
(54)The final showdown ~奪還への戦い~ 天童梨紗「後輩たちにたくさんのものを残していく」
「今年こそ絶対に優勝を取りにいく」。木戸大士郎主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『奪還』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)、そして日本一『奪還』へ。栄光を勝ち取るため闘球に捧げた学生生活。最後の戦いに向かう4年生に明大での4年間とラストシーズンへの意気込みを伺った。10月26日より連載していく。
第15回は副務・天童梨紗(文4=白百合学園)のインタビューをお送りします。(この取材は10月18日に行われたものです)
――4年間を振り返っていかがですか。
「とても成長できた4年間だったと思います。自分の性格だったり、人との関わり方、自分のメンタルが強くなったり、そういった能力的にも精神的にもすごく成長させてくれた4年間だったなと思います」
――マネジャーになろうと思ったきっかけを教えてください。
「私は中学の時から家族の影響で主に大学ラグビーを見ていて、初めは違うチームを応援していました。ちょうど明治が優勝した年(2019年)の(全国大学選手権)決勝戦を生で見に行った時に、何でか分からないんですけどすごく明治に引かれました。それでここのラグビー部に関わりたいという思いで明治大学に入学して、今に至る感じです」
――4年間で一番つらかったことを教えてください。
「私はラグビー部に来たくて、明治大学に入学したのもあるんですけど、やりたい勉強もはっきりしていて進学理由にちゃんと勉強があったので、そことの両立っていうところは個人的にすごく大変だったなと思いますし、頑張って良かったなと思うところでもあります。私は文学部のフランス文学専攻ってところにいるんですけど、フランス語を中学ぐらいから学校の授業とかでやっていて、私はフランス芸術に関心があったので、もっと学問的に学びたいなと思って、ちょうど私がやりたいことができそうだなと思ってこの大学を選びました。部活がいくら忙しくても、勉強も忘れないようにしていて、両立っていうのはシーズン中は特に大変だったけど頑張ったなと思います」
――4年間マネジャーをし続けられた要因はありますか。
「ずっと憧れているチームだったので、絶対に4年間やり遂げるんだっていう強い思いを持って入部したっていうのはありますね。また私はすごく周りの環境に恵まれたなと思っています。自分は今実家から通っているんですけど、朝練の手伝いが週1、2回ある中ですごく協力的に支えてくれている家族もそうですし、美貴ちゃん(北村副務・農4=桐蔭学園)が同期で良かったなと思います。美貴ちゃんがいなかったら何年もやってこられなかったんじゃないかって思う場面が何回もあります。監督(神鳥裕之・平9営卒)も優しく見守ってくださって、そういったいろいろな人からエネルギーをもらって、これからもまた頑張ろうっていうのを何度も感じられたことが、4年間やり切れた理由かなと思います」
――同期である北村副務はどのような存在ですか。
「美貴ちゃんとは性格が反対だったり、得意なことが反対だったりして、自分に足りない部分を補ってくれましたし、友達だけじゃなくて仕事仲間みたいな、そういう関係性だと思います。本当に性格が反対で、得意なことも違ったので、お互い支え合ってやってこられたっていうところと、美貴ちゃんの言葉選びとか、ふとした時の態度がすごく優しいなと思っていて、私はあんまり人に相談とかをできない性格なんですけど、そういう時に察して話しかけてきてくれたり、私がすごいしんどいって思っている時に一番早く気づいてくれたことがあったので、本当に精神的な意味ですごく助けられていたなと思います」
――後輩の存在はいかがですか。
「すごく後輩に成長させてもらえたなと思っています。後輩に教えるという仕事が増えることで、自分の視野が広がったり、改めて自分がやっている仕事が部活動にとってこういう意味を持っているんだっていうのを再認識させられます。あとは、自分自身が当時先輩からどういう風に見られていたのかなっていうのを客観視できたり、自分自身も一緒に成長させてくれる存在だなと思いますし、自分もいいものを残してあげたいなっていう思いがすごくあるので、そのために今やれることをやろうっていう気持ちを持たせてくれる後輩かなと思います。直属の後輩の成長、それこそ直ちゃん(魵澤マネジャー・文2=淑徳与野)の成長を見て、こんなに人って変わるんだっていうのをすごく感じて、少しでも追いつこうと思ってくれているのが伝わってきます。そのために私もこういうことを残せるかなとか、どういうことができるのかなっていうのを考えて今活動できているのは、チームとしてもすごくいい影響をもらっているのかなと思います」
――マネジャーの仕事をする中で意識していることはありますか。
「マネジャーはチームが最初にアクションを取ろうとした時にファンの方と接する機会が多くて、監督も「マネジャーがチームの顔になることが多いからね」と常日頃からおっしゃっていて、それは私自身も先輩のマネジャーを見て、自分たちが与える影響って大きいんだなっていうのをすごく感じていました。誰にでも丁寧に接するとか、ファンの方にもラグビー部をもっと応援したい、応援して良かったと選手の活躍以外の場面でも思ってもらえるようにしてきたことはマネジャーとして重要なことだと思います」
――天童副務にとってスローガンである『奪還』の意味はどのようなものですか。
「私の視点から言うと、私は明治が優勝した時を生で見ていて、優勝して盛り上がるファンの人だったり、すごくうれしそうな選手の姿は今でも覚えています。そこに今度は自分たちが立てるようにっていう強い思いで4年生でこのスローガンを選びました。私はプレーしないですけど、目指しているところは同じなので、私たちスタッフも違う形で『奪還』に向けてあと3ヵ月全力で頑張っていきたいなと思います」
――残りの期間に向けての意気込みと、これからの目標をお願いします。
「残りのシーズンあと3ヵ月、もちろん優勝したいという目標もありますし、マネジャーとしては後輩たちにたくさんのものを残していくことが目標になるかなと思います。自分のこれからの目標としては、ラグビー部で培ってきた考え続けることの重要性や、監督がよくおっしゃっている『凡事徹底』もそうなんですけど、自分の中で大事にしていきたいと思える言葉にすごくたくさん出会えたと思うので、そういう考え方をこの先社会人になっても大事にしていきたいと思います」
――ありがとうございました。
[晴山赳生]
◆天童 梨紗(てんどう・りさ)文4、白百合学園高
趣味は芸術鑑賞。「演劇や映画、美術館を見に行ったりします。この間、演劇の『モーツァルト』を直ちゃんと一緒に見に行きました!」
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