
(77)特別編 早大特別インタビュー! 佐藤健次「『Beat Up』を体現して圧倒して勝つ」
早明戦直前ということで、早大の佐藤健次主将(スポ4=桐蔭学園)にインタビューを行いました。早明戦に関することはもちろん、日本代表での話なども伺うことができた、ここだけのインタビューとなっております!(この取材は10月18日にオンラインで行われたものです)
——スローガンの『Beat Up』に関して教えてください。
「スポーツ的な要素で言ったら、圧倒して勝つみたいな。ちょっとスラングみたいな感じになるとぼこぼこにするみたいな。スポーツの意味で言ったら圧倒して勝つなので、書く時とかメディアとかは全部前者で言っていますけど、気持ち的には後者の方です。早稲田に足りなかったのはスキルとかフィジカルとかではなくて、相手をぼこぼこにする気持ちかなと。それが一番分かりやすいスローガンは何かなって自分の中で思っていて、4年生の中でいいのが上がってきたので『Beat Up』に決まりました。あと厳しい時にも自分に打ち勝とうという意味もあって、きついフィットネス練習やチームがしんどくなった時に、自分に勝とうという意味も込めて『Beat Up』になりました」
——早大の強みを教えてください。
「主体的にやっているのがはまっているのかなと思います。監督にやらされるのではなくて、自分たちの足りてないところを自分たちで補ったり、選手が主体的に考えて行うことがすごく増えたのが一つあるのかなと。ウエートトレーニングにしても、ただメニューをこなすのではなくて、なんでそれをやっているのかとか、その雰囲気をつくるのってコーチではなくて選手たち自身なので。そういうところをリーダーとしてうまくリードできているのかなとは思うので、そこがチームにはまっている要因なのかなというのと、セットプレーとディフェンスが安定しているので、それが結構いいですね」
——FWに注目して強みを教えていただきたいです。
「全員頑張るところですね。誰かがラインブレークして抜けたら全員がスピード変えて上がって行きますし、誰かがミスして抜かれたら全員がスピード変えてすぐに戻ってディフェンスしてという、ボールを持ってない(時の)動きとか、ディフェンスでタックルしていない選手とか、そういうところの意識の高さはすごくいいと思うので、継続してやっていきたいなと思います」
——キーマンを挙げるとしたら誰ですか。
「今早稲田を支えているのはスクラムハーフと健吾(野中・スポ3=東海大仰星)かなと思います。まず健吾はラグビーに対する意識も高いですし、ラグビー理解力も高くて、センターとして体も張れて、ラグビーIQも高い。健吾が色々仕切ってコミュニケーションを取ってチームのアタックもうまくいっていると思うので、健吾は(キーマンの)1人なのかなと。あとは9番。いっぱいいるんですけど、やっぱり細矢(聖樹・スポ4=国学院栃木)と宮尾(昌典・スポ4=京都成章)。この2人が4年生になって、 聖樹だったらディフェンスがチームで一番うまいですし、昌典だったらアタックセンスはチームのスクラムハーフの中だったら一番なので、その2人が本当にディフェンス、アタックでお互いの味を出しつつ、キーになってくるのかなと思うので9番の2人と健吾かなと思います」
——注目しているルーキーはいますか。
「服部とかはちょっと面白くないので、他の選手を上げると植木太一(人1=関東学院六浦)ですかね。由高(矢崎・スポ2=桐蔭学園)がいるので出場機会は少ないですけど、 持っているモノは素晴らしいし、2浪して早稲田入ってきてあのパフォーマンスって本当にすごいと思うし、ここから4年間まだあるので、明治の脅威になるのかなと思います」
——春の早明戦を振り返ってみていかがでしたか。
「春勝ったのが何十年ぶりとか、春初めて勝ったみたいなレベルらしく、僕らも知らなかったんですけど、しっかりターゲットゲームにしていたので、そこで明治に勝ち切れてよかったなと思います」
——明治の印象はいかがでしたか。
「セットプレーも強かったんですけど、雨とかもあってコンディション的にもお互いパーフェクトな状態ではなかったのかなと思います。実際、今戦ったらまた同じセットプレーになるかって言われたら分からないですし、やっぱり明治と言ったらFWみたいなところはあるので僕らもそれは警戒していますし、春勝ったからと言って明治より強いとも全然思っていないので、去年ベスト8で負けているチームとしてはもっともっと頑張らないといけないと常に言い続けて、もっともっと成長できればいいなと思います」
——警戒しているプレーヤーを教えてください。
「秋濱(悠太・商4=桐蔭学園)ですね。今までの対抗戦の試合とかを見ていてもちょっと違うので秋濱すごいですね。FWで言ったら、ここでも桐蔭学園(出身の選手)挙げたら面白くないのでクラちゃん(倉島昂大・営4=桐蔭学園)以外でいくと大晟(福田・商4=中部大春日丘)ですかね。彼にどれだけ仕事をさせないか、彼をどれだけドミネートできるかが大事だと思うので、その2人を僕は警戒しています。みんな警戒しているんですけど、強いて言えば秋濱と大晟で」
