
(79)第542号ラグビー早明戦特集号 特別対談!〜2年生編 矢崎由高・海老澤琥珀〜
昨年度の早明戦に1年生ながら出場し、トライを挙げるなど躍動した矢崎由高(スポ2)と海老澤琥珀(情コミ2=報徳学園)。大学ラグビー界のスターでもある2人に、お互いの印象、日本代表合宿や早明戦について伺いました!(この取材は10月21日に行われたものです)
――他己紹介をお願いします。
海老澤(以下、海):矢崎由高選手です。ポジションはフルバックをやっています。得意なプレーは、スピードを持ったランです
矢崎(以下、矢):海老澤琥珀選手です。明治大学の2年生です。ポジションはウイングです。日本代表では『エビチャンチャンチャン』って呼ばれています(笑)
(矢崎選手は何て呼ばれているんですか)
矢:僕は矢崎かヨシって呼ばれています。外国人は4文字が長いらしいんで、2文字に省略されるんですけど、日本人の人は由高って呼んでくる人も多いみたいな感じです
――初めて会ったのはいつですか。
海:中3ですかね
矢:マジ?
海:セブンズの集まりがありまして、セブンズユースアカデミーに来てたよな?
矢:え?おったけ?
海:こいつは覚えてないらしいですけど、会いました
矢:あ!おったおったおった(笑)
海:おい!ふざけんなよ(笑)
矢:いました!
(お互い意識していましたか)
矢・海:全然してないですね(笑)
――お互いの第一印象を教えてください。
海:第一印象はですね〜。全く良くなかったです。というか、怖かったです。僕が一方的に知っていて、彼は有名人やったんで、まだ知り合いじゃなかったときに会ったら怖かったですね(笑)
矢:そんなに中3の時は覚えてないんで。深くU-20で知り合う前にいろんな人からなんか抜けているって言われていたんで、いい意味で(笑)
海:いい意味ですかね
矢:だからそういうイメージでした
(お互いにリスペクトしているところ、嫌だなって思うところは)
海:やっぱり世界で活躍されていますので、そこは同じ学年なので尊敬しています。嫌なところはないです。キングなんで(笑)
矢:僕はやっぱりいろんなことにチャレンジするというか、物怖じせずにずっと全力でやっているんで、僕もそこはリスペクトしますし、見習わないとダメだと思っています。嫌だなっていうところは練習終わった後にシャワーを浴びても着替える服を持ってこないところです(笑)
(シャワー浴びた後どなたの服を着るのですか)
海:いや、忘れてしまったからにはもう1回汚いのを着て、もう1回お風呂に入らないといけないんですよ(笑)
――日本代表合宿を現時点で振り返るといかがですか。
矢:やっぱりすごいタフで、メンタル的にもフィジカル的にも。そういう中で日々日本のトップ選手に揉まれているのは、成長し続けられているかなっていう風に思います
海:僕もやっぱり日本のトップレベルの選手たちと同じグラウンドでプレーできているっていうのがすごく貴重な体験やなと思いますし、すごくためになるというか、成長できるなって思います
(日本代表と大学の練習は違いはありますか)
海:シンプルに体の強さがやっぱり大人の人たちは相当強いんで、ちょっと違うかなって思います
(大学と日本代表の気持ちの切り替えとか大変ですか)
海:いや、特にその気持ちの切り替えもあんまりしてないで。なんて言うんすかね、ずっと同じ感じでやっています
矢:僕もそんなに大変と思ったことはあんまりないんで、むしろ楽しいです
――2人にとってエディーさんはどんな存在ですか。
矢:僕はやっぱり大学2年生で日本代表に呼んでくれたっていうのと、まだ能力が達していたかどうかはわかんないですけど、イングランド戦でもデビューで使ってもらって本当に感謝しかないですし、こういう場所を用意してくれたことに本当に改めてお礼を言いたいです。でもそれはまだ結果を残してこそだと思うので、しっかりワールドカップで結果を残すところまで、そして一緒に行けるところまで行って、最後にお礼を言いたいなと思っています
海:めっちゃいいこと言うやん!僕はもう(笑)
矢・海:本当におじいちゃんと孫なんです!
