
(111)箱根駅伝予選会事前インタビュー⑮/山本豪駅伝監督
目前に迫った箱根駅伝予選会(予選会)。明大は最大の目標である箱根駅伝でのシード権獲得に向け、まずは出場権を獲得する戦いに挑む。例年に比べ厳しいレースになることが予想される中、戦いを前に選手たちは何を思うのか。今回は予選会にエントリーされた14人の選手のコメントをお届けする。
第15回は山本豪駅伝監督のインタビューです(この取材は10月13日に行われたものです)。
――目標とする通過順位はありますか。
「10番以内であれば出場権を得られるので、個人がどのくらいのタイムで走れるかを重視しています。チーム目標は平均が63分ぐらいなので、それに向けてしっかりとみんなが走れるかどうかが重要になると思います」
――試走を行って、コース内で重要になるポイントは見つかりましたか。
「ありました。私も走ったのですが、(17キロ過ぎの地点で)折り返してから駐屯地の入口の前を通る18キロ付近の地点でずっと坂を上っていくじゃないですか。あそこが長いのでポイントになるなと走っていて思いました。そこで余裕があるかないかで、ラスト3キロの伸びがかなり変わると思います」
――エントリーメンバーを選ぶ上で基準としたラインはありますか。
「第一は練習の消化具合です。そこでみんな似通ったところだったら、次に選ぶのがレースでのパフォーマンス。練習でやったことを100パーセント出せるのかはそれぞれタイプがありますから。100パーセントの力を出せる可能性が高い方を選ぶというのは春から選手に言っていたので、その通りに選びました」
――競技面以外でも日々の生活面で意識の改善は見られましたか。
「競技者として必要な生活面については、言い続けています。練習量を増やすことについても、なぜ必要なのか、どうしてジョグをやる必要があるのかを運動生理学に基づいて話をして、競技に対する知識も高められるように取り組んできました。園原さん(健弘監督)や三浦コーチ(康二競歩コーチ)にお願いしてフィジカルだけではなく、頭も使ってトレーニングしていきました」
――3次合宿の25キロ走はメンバー選考の上で重要なポイントになったと思います。
「元々力のある子は想定通りだったんですけど、意外なところできたなと思ったのは1年の土田(隼司・商1=城西大城西)です。彼は2次合宿でBチームだったんです。でも、3次合宿に来た時はAチームでやれましたし、その後の練習も全部付いているので外す余地はないです。一番練習消化率が高いんじゃないですか」
――今回、2年生からは大湊選手以外の選出がありませんでした。
「綾(一輝・理工2=八千代松陰)はケガがあります。全日本大学駅伝予選会が終わってからひどくなって、治療や病院に行って診断をしてもらいましたが、見解がバラバラだったんです。『走っても大丈夫だよ』と言われても良くならないから、違う病院に行ったら『すぐに止めなさい』と。リハビリもうまくいかなくて2カ月ぐらいロスしてしまったので、指導者としても申し訳なかったなと思うし、綾にとっても気の毒だったなと思います。あとは、2年生で長距離をやっているのが5人しかいないんですよ。その中でも石堂(壮真・政経2=世羅)は2次合宿でケガをして離脱して、乙守(勇志・政経2=大阪)は昨年度の今頃は全然走れなかったんですけど、やっと良くなってきている。佐久間(商2=鹿児島城西)は元々持ちタイムは下の方で入ってきていますし、ケガも多かったので、それが今は良くなってきているかなという感じです」
――3年生の中でも森下選手(翔太・政経3=世羅)の様子は監督からご覧になっていかがですか。
「森下も夏合宿の初期の段階で結構走っていて、足が痛くなって中断したので今回は万全ではないですが、調整段階に入ってからの練習はある程度できています。彼は高い競技センスを持っていると思いますし、それがどこまで発揮できるか楽しみにしています」
――3年生は予選会や本選に出場した選手も多く、期待する部分はありますか。
「3年生は大きい大会の経験がある子も多いですし、予選会のコースも本選の厳しさも知っているからこそ、やるべきことも分かっているはずです。今回はその中でも山本樹(営3=専大松戸)が練習の消化率が良いので、どのぐらい爆発してくれるか楽しみです」
――4年生の新井晴文(法4=国学院久我山)、東原豪輝(政経4=大阪)の両選手はトラック種目での活躍が目立ちます。
「東原も故障が多い選手なんですけど、スタートラインに立った時のパフォーマンスはものすごく高いです。新井は5月までは中距離にいましたが、そこから長距離に移行してきて練習もこなせるので、14人の中に入ってきたという感じです」
――監督にとって今回が2回目の予選会になります。意気込みと、応援してくださるファンの皆さんにメッセージをお願いします。
「とにかく通らなければ先はないですから、全力で出場権を取りに行きます。昨年度は全てが初めての経験であたふたしていたというか、期間もなかったのでやることが付け焼刃でした。今回は2年目に入りましたし、昨年度よりも落ち着いて学生たちのことを見られるようになっています。チームは悪い方には行っていませんし、選手の状態は決して悪くないので応援していただきたいです」
――ありがとうございました。
[松原輝]
予選会まであと1日
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