(44)The final showdown ~奪還への戦い〜 金子琉聖「後輩たちに何か残すことができれば」

2024.10.30

「今年こそ絶対に優勝を取りにいく」。木戸大士郎主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『奪還』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)、そして日本一『奪還』へ。栄光を勝ち取るため闘球へと捧げた学生生活。最後の戦いに向かう4年生に明大での4年間とラストシーズンへの意気込みを伺った。10月26日より連載していく。

第5回は金子琉聖(政経4=佐賀工)のインタビューをお送りします。(この取材は10月19日に行われたものです)

——明大での4年間を振り返ってみていかがでしたか。
 「ケガにも苦しんで、1年時とかは試合に出られなかったんですけど、4年生になって今は結構試合にも出られて、ジュニアの公式戦にも出られているので、そこは成長したのかなと思います」

——最上級生としてメンタル面で変わった部分はありましたか。
 「一番上の代になって、今までは先輩たちが引っ張ってくれていましたが、自分たちが引っ張らないといけないというのがあって、トーク量が増えて引っ張れているのかなと思います」

——厳しい環境で努力し続けることができた要因を教えてください。
 「応援してくれる人たちがいたから頑張れたというのもあったし、同期の存在が一番大きかったですね」

——4年間で思い出に残っている試合、印象に残った試合はありますか。
 「今年ジュニアの試合は出続けていて、これから早稲田とか帝京と対戦していくんですけど、ジュニアの試合が一番印象に残っています」

——一番辛かった経験を教えてください。
 「後輩が増えていく中で競争が激しくなり、今年の春も一番下のチームでプレーすることがメンタル的にもしんどい時はありました」

——そのような辛い時にはどのような心持ちで乗り切ってきましたか。
 「とにかくウエートにような努力はし続けてきて、絶対腐らずに最後までやり続けようと思っていました」

——チームの中で尊敬されている方はいらっしゃいますか。
 「キャプテンの木戸(大士郎・文4=常翔学園)です。オフの日は思いっきり楽しんで、ラグビーの時は真剣に誰よりも声を出してチームを引っ張るし、そういうメリハリがあるところを一番尊敬しています」

――お世話になった先輩を教えてください。
 「1年の頃の尾関のぶさん(右樹・令4文卒)と佐賀工の先輩の松本純弥さん(令4政経卒)です。どちらとも部屋長でとてもお世話になりました。1年の頃はとても入寮するのが嫌で、部屋長の純也さんもとても怖いイメージがあったのですが、とても大人で優しく接していただきお世話になりました。そして後期には尾関のぶさんが僕を部屋っ子に取ってくれて、のぶさんのおかげで4年生のみなさんと会話ができたり、コーヒーを飲めなかった私がのぶさんに誘ってもらって朝練後にコンビニに一緒に買いに行ったりすることがとても楽しい思い出です。今でもたまに飲みに連れて行ってくれます。そして一個上の柳田さん(治久・令6文卒)、住吉さん(一晟・令6文卒)はずっとお世話になっていて去年4年生5人と私でキャンプに行ったことはとても良い思い出です。今でも仲良くさせてもらっています」

——明大のラグビー部に入部して良かったことを教えてください。
 「最初はレベルの高い環境の中でプレーをすることに不安も多かったんですけど、メンタル的にも身体的にも成長できたことが一番大きいです」

——スローガンである『奪還』の意味は金子選手にとってどのようなものですか。
 「『奪還』にはジュニアもAも優勝が当たり前となっていたんですけど、それを真剣に、本気で勝ちに行くという意味で、今年こそは本気で取りに行くという意味だと思います」

——今後に向けての意気込みをお願いします。
 「試合に出続けて、4年間自分が積み上げてきたことを試合で全部出して、後輩たちに何か残すことができればなと思います」

——ありがとうございました。

[佐藤比呂]

◆金子 琉聖(かねこ・りゅうせい)政経4、佐賀工高、193センチ・107キロ
 目標とする人物にイングランド代表のマロ・イトジェ選手を挙げている金子選手。「容姿もかっこいいしプレーも激しいし、もうとにかくかっこいいです」。