——過去の早明戦を振り返って印象に残っていることを教えてください。
「明治ファンが多すぎて、グラウンドに入って周りを見渡したら全部紫紺の旗でちょっと反則かなとも思うんですけど、その中でラグビーできるのもあと1年なので、超絶アウェイの環境も楽しみながら頑張りたいなって思います(笑)」
——過去の早明戦で印象に残っている選手はいますか。
「全員すごかったので、1人は挙げられないんですけど、1個上だったら伊藤耕太郎(令6商卒・現リコーブラックラムズ東京)。元々仲良いので呼び捨てですけど、耕太郎くんはやっぱりすごかったなって思います。明治のリズムをつくっていたのはやっぱりスタンドオフだったなとすごく思うので。あとは慶次朗(為房・令6文卒・現クボタスピアーズ)くんですね。慶次朗くんとは日本代表で一緒だったんですけど、めちゃくちゃ強いのでもうあれいたらそりゃ明治勝つだろうなと思いました(笑)」
——一緒にスクラムを組んでみていかがでしたか。
「めちゃくちゃ強かったです。これ書いといてください(笑)」
——日本代表に参加して仲良くなったリーグワンの選手はいましたか。
「フッカーの2人、坂手(敦史・現埼玉パナソニックワイルドナイツ)さんと衛(原田・現東芝ブレイブルーパス東京)さんとはめっちゃ仲良くなりました。あとはみんなから可愛がってもらったというか、仲良くしていただいて、山沢拓也(現埼玉パナソニックワイルドナイツ)さんもめっちゃ仲良くなりました」
——マオリ・オールブラックスとの試合を振り返っていかがでしたか。
「テストマッチに出ていないので、悔しいですけど、マオリ戦はすごくいい記念だったな。僕の中でまだまだ世界との壁を感じた2戦だったし、テストマッチに出られなかったことによって、もっともっと自分の中の意識が高くなったので、代表合宿、代表期間通じてすごくいい経験になったなと思います」
——学生ラグビーを振り返って、思い出に残っていることを教えてください。
「高校のラストの僕らが3年生の時の1年間。形にはないんですけど、宝物というか、すごくいい思い出かなって。一緒に部室で喋ったり、みんなで居残りして練習したり、朝早くふざけながら練習したりとかっていうのを1年間ずっとやっていたので、コロナもあったので難しいところではあったんですけど、高校のラスト1年間はすごく僕の中では大切な思い出です」
——大学4年間の思い出も教えていただきたいです。
「高校3年間は通算して負けたのが公式戦は2回だけとかで、勝つのが当たり前みたいな環境から大学に来て、ぼろぼろに負けて、本当に悔しい思い出しかなくて、だからこそ今年にかける思いは強いですし、過去3年間は帝京が優勝していますけど、最後に自分の年で優勝したら僕の勝ちかなって思っていて、シンプルに負けず嫌いなので、自分の年ぐらいは優勝して終わりたい。それに向けて1日1日頑張って、最後『荒ぶる』っていういい思い出が残ればいいなと思います」
——卒業後の夢を教えてください。
「強いチームに行ってラグビーを続けるので、まずはしっかりそのチームで試合に出て、日本代表にもう1回戻れればいいなって。ニュージーランドとの試合(10月26日開催)は僕も呼ばれていて、さすがにキャプテンなのでもうこの時期はいけないなと思って断ったんですけど、やっぱり日本代表になりたい気持ちはありますし、行きたかった気持ちもあります。日本代表への意識の高さはすごく高い方だと思うので、もう1回戻れるように来年リーグワンのチームに行っても頑張りたいなと思っています。あとはW杯に出るのを一番の目標にしていて、2027年に本当にすごくいいチャンスがあると思うので、しっかりこのチャンスを無駄にしないように、W杯で全試合スタメンで出て、出場しているフッカーの中で一番すごかったと言われるようなフッカーになれるように頑張りたいなと思います」
——早明戦への意気込みをお願いします。
「早明戦だからといって、違うプレーをするつもりもないですし、今まで自分たちがやってきたことを80分間やり続けられれば、おのずといい結果は見えてくると思うのでそれに向けてやりたいです。あとは 1年生の時は明治に(全国大学)選手権で負けさせられていて、1年生の時の負けは自分の中でもめっちゃ悔しいので、自分たちのスローガンの『Beat Up』を早明戦で体現して、圧倒して勝てればなと思います」
——ありがとうございました。
[佐藤比呂]
◆佐藤 健次(さとう・けんじ)スポ4、桐蔭学園高、177センチ・107キロ
明大の選手とも交流がある佐藤健選手。「明治の後輩とご飯とか話しに行ったりしています。つい最近も大川(虎拓郎・法2=東福岡)と利江人(伊藤・商2=報徳学園)と仁吾(竹之下・政経2=報徳学園)とU―20つながりで行きました。あとは蓬田雄(政経3=流経大柏)とかとお店で会ったりとか、明治とはいろいろありますね。富田陸(政経3=大阪桐蔭)にも『僕とも行きましょうよ』みたいに言われたので、そろそろ富田陸とも行こうかな(笑)」
関連記事
RELATED ENTRIES