(112)〝OneTeam〟で乗り越えシード権への第一歩を/箱根駅伝予選会展望

2024.10.18

 正月に行われる第101回箱根駅伝(箱根)への出場権10枠をかけて行われる箱根駅伝予選会(予選会)。明大は前回の本選総合20位という屈辱へのリベンジ、そして大きな目標である〝箱根駅伝シード権獲得〟に向けて、確実に10位以内に入りたい。また、上位で予選を通過し、本選で戦う力があることも証明したいところだ。7年連続66回目の箱根路へ。注目のレースは19日午前9時35分にスタートする。

 予選会は留学生やエース格の選手が先頭集団で勝負し、それ以外の選手はチームごとに固まって集団走を行う戦略が一般的。絶対的なエースのいない明大だが、今回他校のエースと遜色ない走りが期待できるのは大湊柊翔(情コミ2=学法石川)だ。菅平合宿取材時には好調な選手としてその名が挙がり、夏合宿以降も順調に練習が積めている。「日本人先頭集団に食らいついて、あわよくば日本人トップを狙う」と語る2年生は前回の箱根に引き続きチームをけん引する姿を見せることができるだろうか。

 また、後方の集団では上級生の踏ん張りが結果を左右する。キーマンは新谷紘ノ介駅伝主将(政経4=世羅)だ。今季は駅伝主将に就任し、トラックシーズンは自己ベストからかけ離れた苦しい走りが続いていたものの、夏合宿で調子を上げた。「状態を上げて自分の力でメンバー入りしたことを結果で示したい」と固い決意を語った新谷。仲間を鼓舞しながら集団を引っ張り、後半にペースを上げる駅伝主将らしい走りに期待だ。

 フレッシュな1年生からも目が離せない。7月の士別ハーフマラソンでは暑い中での初ハーフマラソンながら66分台で走り切った成合洸琉(情コミ1=宮崎日大)、全日本大学駅伝予選会で控えメンバーに入った井上史琉(政経1=世羅)に加えてエントリーされたのが、土田隼司(商1=城西大城西)だ。前半シーズンこそ主要大会での出場はなかったが、夏合宿で急成長。途中からAチームに合流する覚醒ぶりをみせた。20キロのレースとなると未知数な部分も多いが、ルーキーたちが勢いのある走りを見せれば予選突破が大きく近づく。

 エントリーメンバーが発表された時点では、エース格の綾一輝(理工2=八千代松陰)、前回の箱根で9区8位と好走した鈴木祐太(文4=鎌倉学園)の欠場に注目が集まり、不安を抱いたファンも多いだろう。しかし、最上級生の溝上稜斗(商4=九州学院)が「みんなの練習を見てもいけるという自信があるので、不安よりも早く本番を迎えたい」と力強く語るほど、チームの状態は上向きだ。今年度の予選会は例年と比べて高温の中での戦いとなる予報で、〝速さ〟に加えて〝強さ〟が求められるタフなレースになるだろう。日々の厳しい鍛錬によって培った自信を胸に出走する12人の戦士たちは、実力を大いに発揮して箱根路への切符を手にすることができるだろうか。

[橋場涼斗]

予選会まであと1日