高比良恭介 豊富な経験量で日本一へ 

2024.10.03

 強靭(きょうじん)なフィジカルで相手をなぎ倒していくボールキャリーは見る人を興奮させる。高比良恭介(政経1=東福岡)は小中高と主将を経験し、高校3年時に全国高校大会(花園)で準優勝。高校日本代表に選出された実績を持つ。これまで培ってきた経験を生かして、新天地明大でも日本一を目指し進化を続ける。

兄に付いていき出会ったラグビー 
 三つ上の兄の影響で5歳の時に楕円球を追い始める。全国大会を目標にしていたものの小学生の時には出られず、中学校では新型コロナウイルスの影響で大会すらなくなった。その悔しさから「日本一になれる高校に行きたい」という強い思いが高比良の心を駆け巡る。当時は中高一貫の中学校に通っていたが、地元の長崎を離れて、全国屈指の強豪である東福岡高に進学することを決心した。東福岡の「短い時間でレベルの高い練習」に必死に付いていき、飛躍的な成長を遂げた高比良は2年生ながら花園でリザーブとして出場。それが初めての全国優勝だった。しかし、全ての試合に出ることはできず、悔しさが残った。

主将として過ごしたラストイヤー 
 花園優勝から1週間、新チームが始まると同時に、藤田監督から「キャプテンをやらないか」と伝えられた。150人を超える東福岡で「まさか自分がなると思っていなかった」と驚きながらも、他のリーダー陣と共にチームを一から築き上げていく。「今年のチームで日本一になる」と、懸命に練習に励んだ。しかし、全国高校選抜大会での準々決勝。勝利したものの自分たちにとって満足のいくラグビーができなかった。その日のミーティングは3時間に及び、激しい議論が繰り広げられた。準備の重要さを再確認しすぐさま実践。すると次の準決勝では改善されチームがより一つにまとまった。目標の花園優勝には届かなかったが、高比良にとっては一番成長できた1年間だった。 

さらなる高みへ、目指すは日本一 
 幼少期から明大ラグビー部に憧れがあった高比良。春シーズンでは主にB戦に出場し鍛錬を積んでいる。高校1、2年時にフッカーを経験していたことから、ナンバーエイトからフッカーに転向することを決断。「セットプレーで相手を圧倒できる選手になって厳しいメンバー争いに食い込んでいきたい」。明大ラグビー部の日本一へ、彼の活躍は必要不可欠になるに違いない。

[木曽琴乃] 

高比良 恭介(たかひら・きょうすけ)政経1、東福岡高。176センチ、102キロ。ラグビーをやめたいと思ったのは幼稚園の時の一度だけ。理由はサッカーをしている人が多かったから。