
(42)The final showdown~奪還への戦い〜 大﨑哲仁「ラグビーを通して成長して来た」
「今年こそ絶対に優勝を取りにいく」。木戸大士郎主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『奪還』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)、そして日本一『奪還』へ。栄光を勝ち取るため闘球へと捧げた学生生活。最後の戦いに向かう4年生に明大での4年間とラストシーズンへの意気込みを伺った。10月26日より連載していく。
第3回は大﨑哲仁(政経4=国学院久我山)のインタビューをお送りします。(この取材は10月16日に行われたものです)
――明大ラグビー部に入部した理由を教えてください。
「小さい頃からずっと憧れていたのが一番大きいのかなと思います。小さい頃からラグビー好きで、やっていて家族で試合見に行っていたりしていたのかなと曖昧ですけど記憶はあります」
――明大ラグビー部を選んで良かったことはありますか。
「競争力が一番どの大学よりも高いかなと思っています。全国から本当に選ばれた人しか入れないというのもあり、練習の質とかも高いですし、そういった中で練習できるのは良かったなと思います」
――4年生として意識していることはありますか。
「最上級生っていうのもあるので、なるべくチーム全体を見るようにしています。自分の個人のプレーに気分を上げたり下げたりするんじゃなくて、チームを俯瞰(ふかん)してもっとこういうところを、こうしようというのをなるべく見るようにしています」
――ご自身が出場されている試合で一番印象に残っている試合を教えてください。
「3年時に初めて紫紺を着られた対抗戦開幕戦の青学戦です。初めてっていうのもありましたし、小さい頃から憧れていたチームのジャージーを着て秩父宮でプレーできるということで、すごく緊張感もあったんですけどそれ以上にワクワクや、楽しさがあったので今でも鮮明に覚えています」
――4年間でうれしかった瞬間を教えてください。
「初めて紫紺を着た試合ももちろんですが、去年の帝京ジュニア戦(関東大学ジュニア選手権)で最後逆転して勝った時はすごくうれしかったです。みんなで抱き合って喜んだ記憶があります」
――4年間で辛かった時期や苦しかったことはありますか。
「しょっちゅうあるんですけど、まさにこの4年目は自分の中ではしんどいと思っていて、春シーズンは試合に出させてもらっていたんですけど、その後からずっとケガ続きで、夏合宿も何もできず。今もまた先週の慶應ジュニアでケガをして、チームから離脱し、周りが成長していく中で自分だけ成長できていないのかなと風に思っていてそこはメンタル的にちょっとしんどい部分ではあるかなと思います」
――そのような時期はどのようにモチベーションを保っていますか。
「今の自分にできることをフォーカスしてやることをいつも意識しています。ケガしたからとかそういう理由で腐るのではなくて、ケガしている期間でも練習見たりとか、映像を見返したりとかできることいっぱいあると思うので、そういったところで少しでも成長できればいいかなとそういうのをモチベーションにしています」
――4年間でご自身の中での変化や成長したことを教えてください。
「自信がついたことは大きいのかなと思っています。自分自身、高校時代は全国大会にも出てないですし、何のキャリアも経歴もない状態でした。それに比べて周りは高校日本代表とかばっかりで、最初は本当に全く自信がなくて、練習も試合もいいプレーとかできなかったんですけど、徐々に評価されるようになり、この4年間を通して少しずつ自分の強みである部分とかに自信を持てるようになってきたのは変化なのかなと思います」
――どういったことによって自信を持てるようになりましたか。
「練習試合とかで自分の思い通りに行くようなプレーができた時は自信につながりました。あとは周りから今日良かったとか褒められたりすることで、これでいいんだという風に自分の自信につながっていたのかなと思います」
――4年間全体を振り返っていかがですか。
「楽しいことよりも、しんどくてきついことの方が多いというのが率直な感想です。でも、その中でここまで続けてこられているというのは、日本一という大きな目標があるからだと思っているので、これからも日本一に向けて頑張っていきたいと思っています」
――特にお世話になった先輩や期待を寄せる後輩を教えてください。
「お世話になった先輩は2学年上の大賀宗志(令5営卒・現東京サントリーサンゴリアス)選手と中村公星(令5情コミ卒・現リコーブラックラムズ東京)選手です。このお2人に本当にお世話になっていて、今でもご飯とか連れていってもらいます。後輩はみんなには期待しているんですけど、その中でやはり同じ高校の大沼隼人(政経2=国学院久我山)と道浦康介(政経1=国学院久我山)に頑張ってほしいなと思っています」
――お2人の先輩とのエピソードを教えてください。
「2人とも部屋が一緒だったので、部屋でまずお世話になりました。そのお2人が卒業した後も何度もご飯に連れていってもらったり仲良くしてもらっています。また、僕が3年生の初めて紫紺着て試合に出る時に、応援のメッセージのラインが来て、すごくうれしかったっていうのは今でも覚えています」
――後輩たちに伝えたいことを教えてください。
「本当に腐らず、最後まで目標持ってやり続けることが一番なのかなと思います」
――大﨑選手にとってとラグビーはどのような存在ですか。
「僕は5歳からずっとラグビーやっていて、ラグビーを通して僕はここまで成長してこられたのかなと思っているので、僕の成長には欠かせないものと思っています」
――今年のスローガンである『奪還』は、大﨑選手にとってどういったものですか。
「シンプルかつ分かりやすいスローガンで、日本一を必ず取るという思いが込められていると思います。個人的にはポジションを奪い返すとか、そういう意味合いも含まれているかなと思っているので、そういった点でもいいスローガンだなと思います」
――大﨑選手のライバルはいらっしゃいますか。
「僕はバックローのフランカー、ナンバーエイトのポジションという明治の中でも一番競争力高いんじゃないかなっていうポジションで、フィジカルも強いし、スピードも強いし、スキルもある選手が集まっている中で、ずっと目標にしてきたのは、同期の福田大晟(商4=中部大春日丘)です。大晟は1年生から試合に出ていて、映像とかでも参考にしてきた部分もあるので、僕の目標の選手でもあると思います」
――個人としてのこれからの目標を教えてください。
「まずはしっかり復帰することが一番大きな目標なのかなと考えています。復帰した後もチームにうまくコミットして、ジュニア選手権やCチーム、どのカテゴリーで出てもチームのために貢献する。最終的には日本一という僕らのこの1年間追い求めてきたものを達成できるように頑張っていきたいです」
[岩本文乃]
◆大﨑 哲仁(おおさき・てつひと)政経4、国学院久我山高、178センチ・96キロ
夜、寝つきがあまり良くないという大﨑選手。「福田大晟からルイボスティーが効くと聞いたので、最近ルイボスティーを買って毎日飲んでいます笑」
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