
(56)The final showdown ~奪還への戦い〜 南雲憲太朗「自分の役割を全うする」
「今年こそ絶対に優勝を取りにいく」。木戸大士郎主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『奪還』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)、そして日本一『奪還』へ。栄光を勝ち取るため闘球へと捧げた学生生活。最後の戦いに向かう4年生に明大での4年間とラストシーズンへの意気込みを伺った。10月26日より連載していく。
第17回は南雲憲太朗学生アナリスト(営4=川越東)のインタビューをお送りします。(この取材は10月24日に行われたものです)
――4年間を振り返っていかがですか。
「4年間あったんですけどすごくあっという間に感じました。特にシーズン入ってからは本当に早く感じて、シーズンは9月から1月の頭くらいまであるんですけど、毎年本当に一瞬だったなと思います」
――明大ラグビー部に入部したきっかけを教えてください。
「高校までは選手をやっていたんですけど、大学ではアナリストをやりたいなと思っていて。高校3年生の時に、どこに進学するのがいいかなって考えていて、自分は紫色が好きで明治のジャージーが一番かっこいいなと思いました。赤も好きだったので帝京と明治で少しだけ迷って、でもやっぱり明治かなって感じで明治に入りました」
――入部当初の頃を振り返っていかがですか。
「入部当初の時は、アナリストをやりたいって言って入部したのはいいんですけど、何をすればいいのか全く分からず、本当に毎日勉強しつつ怒られつつという感じでした。環境も慣れない中、コロナの関係で入ってくるのも遅くて6月くらいに入部して、選手は結構先輩とも仲いいんですけど、学生スタッフは途中から入ってきたみたいな感じだったので、最初うまく解け込めなくて友人作りなどが大変でした」
――アナリストになられたきっかけを教えてください。
「高校生の時に他校に試合をしに行ったんですけど、そこで高校生でアナリストされてる方がいて、少し話を聞いてみた感じ面白そうだなと思って。ラグビーのことを考えるっていう役割で、僕はプレーをするのももちろん好きだったんですけど、ちょっと大学でやるには体力的にも厳しいかなっていう感じであまり運動得意じゃなかったので、そうなるとアナリストはありかもしれないと思ってぼんやり気になり始めました。いざ大学を選ぶってなった時に、やっぱり大学でアナリストをやりたいって考えに至って今やっている感じです」
――アナリストとしてはどのような仕事をされていますか。
「大ざっぱに言うと、試合や練習を撮影したりするのが本当に一番メインになるところで、絶対にほぼ毎日やるので、撮影して映像を作ってコーチや選手に共有するっていうところが、まず大きなメインの仕事です。他にはスタッツ作りも仕事の一つですね。反則の数やセットプレーの成功と失敗、タックルの数やボールキャリーの数などを数えたりする仕事です。そういうのは試合としっかり向き合いながら、自分のチームと向き合いながらできる仕事で、選手の成長とかも感じられるので、やりがいはとても感じるなと思います。なんか大事に育てている人をじっくり観察するみたいな感じの気分ですね(笑)。最後にもう一つ戦う相手の分析という仕事もあります。事前に映像を見て、こういうアタックをしてくる、こういうディフェンスの張り方をしてくるなど、相手の癖や特徴をコーチたちに共有しています。コーチが大体戦略を立てるのでそれの役に立てるように、コーチが見やすいように映像を分けたり、映像をセットプレーやアタックごとに分けたり。そういうのも含めて結構いろいろな人のラグビー全般のサポートをやるので、かなりやりがいはあります」
――アナリストとして意識していることはありますか。
「アナリストとして意識していることは、任された仕事はできるだけ早くきっちりやるっていうのをメインで意識しています。あとはアナリストの仕事は大体が頼まれ事が多いので、頼んできた人がどういうつもりで頼んできたのかとか考えながら、最近こういうの言っているからこういうのが欲しいのかなっていうのも考えながら、相手の意図をくみ取りつつやるようにしています。相手の求めているものに応えられるようにするっていうところですね」
――南雲さんが思う明大ラグビー部の良さはどのようなところだと思いますか。
「ラグビーチームとしての良さは、やっぱりFW、BKどっちも強いっていうところですね。相手からしたらどっちで来るか分からないんで。BKは足速い選手が多くて、FWもラインアウトやモールなどセットプレーが強いので、どっちも対策しないと止めることができないチームが、ここ最近の明治なのでそこはやっぱり一番の強みですね。チームとしての良さは、なんだかんだみんな仲がいいところですかね。八幡山での試合見ていると分かると思うんですけど、みんなめちゃくちゃでかい声でも応援していて、あのにぎやかさや元気さが大学生だなって感じでいいですね。そういうチームのみんなで仲いいっていうか、和気あいあいとしているところがいいところです」
――改めて南雲さんにとってスローガンである『奪還』の意味はどのようなものですか。
「やっぱり全国大学選手権優勝ですね。僕もやるからにはずっと優勝したいと思ってきて、でも入部してからまだできてなくて。2018年度に優勝した時の試合は見ていたので、その時の盛り上がりとか、これまで決勝で2回負けているので、その時の相手の優勝した瞬間の雰囲気なども味わっていて、あの雰囲気を今度は自分たちがみんなで分かち合えるように『奪還』をしたいなと思います」
――残りのシーズンに向けての意気込みをお願いします。
「残りあと3カ月ないくらいですけど、特にこれといって大きく変わることはなく、しっかり自分の役割を全うして絶対『奪還』したいと思います」
――ありがとうございました。
[久保田諒]
◆南雲 憲太朗(なぐも・けんたろう)営4、川越東高
オフには寮で同部屋である國元駿太朗主務(営4=明大八王子)一緒にいることが多いそう。「よく2人で映画見に行ったり、ご飯食べに行ったりします。最近では『踊る大捜査線』の続編を見に行きました(笑)」
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