矢:『エビチャンチャンチャン』って言い出したのもエディーさんなんで。1日3食あるじゃないですか。毎食、エディーさんは琥珀のところ絡みに行ってて、琥珀のこと大好きなんです!
――日本代表合宿に参加して、憧れの選手や尊敬する選手はいらっしゃいますか。
矢:やっぱりたくさん面倒を見てくれる僕の早稲田の先輩でもある長田(智希/令4スポ卒・現埼玉パナソニックワイルドナイツ))さんは比較的この中だったら年齢も近い方に入ると思いますし、たくさんアドバイスもくれますし、いいお手本になってくれているので本当に尊敬しています
海:僕もジャパンの合宿来てから長田さんは
矢:おいパクるなよ(笑)
海:いやでも、長田さんは本当に尊敬しています。ストイックなので
矢:そこは明治にしなくて大丈夫なの?
海:あ、確かに(笑)
(お互いの大学の先輩で尊敬する選手はいますか。)
矢:明治だったら、梶村(祐介/平30政経卒・現横浜キヤノンイーグルス)さんは本当にテレビで見るより体がでかいですし、やっぱりキヤノンでキャプテンをしているだけあって、たくさんコミュニケーション取るのも上手ですし、すごく尊敬しています
海:早稲田は長田さんなんですけど、明治だったら梶村さんと飯沼(蓮/令4営卒・現浦安D―Rocks)さんです。梶村さんに関しては、報徳学園で高校も一緒ですし、すごい気にかけてくれて、めっちゃ話しかけてくれますし、そういうところですごく優しいんで、尊敬できます。蓮さんに関しては、 ラグビーのグラウンドですごく教えてくれるのでありがたいです
――1年時から紫紺と赤黒ジャージーを着てプレーされましたが、初めて着た時はいかがでしたか。
海:最初はプレッシャーがありました。やっぱり着られないで卒業する人も中にはいると思いますし、100年も続いているんで、やっぱり歴史あるジャージに最初(袖を)通した時はちょっと色々思うものありました
矢:僕も最初着た時は校歌もあやふやなくらいちょっと緊張もしていましたし、うれしかった思い出があります
(今、校歌は完璧に歌えますか)
矢・海:1番は(笑)
矢:最初は聞いていました。Apple Musicで(笑)
海:YouTubeで(笑)
――大学に入学してから大活躍ですが、壁にぶつかることもありましたか。
海:去年はやっぱり僕も最初から試合出させてもらっていたけど、結果残せずに、だいぶ落ちたりした時がありました。ずっとうまくいっていたわけじゃないって感じですね。由高さんはないっすね(笑)
矢:壁っていうか、去年もいいメンバーがいて、でも準々決勝であんなに大差で負けると思ってなかったんで、それはめちゃくちゃショックでした
(きつかった時期に支えになるものなどありましたか)
海:自分はなんて言うんですか。支えというか。とにかく努力するしかないと思っていたんで、自主練をいっぱいしていました
矢:ちょうどシーズンオフに入る時に負けたんで
海:切り替えていこうって感じですか(笑)
矢:そうっすね。ちょっとだけチームの始動も早かったんですけど、それでも少しは気分転換できたんで、そんなに引きずらずチームとしてもできたかなと思います
――お互いのチームのいいところを教えてください。
海:いや、マジで今年の早稲田強いです。BKもめちゃくちゃ豪華ですし、特に10番の1年生の服部(亮太・スポ1)くんがちょっとすごく厄介な選手なんじゃないかなって思っています
矢:いや多分、おそらく豪華さで言ったら僕らの方が余裕で劣るんで。何人かくれたらいいんじゃないかって思うぐらい、明治は毎年高校日本代表がたくさん入る大学なので、やっぱり早稲田はポテンシャルや能力では本当に勝てないですし、去年もその1人1人のスキルの高さに本当に驚かされました
――入部前の印象に残る早明戦を教えてください。
矢:やっぱり僕は早稲田なんで、早稲田が勝ったのをすごく覚えています。ちょっと昔になると、齋藤直人(令2スポ卒・現フランストゥールーズ)さんの代が優勝した試合。多分久しぶりの決勝の早明戦で、見に行ってはないんですけど、画面越しでもすごいお客さんいっぱい入っているのも見えたんでそれが印象に残っています。もう1つは僕が高3の時の相良昌彦(令5社卒・東京サントリーサンゴリアス)さんの代の準々決勝で
