
(93)菅平合宿インタビュー②/吉川響、古井康介
今年度も菅平にて行われた長距離部門の3次合宿。そこには、来たる大一番に向け、リベンジに燃える選手たちの姿があった。全日本大学駅伝予選会(全日本予選)での悔しい結果がチームにもたらした危機感。今年度こそ、古豪から強豪へ。紫紺の輝きを取り戻すべく、日々研さんしている選手たちの最新の声をお届けする。
第2回は吉川響(文3=世羅)、古井康介(政経3=浜松日体)です。
吉川
――現在のコンディションを教えてください。
「Aチームで練習はできているのですが、内臓疲労でうまくポイント練習をこなせない日々もありました。それを理解した上で練習ではジョグなども距離を踏めているので、総合的にはよくできていると思います」
――今回の夏合宿のテーマを教えてください。
「箱根駅伝予選会(箱根予選)を通過するための最初の土台作りから始まると思っています。1次合宿、2次合宿は距離を踏んで、今回の菅平合宿からより実践的な練習というプランになっていたので、確実にこなそうと思っていました」
――夏合宿をそれぞれ振り返っていかがでしたか。
「一番最初の妙高合宿は距離を踏みながら練習をこなせて充実した合宿になりました。紋別合宿が始まってからは内臓疲労が原因で練習をこなせない時がありました。菅平も何回かそれを引きずりかけているところがあります。昨年度はほぼ全ての合宿をきちんとこなせていたので、それと比べると少し今年はうまくできてないところもあるので、反省点かなと思います」
――全日本予選後に粘り強さを課題に挙げられていましたが、今回の合宿でそこを意識して練習を積んでいますか。
「合宿に入ってからは長い距離がメインになっています。ひたすら距離を踏む練習でしっかり前に付いていったり、時には集団を引っ張っていました」
――ご自身のチーム内での立ち位置はいかがですか。
「自分は周りにいろいろなことを言ったりするタイプではないので、結果で活気づけることしかできないのではないかと思っています。大きな大会を走らせてもらえる場面が何回もあるので、そこでしっかり結果を出すことが一番の役割だと思っています」
――前半のシーズンを振り返って、収穫と課題をそれぞれお願いします。
「関東学生対校選手権(関東インカレ)や全日本予選のメンバーとして走ることはできましたが、どちらも結果が関東インカレでは9位で入賞に一歩届かなかったですし、全日本予選は4組目で不甲斐ない走りをして予選落ちに終わってしまいました。メンバーに入って走るまではいいのですが、そこで結果を残さなければいけないと思うようなシーズンになりました」
――誰が中心となってチームを引っ張っていますか。
「4年生だと溝上さん(稜斗・商4=九州学院)や、3年生は調子がいい人が多くて軸になってきています。2年生の大湊(柊翔・情コミ2=学法石川)がかなり調子を上げているので主体となって引っ張っています。引っ張る人が増えてきているのは調子がいい選手が多いということだと思います」
――これから箱根予選に向けてどのような練習に取り組んでいきますか。
「距離を踏む練習が多いのはもちろん、今回の菅平合宿はスピード練習も入ってきています。今の自分はスピード力が少し落ちてしまっているので、予選会までに上げていって、ハーフマラソンに対応できるような走りをしていきたいです」
――菅平合宿の25キロ走を振り返っていかがでしたか。
「箱根予選のメンバー選考にもかなり重要になってくるような練習だったのですが、20キロまでは集団で走って、残り5キロを各自で走る感じでした。20キロまでは自分も予定通り走っていましたが、残り5キロになって集団のペースが一気に上がるとスピード力がなくなってきた分、粘ることができずに全然上げきれなかったことがありました。すごく悔しかったので残り1カ月で体力づくり、スピード強化をしていきたいと思います」
――3年生の雰囲気はいかがですか。
「今のチームの中で一番の軸は3年生だと監督に言われていて、自分もそのように感じています。 来年度には最高学年としてチームを引っ張ることになるので、そういうところも頭に入れながらやっている人が多いのかなと思います」
――箱根予選と、今後のシーズンに向けての意気込みをお願いします。
「確実にまずは予選会を通過することが一番の目標です。突破したら本選が始まるので、本選でシード権を獲得して、出雲駅伝にも出場できるようなチームにしていきたいです」
――ありがとうございました。

古井
――今の状態はいかがですか。
「約1カ月前に足に痛みが出たので、紋別はジョグから始めたのですが、今はポイント練習もチームでやっています。ただ、まだ万全の状態ではありません」
――合宿で重点的に取り組んでいることは何ですか。
「合宿が始まる前に豪さん(山本駅伝監督)から今回の合宿はポイント練習を重点的に取り組むように言われていたので、ジョグはいつもより多少落としてやっていました」
――士別ハーフマラソン大会に出場した意図を教えてください。
「昨年度の箱根駅伝が終わった後に、今年1年をハーフマラソンとトラックのどちらに重点を置いて取り組むかを豪さんに聞かれました。昨年度は結果が出ていなかったのですが、ハーフマラソンを重点的にやりたいと伝えたので入れてもらいました」
——部員日記でメンタル面の弱さを課題にあげていましたが、その原因はどこにあると思いますか。
「主力になると練習とは違った緊張感が増えて、練習よりもダメになってしまうことがあるので、そこが原因かなと思います」
――課題を克服するために行っていることはありますか。
「試合を経験するしかないので、ハーフマラソンを経験することと、練習を通じて自信を付けるようにしています」
——全日本予選を踏まえて、チームが変わった点はありますか。
「全日本予選を走った選手は特に責任を感じていて、より練習を頑張っているのかなと思います。周りの人たちも感化されて、練習にしっかりと取り組んでいるイメージがあります」
——ご自身のチーム内での立ち位置はどのように分析していますか。
「主力にはなりきれていないので、走れるか走れないかというボーダーライン上だと思います。箱根予選を走れるラインにはいると思うのですが、今の状態では箱根駅伝本戦となるとメンバーから落ちてしまうと感じています」
――もっとレベルアップするためには何が必要だと思いますか。
「練習だけを見たらボーダーラインよりは上にいると思うので、箱根予選の次はMARCH対抗戦になると思います。そこで結果を出せば、ボーダーラインから抜け出せるのでステップアップできると思います」
——今年度で大学3年目になりますが、今までの合宿との違いはありますか。
「日々の走行距離などを書いて、みんなの練習を可視化できるようになって、対抗心を燃やす人がいます。豪さんも始まる前に『この合宿は最低でもこのくらいは走ろうね』としっかり言うことになったので、昨年度と比べて意識は良くなったのかなと思います」
——現状のチームの課題と強みはどう感じていますか。
「下の層が積み上がってきているのですが、やはり上のレベルが育っていません。走らなければいけない人たちがケガしているというのも課題かなと思います」
——最後に個人として今後の意気込みをお願いします。
「箱根予選で結果を出して本戦につなげていきたいです」
——ありがとうございました。
[原田青空、安田賢司]
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