への執念の差が命運を分ける結果となった。それでも、年々順位を上げている明大。日々の成果が結果に表れていることは確かだ。来年こそ、悲願の優勝へ。〝前へ〟歩みを進めていく。

[岩本文乃、小松錦葵、杉本菜緒、野原千聖、早坂春佑]

出場選手のコメント
渡辺悠志郎(情コミ4=渋谷教育学園渋谷)
――今大会を振り返っていかがでしたか。
 「今回で5回目の参加となりましたが、やはりパラ大学祭は楽しいなと改めて感じました。4年生になっても関わり続けることができてうれしい限りです」

――今後、パラスポーツとはどのように向き合っていかれますか。
 「この4年間、パラスポーツの世界でさまざまな経験を積むことができました。今後もこの経験を生かしていきたいと思います。まずは現在活動しているNPO法人D—SHiPS32のインターンを全うしたいと思います。また、来年3月に予定されているパラ大学祭も最後の引退試合として参加したいです」

晴山
――ボッチャは全敗となりましたが、敗因はどこにあると思いますか。
 「初戦はチーム全員に固さがあったと思います。第1ゲームでは相手チームの土俵に持ち込まれてしまい、そこからどんどん流れを持っていかれてしまいました。自分的には2試合目がとても悔しいですね。強豪の杏林大相手に第1ゲームで5点を挙げることができて、正直勝てると思っていました。しかしその慢心ゆえに第2ゲームでは置きにいってしまい、結果的に逆転されてしまいました。ショック過ぎてその後の試合内容は覚えていないです」

――車いすリレーでは最後にゴールインされましたが、ゴールテープを切るときの気持ちはいかがでしたか。
 「悔しかったですね。1走とアンカーを務めましたが〝前へ〟を体現することはできたかなと思います。スタートで隣の順大のスピードに圧倒されてしまいましたが、しっかり食らいつくことができたと思います。ですがやはり練習量の差で離されてしまったので、練習からディティールにこだわっていきたいと思いますし、車いすを購入したいです」