
(53)The final showdown ~奪還への戦い~ 寺下功起「優勝に憧れて」
「今年こそ絶対に優勝を取りにいく」。木戸大士郎主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『奪還』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)、そして日本一『奪還』へ。栄光を勝ち取るため闘球へと捧げた学生生活。最後の戦いに向かう4年生に明大での4年間とラストシーズンへの意気込みを伺った。10月26日より連載していく。
第14回は寺下功起(文4=東福岡)のインタビューをお送りします。(この取材は10月22日に行われたものです)
――ラグビーを始めたきっかけを教えてください。
「僕2人兄がいるんですけど、一番上の兄が友人に連れられてラグビーをしていて。その関係で生まれた時からラグビーのグラウンドに行っていて、そこでラグビーを始められるのが4歳ぐらいからだったので、 4歳から始めた感じです」
――明治のラグビー部に入ろうと思ったきっかけを教えてください。
「東福岡高の四つ上の先輩で明治に行った森勇登選手(令3政経卒・現東芝ブレイブルーパス東京)って人がいるんですけど、その人がラグビーうまくてかっこいいなって思ってたので、その人に憧れて入部しました」
――明大ラグビー部で活動した4年間を振り返って、どのような4年間でしたか。
「簡単に言えば生き地獄でした。周りがどんどん上のチームに上がっていくじゃないですか。そういうのをグラウンドの端から見ていて、逃げられないしもちろん自分の力でしか登っていけない。このどうしようもないもどかしい気持ち、ずっともどかしい気持ちが4年間続いたというのがあるので、僕はずっと生き地獄だと思ってました」
――厳しい環境で4年間続けられた理由を教えてください。
「続けられた理由は親がいたからですね。高校時代もずっと親に支えられてきたので、親のために頑張ってたと言っても過言ではないです」
――最上級生となって変わったことはありましたか。
「下級生にはなるべく自分ができる限り優しくするということです。自分が下級生だった時のことを考えたら、やっぱり話しやすくて、タメ口でも全然話せるぐらいの関係性の先輩がいた方が練習もしやすいですし、寮も一緒だからやっぱり24時間365日過ごす時も気遣わずにやってほしいなって。自分がそんな雰囲気でやりたいなって1年生の時に思っていたので、そこは意識しています」
――明治のラグビー部を選んでよかったことを教えてください。
「友達や後輩が本当みんないい人で、特に同期と後輩が。お金じゃ買えない友達ができたなと思います」
――目標にしていた先輩はいらっしゃいますか。
「自分をすごく可愛がってくれた先輩は、1個上の松下潤一郎選手(令6法卒・浦安D-Rocks)で、ジュンちゃんって呼んでるんですけど、小学4年生時ぐらいから同じチームでやってたんですよ。同じチームでずっと一緒に試合とか練習してました。なので、そのジュンちゃんを一番慕っていました。目標にしていた先輩は、 1年生の時の一番最初の部屋の先輩の石塚勝己選手(令6情コミ卒・クリタウォーターガッシュ昭島)で、すごくかっこいい人だなって思ってました」
――期待している後輩はいらっしゃいますか。
「いっぱいいるけど代表して柴田竜成(営3=秋田工)でお願いします。柴田竜成は努力量が半端じゃない人なので。自分はずっと努力ができない人間だから、そういう努力をずっとしててすごいなって思ってた後輩で。同じ部屋でずっとそれを見ていて、大学だけじゃなくてこれから先大人になっても、ずっとチェックして応援したいなと思える選手なので期待してます」
――寺下選手にとってスローガンである『奪還』の意味はどのようなものですか。
「シンプルに優勝するって感じで。僕たちは先輩たちが優勝してたのを見ていて、それに憧れて入った選手が多いと思うし、僕もその内の1人なので。強くてかっこいい明治でありたいなっていう思いが僕にはあります」
――後輩たちに伝えたいメッセージをお願いします。
「高校、大学で学んで考えたことですけど、努力したら必ずその結果がついてくるわけではないけど、努力しないやつは絶対結果がついてこないので、先の自分の活躍に期待して、苦しい練習もひた向きに頑張ってほしいなって思います」
――最後に意気込みをお願いします。
「もう僕はこれでラグビーをやめるので、ケガせずあとはとにかく楽しむだけです」
――ありがとうございました。
[保坂啓太郎]
◆寺下 功起(てらした・こうき)文4、東福岡高、176センチ・85キロ
後輩とすごく仲のいい寺下選手。取材中には同じ部屋の仲間航太選手(文3=常翔学園)や伊藤龍之介選手(商2=国学院栃木)から鋭い指摘が入ったりと、いい関係性が垣間見えました。
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