成合洸琉 強心臓を武器に応援される選手へ 

2024.10.09

 中学まではサッカーに全力を注いでいたが、高校からは陸上競技を始めた成合洸琉(情コミ1=宮崎日大)。明大入学後は未経験だった1万メートルやハーフマラソンでも安定した結果を残し、関東学生対校選手権(関東インカレ)と全日本大学駅伝予選会(全日本予選)ではルーキーながらチームの代表として出走した。

開かれた陸上競技への扉・恩師からの指南
 中学時代から地区の中では足が速く、宮崎県中学校駅伝に出場経験があった成合。中学3年時の10月頃に宮崎日大高の藤井周一監督からスカウトを受けた。「走るのはどちらかというと嫌な方だった」ものの監督の熱に応える形で強豪・宮崎日大に入学を決め、本格的に陸上を始めた。高校では様々なことを監督から学んだが、最も心に残っているのは「エースの在り方」だ。「駅伝では必ず前で持ってくる。常に堂々としている。下を見ずに前だけを見る。この三つを満たしてこそエースだ」と監督は語った。この言葉を心に留め、今も明大の「エース」を目指してひた走っている。

酸いも甘いもかみ締めた 充実の高校時代
 高校から陸上を始めた分、チームメートは自分より競技力の高い選手が多かった。しかし「自分より上ならどんどん食っていくだけ」と語り、その頃から気持ちの強さを見せる。5000メートルを主戦とし高校2年時の3月には春の高校伊那駅伝にて1区で2位と好走。区間賞を獲得したのは、5000メートルの自己ベストが13分34秒と高校歴代4位の実力者である飯田翔太(青学大)だった。「大きな舞台での勝負は初めてだったので楽しかった」と、世代トップの選手とわずか1秒差という互角の争いを繰り広げた経験は自信にもつながった。しかし、全国高校駅伝への出場権を懸けた宮崎県高校駅伝では優勝を逃し、チームを都大路へ導くことはできなかった。思い通りの走りができたうれしさも、大きな目標を達成できなかった悔しさも経験した成合は、明大に入学して早速活躍を見せる。   

早くも示す存在感、そしてさらなる高み
 「前で勝負できなかった」という関東インカレでの反省をすぐさま生かし、全日本予選では勇気を持って集団から飛び出した。入学して半年にもかかわらず、課題解決能力の高さや強心臓さと順調な成長ぶりを見せる成合。「自分の強みは集団の中で我慢強く粘れるところ、課題はラストスパートのキレ」と語る。箱根駅伝では1区に強い希望のある成合にとって、ラストスパートの克服は必須だろう。大学4年間の目標は、「色々な人に応援される選手になりたい。チームとしては箱根駅伝でシード権獲得・総合5位以内、個人では1万メートルで28分半を目指したい」と力強く語った。間違いなく明大の「エース」となるであろう逸材の活躍から目が離せない。

[橋場涼斗]

成合 洸琉(なりあい・たける)情コミ1、宮崎日大高。趣味はサーフィン。どのチームメートとも平均的に仲が良い。166センチ・52キロ