(59)The final showdown ~奪還への戦い〜 山本文士郎「諦めずに努力し続ける」

2024.11.14

 「今年こそ絶対に優勝を取りにいく」。木戸大士郎主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『奪還』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)、そして日本一『奪還』へ。栄光を勝ち取るため闘球へと捧げた学生生活。最後の戦いに向かう4年生に明大での4年間とラストシーズンへの意気込みを伺った。10月26日より連載していく。

 第20回は山本文士郎(営4=明大中野)のインタビューをお送りします。(この取材は11月8日に行われたものです)。

――明大ラグビー部に入部した理由を教えてください
 「僕が高2か高3の頃に選手権で優勝したのを見て憧れを持ち、同じ舞台に立ちたいなと思い入部を決めました」

――明大ラグビー部を選んで良かったところはありますか。
 「レベルの高い選手とラグビーができて、最初は付いていくのがやっとだったんですけど、成長できたところが良かったと思います」

――4年生として意識している点を教えてください。
 「僕のポジションはフッカーというスクラムの中心のポジションなので、よく声をかけるように意識するようになりました。特に下級生に、わからないことがあったら、アドバイスや相談を受けられるように自分から発信するようになりました」

――4年間で一番印象に残っている試合を教えてください。
 「一つ目が3年時のジュニア(関東大学ジュニア選手権)の帝京大戦です。初めての公式戦でリザーブから入り、相手はスクラムの強い帝京で非常に緊張しましたが、最後のスクラムでまとまりが良く、相手ボールを押してマイボールにするターンオーバーができ、結果トライにつながって逆転勝利したのは僕だけじゃなくてフォワード一丸となって取れたトライだったので、印象に残っています。二つ目が対抗戦(関東大学対抗戦)の初戦の青学戦です。紫紺を着ることを目標に4年間頑張ってきたので、それが叶ってとても印象に残っています。これはいい意味も悪い意味もあり、まずいい意味では対抗戦に初めて出て、後半10分にラインアウトからモール、トライをすることができました。悪い意味では途中のスクラムで1本ペナルティをしてしまって、そこから青山学院大さんにトライを取られてしまったところです」

――4年間で嬉しかったことを教えてください。
 「春の流通経済大戦で4年間で初めての紫紺を着ることができたことです」

――4年間で辛かったことや苦しかった時期を教えてください。
 「苦しかった時期は1年生のほとんどです。練習試合がB戦C戦とある中で、そのメンバーにも選ばれない時期がずっと続いて、ノンメンバー練習という形で5、6人ぐらいでやっていたのが苦しかったです」

――そのような時期はどのようにモチベーションを保っていましたか。
 「自分は楽観的で今頑張ったら4年生の頃とか、3年生ぐらいで試合に出られるようになるかなと思っていたのでポジティブに捉えて練習していました」

――4年間でご自身の中で成長した部分を教えてください。
 「4年間で一番成長した部分はスクラムだと思っています。最初の頃は全然まともに組むこともできなかったんですけど、最近になって自分の中でうまく組めるようになってきて、後輩の組み相手になって教えたり、動画を見ながらアドバイスをするようになることができ、強みになっています」

――4年間全体振り返っていかがですか。
 「きつい時期もありましたが、ラグビーの面でも精神面でも成長できたと思います。あと面白い同期と先輩、後輩たちに恵まれた楽しい4年間でした」

――特にお世話になった先輩と期待寄せる後輩を教えてください。
 「お世話になった先輩は去年のフロントローの古田空(令6商卒・明大中野)さんと、主務だった不京大也(令6営卒・明大中野八王子)さんです。古田さんは高校からずっと一緒で最後の部屋も隣だったので、私生活の部分でもラグビーの時でもお世話になっていました。不京さんは3年生の頃の部屋長でFWコーチでもあったので、相談事とか色々コーチと選手の架け橋になっている存在でお世話になりました。期待している後輩は、部屋っ子の亀井秋穂(政経2=長崎北陽大)です。(亀井は)体重を増やしているので、もうちょっと体重増やして強くなってほしいなと思います」

――後輩の皆さんに伝えたいメッセージをお願いします。
 「僕みたいに今めっちゃしんどい人もいると思うんですけど、諦めずに努力し続ければ絶対試合に出られると思うので、頑張って最後までやり切ってほしいなと思います」

――山本選手にとってラグビーはどのような存在ですか。
 「生活の一部です。ラグビーしてなかったら何もしてないと思うし、中学からずっとやっていたので切り離せないものだと思います」

――山本選手にとってスローガンの『奪還』はどのようなものですか。
 「スタッフや学生コーチ、選手全員でチーム一丸となって選手権優勝に向かってやり遂げるという意味だと思っています」

――今後の目標を教えてください。
 「太ももの大腿部をケガしていてなかなかパフォーマンスが上がらない中で、早くケガを治し練習に復帰して、少しでもチームのためになれるように頑張りたいです」

――ありがとうございました。

[岩本文乃]

◆山本 文士郎(やまもと・もんしろう)営4、明大中野高、177センチ・100キロ
 オフの日に秋濱悠太(商4=桐蔭学園)と温泉やサウナに行くという山本選手。「よく行くのは八王子の竜泉寺の湯です」