海:ジャッカルで勝ったやつか
矢:そうっすね。それはすごく熱かったので、試合展開としても面白かったですし、よく印象に残っています
海:僕は齋藤直人さんが優勝した試合。それはちょっと早稲田が強すぎてめっちゃ記憶にあるんですけど。もう1個は、明治が優勝した福田健太(平31法卒・現東京サントリーサンゴリアス)さんの代の早明戦は見て印象残っています
――昨年は初めて早明戦を振り返るといかがですか。
海:あんなに観客がいる試合は初めてだったんで、すごくワクワクしました
矢:前半は明治にすごく押されて、もう試合が前半で決まってしまったんで悔しい思い出も多いですし、国立競技場で本当にスペシャルな体験だったかなと思います
――100回目の早明戦ということで、率直なお気持ちを教えてください。
矢:いや、もう僕の(人生の)5倍ぐらい続いているって本当にすごいっすね。伝統にびっくりっていうのがわかっていたことなんですけど、いざこう目の当たりにすると改めて驚きます
海:100回目ってやばいっすね。なんかきりがいいんで楽しみです
――早明戦はどのような試合ですか。
矢:最終戦ですし、今年もそうですけど本当に落としちゃいけない試合なんで、緊張感っていう意味ではシーズンの中でもトップクラスに高い試合だと思います。去年もそうですけど、前々からマネジャー、その上の総務の人たちや新聞部の人たちも動いてくれて、たくさんの人が特別に感じている試合だなっていうのはしみじみと感じました
海:みんな先輩たちは、去年結構ビビってたんですよ。秋の早稲田は違うみたいな。春は勝ったけど、秋は全然違うからみたいなことをみんな言っていて。やっぱりOBの人たちも早稲田だけには負けるなみたいなことを言ってくるので、自分たちだけの試合じゃないっていうか、ファンの人たちのためにもある特別な思いがあります
――2回目の早明戦では、どんなプレーを見せたいですか。
海:僕はトライ取ろうかなって思います。去年は1トライだったので、あのトライも先輩がうまくて取れたので自分のランを見せられたらいいなと思っています
矢:スピードを活かして頑張って走れたらなと思います
――早明戦のキーマンはどなたですか。
矢:僕らは
海:絶対服部やん(笑)
矢:BKは今年の春はスタンドをやっていたんですけど、今センターにいる早稲田のアタックの中核を担っている欠かせない存在の野中健吾(スポ3)。やっぱりフォーカスポイントでは、僕、佐藤健次(スポ4)くん、服部、福島秀法(スポ3)あたりになっちゃうと思うんですけど。僕たちを生かしてくれるのは本当に野中健吾あってこそだと思うので、そこを見ていただけたらなって思います。FWは1番の杉本安伊朗(スポ2)。一浪で早稲田に入ってきて、久我山のキャプテンで、今は100キロ台あるんですけど、最初入った時は80、90キロ弱ぐらいまで落ちて、そこから本当努力していっぱい食べて。で、今はFWとしても欠かせないと思いますし、全然他のバックローにも負けないぐらいの運動量があると思いますし、本当頼りになる存在だと思います
海:僕たちのキープレーヤーはBKだと平翔太(商3=東福岡)さん。やっぱり翔太さんのパスとアタックがちょっと刺されば、やりやすくなるかなと思います。FWは福田大晟(商4=中部大春日丘)さんで。やっぱりあの人は、運動量とタックルの回数はちょっと半端ないんで、そこはぜひ注目していただけたらなと思います
――早明戦の意気込みお願いします。
矢:去年の早明戦では負け越しているんで、早稲田も今年は選手権もそうですけど、対抗戦も優勝っていうのは目標としてやっているので。それには明治に勝つことが必須になってくるので、いつも以上に気合を入れて頑張りたいと思います
海:僕もやっぱり明治に入ってきたからには、早稲田に負けちゃいけないと思っているんで、やっぱり勝ちたいっすね
――ありがとうございました。
[井垣友希]
◆矢崎 由高(やざき・よしたか)スポ2、桐蔭学園高。180センチ・86キロ
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