
(40)The final showdown ~奪還への戦い〜 青木大輔「精神的にタフになった」
「今年こそ絶対に優勝を取りにいく」。木戸大士郎主将(文4=常翔学園)が今年度のスローガン『奪還』に込めた意味だ。関東大学対抗戦(対抗戦)、そして日本一『奪還』へ。栄光を勝ち取るため闘球へと捧げた学生生活。最後の戦いに向かう4年生に明大での4年間とラストシーズンへの意気込みを伺った。10月26日より連載していく。
第1回は青木大輔(法4=明大中野)のインタビューをお送りします。(この取材は10月18日に行われたものです)。
――入部した頃を振り返るといかがですか。
「4年前にはなってしまうんですけど、はっきりと鮮明に思い出せるぐらい覚えています。入部した日は、もうテレビで見ていたすごい先輩と同期たちにすごく緊張していたのを覚えていますね。それで、先輩が怖くて廊下に出られないっていう感じで部屋にずっとこもっていました」
――4年間を振り返るといかがですか。
「1、2年生の頃は、ラグビーの時はずっと緊張していました。緊張していたんですけど、明大中野の先輩である柳田治久(令6法卒)先輩、古田空(令6商卒)先輩、角田龍彦(令6法卒)先輩が本当にサポートしてくれたおかげで、なんとかしがみついていけたって感じですかね。明中生は大学で(ラグビーを)続けるのは結構少数なので、仲良くしてくれました。現時点まで振り返ってみると、めちゃくちゃ時間経つのが早いなっていうのは感じていて、だんだんと明治愛みたいのが湧いてきて、少しでもより良い文化を残していけたらなみたいな気が芽生えてきたかもしれないです」
――この4年間で成長した部分を教えてください。
「4年間で、精神的にタフになりましたね。自分は元々潔癖症で、共同生活も本当に無理でした。トイレのスリッパを履くのも嫌できつかったんですけど、今は共同生活も余裕でできるようになって。今年の夏には1人で西表島に行って、ゲストハウスで共同生活したりまで成長しました」
――この4年間で一番印象に残る試合を教えてください。
「印象に残る試合は、自分がスタンドオフで出ていた去年の4年生メインでやった早明戦です。これまで3年間お世話になった先輩の引退試合だったので、絶対先輩たちを勝たせてあげたいっていう気持ちで出ました。3年間練習も一緒にして、共同生活もしていたので、込み上げてくるものはありました」
――明大ラグビー部に入部して良かったところを教えてください。
「良かったなと思う部分は、やっぱり優しい先輩方と同期と面白い後輩とラグビーができたことです。ラグビーでは本当に皆さん頼もしい選手で、この環境で一緒にラグビーできたっていうのは他の大学では味わえないし、限られた人にしか経験できない貴重な時間だったと思います。この経験ができたことは本当に良かったと思います」
――明大ラグビー部に入部して感動したエピソードを教えてください。
「『田中翔太朗(政経4=長崎北陽台)涙のスピーチ』です。去年の夏合宿で、最終日の夜にチームビルディングをやったんですけど、一通り盛り上がって、3年生で来年に向けて話そうみたいな時間があったんですね。そこで、一人一人が話していったんですけど、田中翔太朗がケガして復帰明けの頃だったので、泣きながら『俺頑張るから』っていうのをみんなの前で宣言した時に一番感動しました。誰が泣いているかは確認できないくらい僕がもらい泣きしちゃいました(笑)」
――明大ラグビー部のSNSには青木選手が作ったポスターが掲載されていますが、作り始めたきっかけを教えてください。
「1年生の秋に、部屋か同じだった4年生の高岩先輩(裕一・令4政経卒)という方がいたんですけど、この方がポスターなどを作っていました。その姿を見ていたので、自分もやってみたいなっていう思いを抱えながら、2年生のシーズンから始めました。元々物を作ったり、絵を描いたりするのがすごく好きで、チームに貢献するような形でできて良かったです」
――いつも作る上で心がけていることはありますか。
「心がけていることは、遊び心を忘れないことです。実は自分の小さい頃の写真やクリスマスが近かったら小さいサンタクロースを入れたりしていました。今シーズンからは世代交代で1年生のマネージャーさんに教えつつ、今引き継いでいる感じです。カメラマンさんが撮ってくれた写真をどういう感じで使えるかなって考えながら見て、いいのがあればそれを使って、それに貼り合わせていく感じでいつも作っています」
――寮生活での思い出はありますか。
「やっぱり思い出のある部屋は1年の後期の部屋ですね。メンバーは、2年生が床田淳貴(令6情コミ卒・現日野レッドドルフィンズ)先輩と、3年生が鈴木玲央(令5政経卒)先輩と4年生が高岩先輩でした。本当に個性が渋滞している部屋みたいな感じで、2年生の淳貴さんは面白くてずっと喋っているような人で、玲央兄(鈴木)は一生寝ていて、高岩先輩は真面目な感じでした。なので、3、4年生がすごく大人という部屋でした。めちゃくちゃ印象に残っているのが年越しの時です。僕と淳貴さんが『あと30秒前だ』みたいな感じではしゃいでいて、玲央兄と高岩さんが『この瞬間、もう20何回目だよ』みたいな感じだったんですけど、年を越した瞬間に高岩先輩が2メートルくらいジャンプしたっていうギャップはヤバかったですね(笑)」
――尊敬している先輩とイチオシの後輩を教えてください。
「先輩は、松本光貴(令6商卒・現三菱重工相模原ダイナボアーズ)さんです。2年の後期から部屋が同じだったんで、1年半ぐらい共同生活をしていました。やっぱりそのラグビーに取り組む姿勢っていうのが素晴らしくて、すごく影響をもらいました。後輩は、やっぱり伊藤利江人(商2=報徳学園)くんです。小学校が同じで、ラグビースクールも一緒だったんで、小学校3年生くらいからずっと仲良くて、イチオシの後輩です」
――コーチ陣はいかがでしたか。
「本当に選手の成長に向き合っていて、素晴らしいと思います。特に滝澤(佳之・平13政経卒)コーチは、最初は試合に出られないっていう状況があったんですけど、そんな中でも見捨てずに向き合ってくれて感謝しています。あと、メディカルコーチの志小田(正人)さんは、結構悩んだりした時にコーチの話を聞くと、頑張れると言いますか、人生は何とでもなるんだなみたいな気持ちになれて、すごく尊敬する生き方をされているなって思います」
――改めて青木選手にとってスローガンである『奪還』の意味はどのようなものですか。
「奪還って、奪い返すみたいな意味だと思うんですけど、それは結果として優勝で奪い返すっていう意味なだけであって、いいチームを作っていくっていうところにはあんまり関係していないと思います。なので、過去にとらわれることなく、101世代で新しいチームみたいなところを作れて、最後奪還できればいいかなって思っています」
――ありがとうございました。
[井垣友希]
◆青木 大輔(あおき・おおすけ)法4、明大中野高、180センチ・85キロ
同期で仲がいいのは、春日悠平(政経4=明大中野)選手!よく一緒に歯医者に行くそう!「人生の半分を共に歩んできました!老後の夫婦のような関係です(笑)」
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