
(55)The final showdown ~奪還への戦い~ 登根大斗「チームのために」
「今年こそ絶対に優勝を取りにいく」。木戸大士郎主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『奪還』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)、そして日本一『奪還』へ。栄光を勝ち取るため闘球へと捧げた学生生活。最後の戦いに向かう4年生に明大での4年間とラストシーズンへの意気込みを伺った。10月26日より連載していく。
第16回は登根大斗(法4=御所実)のインタビューをお送りします。(この取材は10月16日に行われたものです)
――ラグビー部での4年間を振り返っていかがですか。
「1、2年生の時はすごく長く感じたんですけど、3、4年生から上級生にもなって、自分にも余裕が出てきました。去年のシーズンなんかは準優勝というシーズンでしたし、そこに自分も絡めてとても早かったなって思います」
――一番印象に残っている試合を教えてください。
「去年の早明戦です。明治大学に入る前から、国立という舞台で試合したい、伝統の早明戦のピッチに立ちたいと思っていました。そこでしっかりそのピッチに立てたっていうのは大きいですし、前半は結構大差で明治が勝っていたのに後半追い上げられて、そこで僕は試合に入りました。リザーブとして去年1年間求められていたことでもある、もう一度チームに波がなくなってきたところに対して、ブースターで入ったことによってしっかりチームの波をもう1回上げるっていうところでトライを取れて、自分の役割を全うできたのが良かったです」
――登根選手は試合中に人一倍声を出されている印象があります。
「普段は一人が好きなのでわちゃわちゃするタイプではないんですけど、練習中とか試合中に声を出すっていうところは高校の時から言われていて、御所実業高時代の竹田先生から3年間みっちり鍛えられていました。相手がしてくることを予測して、それをしっかり声に出すこと。そうすることによって味方もやりやすくなるし、アタックしてくる相手はとてもやりづらくなるのでそこはこだわってやっています」
――4年間で成長できたところや変わったところを教えてください。
「僕自身プレーもそうですが、考え方が変わったのは3年生になってからでした。1、2年生の頃は上級生にすごい選手がたくさんいたので、試合に出ることもあんまりなくて、その限られた時間の中でアピールをしないとその上に上がれなかったので、自分のやりたいプレーというのを結構やりがちだったんですけど、3年生になってからは、スクラムハーフっていう役割を考えて、自分にフォーカスにするのではなく、チームの方針をしっかり優先して、その中で自分の強みを出していくっていうプレースタイルに変わったのかなと思っています。それが結果的に21番で後半から最後の締めに入る部分で導入された時の自分の役割を全うする部分に繋がっていたので、最後までしっかりメンバーに入って準優勝に貢献できたのかなと思います」
――4年間で辛かったことや大変だったことを教えてください。
「特にないですかね。その試合に出られるか出れないというのは、自分でコントロールできることではないので、去年ぐらいから自分でコントロールできないところに対してストレスをかけるのはやめようと思って。どのチームで出場しても何分出場しても関係なく、自分が与えられたその時間の中でできる限りいいパフォーマンスをするために日々の練習をしているので、辛いとか悔しいという感情にあまりならなくなりました。自分でコントロールできることだけをフォーカスして今やっています」
――同期はどのような存在ですか。
「24時間一緒にいるので、どこかに行けば誰かがいて喋ったり、カフェやサウナに行ったりとか、そういうリフレッシュできるいい仲間だったなと思います」
――部での思い出を教えてください。
「全部やることが終わって寝るまでの間に部屋でリラックスというか、好きなお香とか匂いのアロマとかを炊いて、みんなで音楽とか流して一緒に歌ったり話したりとか、結構いい思い出です」
――後輩で期待を寄せる選手はいますか。
「伊藤利江人(商2=報徳学園)と中村つぐ希(営1=目黒学院)、田代大介(営2=大分舞鶴)に期待しています」
――改めてご自身にとって『奪還』はどのような意味を持ちますか。
「ここ数年明治が優勝から遠ざかっているので、優勝をして強い明治を取り戻すっていう意味での『奪還』が一番に込められてるのかなと思います。その中で、101代目の僕たちからこれから先100年ずっと続くという意味でも、僕たちが明治のスタンダードをもう一度引き上げれるように、結果でもそうですし一人の人間としても、みんながしっかり誇りを持てるようなチームを作るための『奪還』でもあるのかなと思います」
――残りのシーズンの意気込みをお願いします。
「残りあと長くても3カ月もないと思うんですけど、4年生として下の学年にしっかり残せるものは残していって、自分でコントロールできるところはしっかりコントロールして、最後は紫紺のジャージを着て試合に出られるように頑張りたいと思います」
[木曽琴乃]
◆登根 大斗(とね・だいと)法4、御所実業高、166センチ・72キロ
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