小泉佳絃 日の丸を背負う選手に

2024.10.09

 強みは高さを生かしたプレー。高校時代には幾度も全国の舞台を経験し、強き心も兼ね備えている。全国屈指の名門校からやってきた期待の新星・小泉佳絃(商1=青森山田)が明大を勝利へ導いていく。

憧れを現実に
 小学2年時、サッカー人生がスタートした。地元の青森山田中高に強く憧れ、練習に励んだ日々。この思いをより一層強める出来事があった。それは、青森山田高・黒田監督(当時)の講演会での抽選に当選したこと。「強い縁を感じた」と付属の中学校を受験も不合格。結果は残酷だった。それでも、地元のクラブチームで3年間ひたむきに練習に励み、念願の青森山田高へ進学。「スピード感も中学とは全然違った。球際、切り替え、ハードワークの三原則で圧倒された」と初日から目指すべき壁の高さを知った。また、スタンドから見た全国高等学校選手権(選手権)決勝での3冠目を達成した姿は自身に焦りを募らせた。

飛躍を遂げる
 高校2年時に、ある決断をした。それは、MFからDFへの転向。持ち前の高さ、身体能力を生かすためだ。「高校で初めてやったポジションだった。全く分からなかったがコーチや先輩に聞きながら、感覚をつかんでいった」と不安もあったが試行錯誤の末、体を張った守備にボランチの経験を生かした攻撃のスタイルを確立。 
 伝統ある背番号5を背負い、臨んだラストイヤー。高円宮杯プレミアリーグでは、チームをけん引し優勝に貢献。そして、迎えた集大成の選手権。「青森山田のエンブレムをつけてできる最後の試合だった。思い切りぶつけようぜという感じで緊張より、楽しみが大きかった」と全身全霊のプレーで悲願の優勝を成し遂げた。そして個人でも活躍が評価され、優秀選手賞を受賞。大会後には、全日本高校選抜にも選出され、世界の舞台を経験した。

昨日より今日
 さらなる成長を求め、明大へ進学。すでに、トップチームに帯同も課題は「サッカーIQ」と分析する。この現状に満足しない姿勢が、日々の進化につながっている。目指す先は、ずっと変わらない。日の丸を背負い、W杯優勝を成し遂げること。「一日一日を大切にしていけば、目標に近づいていく」。明大をそして、日本を代表するプレーヤーへとまい進していく。

[早坂春佑]

◆小泉 佳絃(こいずみ・かいと)商1、青森山田高。趣味は映画鑑賞。最近観た作品は『ディア・ファミリー』。190センチ・80キロ

(※写真は本人提供)