
(114)箱根駅伝予選会事後インタビュー②/山本豪駅伝監督
第101回箱根駅伝(箱根)の出場権を懸けて行われた箱根駅伝予選会(予選会)。高温多湿という最悪のコンディションでのレースとなり、選手の走りは低調だった。ボーダーの10位には59秒届かず、明大は7年ぶりに本選への出場を逃すことに。まさかの敗退に何を思うのか。今回は監督とエントリーメンバー14人のレース直後の声をお届けする。
第2回は山本豪駅伝監督のインタビューです。
――結果は12位に終わりました。率直な気持ちをお聞かせください。
「箱根に連れていってあげられないということで、本当に選手には申し訳ないと思います」
――選手の走りを見ている中で、異変を感じたタイミングはありましたか。
「駐屯地を出る前から大湊(柊翔・情コミ2=学法石川)と山本(樹・営3=専大松戸)がきつそうだったので、ちょっとまずいかなと思いました」
――タイムが大きく崩れたのは気温の影響もありますか。
「それもあると思いますけど、みんな条件は一緒ですから。冷静に入った組はそれなりに走ってきていると思います。やっぱり、最初に速く入った2人(山本、大湊)がかなり落ち込んできています。森下(翔太・政経3=世羅)は練習を付け焼き刃で仕上げてきたことが影響してしまったなと思います。やっぱり、ちゃんと練習しないとハーフマラソンという距離は走れないんだなと思いましたね」
――最後の調整期間で選手に伝えたことはありますか。
「やっぱり練習をやりすぎないこと。あとは、暑い日もあったので体内水分をしっかり管理して、枯渇状態にならないように言いましたね」
――チーム内上位3人の吉川響(文3=世羅)選手、溝上稜斗(商4=九州学院)選手、土田隼司(商1=城西大城西)選手の走りはいかがでしたか。
「その3人は本当によく走った。響はフリー走で前の順位を保ったまま走り切りました。溝上と土田は最初は慎重に入りながら、後半にビルドアップしていきたいという話でしたが、その通りに行きましたね」
――山本選手と大湊選手が崩れた原因は何だと思いますか。
「やっぱり暑さに弱いのはあると思います。特に、大湊は決して暑さに強い方ではないですから。みんなが後ろから集団走のような形で走ればよかったのかなと思いますけど、こればっかりは結果論ですから何とも言えないです」
――新井晴文(法4=国学院久我山)選手と堀颯介(商3=仙台育英)選手を出走メンバーから外した理由を教えてください。
「堀は夏合宿の疲れが直前になって出てきました。練習でもそれが顕著に出るようになりましたからもうやめようと。新井も状態は良かったのですが、春まで中距離をやっていたので、距離に対する不安がどうしてもあって外しました」
――全日本大学駅伝や箱根などで、予選会で敗退してから本戦に復帰する難しさについてはどう捉えていますか。
「ここで無理だよって思ったらそこで終わりですから。とにかく何が良くて何が悪かったのか、今後それをどうするべきなのかを我々スタッフもしっかり考えるし、それをしっかり学生にも伝えていくことしかないと思います」
――これからも大会は続いていきますが、選手に求めていくものはありますか。
「モチベーションは当然下がると思います。でも、ダメでも仕方がないよねという考え方では前に進みませんから。その中でどのくらい走るか。大事なのは、すでに来年度に向けての取り組みは始まっているんだということを言って、ちゃんとモチベーションを保つことですね」
――最後に、ファンの方に向けてメッセージをお願いします。
「皆さまの正月の楽しみをなくしてしまったことは本当に申し訳ないと思いますし、学生の目標である箱根に連れていってあげられないことも、本当に申し訳ない。責任をしっかり感じるべきだと思っています。今はもうそれしか言えないです。とにかく諦めずにやるしかないです。ただ、がむしゃらに頑張るだけじゃなくて、何が良くて何が悪いかをしっかり検証して、この失敗を生かさなければ意味がないですから。それはチーム全体で共有して過ごしていきたいと思います」
――ありがとうございました。
[松原輝]
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