
(41)The final showdown ~奪還への戦い〜 稲村心 「精神的にも身体的にも成長できた」
「今年こそ絶対に優勝を取りにいく」。木戸大士郎主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『奪還』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)、そして日本一『奪還』へ。栄光を勝ち取るため闘球へと捧げた学生生活。最後の戦いに向かう4年生に明大での4年間とラストシーズンへの意気込みを伺った。10月26日より連載していく。
第2回は稲村心(文4=新潟工)のインタビューをお送りします。(この取材は10月19日に行われたものです)
——明大で一番辛かった思い出を教えてください。
「最初の1年が一番きつくて大変でした。同期に高校の日本代表が多くいる中でうまくやっていけるのかというのと、日本一のレベルの中で練習についていけるかなというのをすごく不安に思っていて、実際入ってみてもそういった体の大きさと技術もそうですけど、精神的にも大きな高校や全国で戦ってきた選手との差を感じました」
——4年間通して成長した部分を教えてください。
「自分の強みが継続力だと思っていたので、差は縮まらずに開いてくことも多かったですけど、毎日ちょっと残って練習したり、筋力面でも自主ウエートの回数を増やして毎日続けたりというところで、結果はついてこなかったとしても、やり切ることだったり、継続できたところは自信にもなったのかなと思います」
——明大での4年間で一番思い出に残っていることはなんですか。
「今年の春に新潟で早明戦(関東大学春季交流大会・早大戦)があって自分自身初めて紫紺を着て試合に出ることができたことです。その早明戦が自分の出身である新潟県で行われたというので、初めての早明戦で初めての新潟で試合ができるというところはそこを目標にやっていた部分もありましたし、実際にグラウンドに立ってみて、高校生だったり地元の人たちがすごい応援に来てくれた中でプレーできたというのは、地元だったり親にも恩返しができたんじゃないかなと思います」
——初めて紫紺のジャージーを着てみて緊張や感動はありましたか。
「初めて出たのは今年の春の八幡山での法大戦でしたが、その時は本当に眠れないぐらい緊張したんですけど、実際試合が始まってみると、練習してきたことが思ったよりも出せたのかなと思います。明大のチーム同士で試合する時に、高い強度で練習することができているからこそ、緊張はしたんですけど、思ったよりも気負いしすぎずに楽しんでプレーすることができたのかなと思います」
——4年生になって変わったことはありましたか。
「最上級生というところで、頼る人がいなくなった分、自分たちで練習を作り上げていかないといけない中で、ルビコンという下のチームで4年生で集まってどういう風に練習を組み立てていくかとか、どうやったら下級生が積極的に練習に参加していくのかというのを寺下(功起・文4=東福岡)、青木(大輔・法4=明大中野)と中心になって話し合って、練習の改善策をどんどん出していけたというのが自分たちが4年生になって、一番大きく変わった、チャレンジしたことかなと思います」
——明大のラグビー部に入ってよかったことはありますか。
「きつかった分、精神的にも身体的にも成長できたかなっていうのが一つと、全国トップレベルの人たちと練習したり試合をしたりという経験はなかなかできることではないと思うので、そういう人たちの取り組む姿勢を一緒に体験して間近に見られたことは、これから社会人になってもずっと生かしていける財産になるんじゃないかなと思います」
——学生スタッフの存在はいかがでしたか。
「すごいなっていうのが一番の感想で、自分たちは悪い言い方をすれば、出された練習をすれば自分たちのやることは終わりですが、そこだけではなくて、グラウンド外で練習に対してすごくサポートしてくれたり、朝も自分たちよりも早く起きてグラウンドに立って準備してくれたりする姿を見て、その分頑張らないといけないなという気持ちになる存在というか、頼りになる存在です」
——ラグビーを14年間プレーしてきた中で一番の思い出を教えてください。
「小学校3年生からラグビーをやってきて、その間にサッカーをしたり、いろいろなスポーツと掛け持ちしたりという時期もあって、その中で家族だったり周りのサポートがすごくありがたくて、家族のサポートともちろん同期の存在っていうのが今まで続けられた一番の要因なのかなという風に思います」
——スローガンである『奪還』の意味は稲村選手にとってどのようなものですか。
「『奪還』というのは、自分たちが高3の時に(明大の)日本一の姿を見て、自分たちの代は入部してきたところがあるので、もう一度日本一を取り戻すところが自分たちの目標にもなるし、応援してくれている人たちやこれから入ってくる人たちの、自分たちがそうだったように目標みたいなものになると思うので、自分たちの代で必ず日本一を取りたいと思っています」
——ラストシーズンに向けて意気込みをお願いします。
「ケガをいち早く直して、グラウンドに立つことができなくても、チーム一丸となって『奪還』を達成できるように頑張ります」
——ありがとうございました。
[佐藤比呂]
◆稲村 心(いなむら・しん)文4、新潟工高、185センチ・101キロ
二郎系ラーメンが好きな稲村選手。「二郎は文士郎(山本・営4=明大中野)や翔太朗(田中・政経4=長崎北陽台)も好きでよく行きます」。おすすめのお店は「歴史を刻め 世田谷店」だそう。
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