(73)The final showdown~奪還への戦い~ 木戸大士郎「『前へ』を体現できるようなラグビーをする」

2024.11.24

「今年こそ絶対に優勝を取りにいく」。木戸大士郎主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『奪還』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)、そして日本一『奪還』へ。栄光を勝ち取るため闘球にささげた学生生活。最後の戦いに向かう4年生に明大での4年間とラストシーズンへの意気込みを伺った。10月26日より連載していく。

最終回は木戸主将のインタビューをお送りします。(この取材は10月30日に行われたものです)

――4年間を振り返っていかがですか。
 「本当に短かったですね。いろいろな経験をして充実していたのかなと思います」

――明大に入学した理由を教えてください。
 「吉平さん(石田・令5文卒・現横浜キヤノンイーグルス)や慶次朗くん(為房・令6文卒・現クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)など常翔学園の偉大な先輩が明治に行っていたので、自分も明治に入りたいなと思って入学しました」

――初めての寮生活はいかがでしたか。
 「最初は怖かったですね。高校の時は上下関係が厳しかったです。でも明治に入ったら思ったより厳しくなくて、周りも優しくて今はすごく楽しいです」

――初紫紺の試合(2021年度関東大学春季交流大会・日大戦)を振り返っていかがですか。
 「(初紫紺だと知った時は)びっくりしましたね。驚きが一番大きかったですし、緊張ももちろんしました。パフォーマンスはあまり覚えてないですが、昂平(金・政経4=大阪朝鮮)がトライしたのは覚えています」

――下級生ながら試合に出る上で大変だったことを教えてください。
 「コミュニケーション取るのが大変だったと思います。(先輩に)言いづらい部分もあったので、勇気を振り絞っていきました。(大学ラグビーは)すごくレベルも高かったですし、スピードもフィジカルも強くて大変でした。食らいつくことしかできなかったです」

――主将として意識していることを教えてください。
 「コミュニケーションの部分で『明確にする』ことが大事かなと思っています。練習中意識することであったり、前と全然違うこと言ってるってなったら、どうやって思い出したらいいか分からないので、しっかり目指すところを明確にすることは僕の役割かなと思います。試合中などはポジティブな会話しかしないようにしていて、マイナスなことは言わないようにしています」

――チームがうまくいかない時もあると思いますが、どのようにチームをまとめるか意識していることはありますか。
 「ぶれたらいけないと思っています。秋濱(悠太・商4=桐蔭学園)も言ってたんですけど、僕は堂々とするべきだし、(全員が)常に同じ方向を向くべきだと思います。(チームが)失敗する時とか焦ってる時はバラバラになってしまうので、僕がそれをまとめるのが大事かなと思っています」

――木戸選手の「明治スクラム」コールはB、Cチームにも浸透していますが、どのように感じていますか。
 「いい影響かなと思っています。滝沢さん(佳之FWコーチ・平13政経卒)からもあったんですけど、バックローのエナジーの大切さは、リーグワンのチームに行ってもすごく言われるので、いい影響を与えれているのかなと思います」

――明大で4年間ラグビーを続けられた要因はありますか。
 「親の存在かなと思います。応援してくれていて、学費も出してくれてるし、いろいろサポートもしてくれるし、それにどうやって応えるのかっていったら、自分のプレーでしかないと思います」

――木戸選手にとってスローガンである『奪還』の意味はどのようなものですか。
 「そのままの意味だと思います。『(王座を)取り返す』。それだけですね」

――早明戦でどんなラグビーを見せたいですか。
 「明治として『前へ』っていう言葉があるので、それを体現できるようなラグビーをしたいと思っています」

――ありがとうございました。

[晴山赳生]

◆木戸 大士郎(きど・たいしろう)文4、常翔学園高。186センチ・103キロ
中学時代は休日にラグビーをする傍ら、平日は陸上部で活動していた木戸選手。「長距離をやっていました。今に生かされていると思います」