(92)菅平合宿インタビュー①/新井晴文、尾﨑健斗、溝上稜斗

2024.09.30

 今年度も菅平にて行われた長距離部門の3次合宿。そこには、来たる大一番に向け、リベンジに燃える選手たちの姿があった。全日本大学駅伝予選会(全日本予選)での悔しい結果がチームにもたらした危機感。今年度こそ、古豪から強豪へ。紫紺の輝きを取り戻すべく、日々研さんしている選手たちの最新の声をお届けする。

 第1回は新井晴文(法4=國學院久我山)、尾﨑健斗(商4=浜松商)、溝上稜斗(商4=九州学院)です。

新井
——合宿ではどのチームで練習していますか。
 「基本はAチームでやっています」

——合宿の練習の消化率はいかがですか。
 「1次と2次はほとんど100%こなせたのですが、菅平では体が思うように起きてこないなという部分があります」

——現在の状態はいかがですか。
 「少し疲れが溜まって、(練習を)外してしまうこともたまにあるのですが、順調にこなしてきていると思います」

——合宿のテーマや目標を教えてください。
 「1次・2次まではしっかり距離を踏もうという感じです。春はずっと中距離をやっていたので、1次と2次はしっかりハーフを走るためのスタミナをつけようと取り組んでいました。3次は徐々に実践的な練習でスピードを入れつつ、体を箱根駅伝予選会(予選会)に向けて仕上げていくイメージでやっています」

——上級生として意識していることはありますか。
 「特に意識していることはないですが、練習はできるだけ前で引っ張るようにしています。過去の上級生がそういう感じで引っ張っていたので、自分も少しでもそういう姿に近づけるように頑張っています」

——シーズン前半を振り返っていかがですか。
 「今までうまく走れていない期間が多かったので、 前半シーズンは関東学生対校選手権(関東インカレ)や、7月の対校戦二つではしっかり走ることができたので、いい春を過ごせたと思います」

——昨年度と比べてご自身の成長したところはどこだと思いますか。
 「まずはケガをしなくなったことが一つです。あとはロングの練習もスピード練習も明らかに昨年度よりしっかりできていて、自分でも手応えを感じているので、全体的に自分の状態はレベルアップしたと思います」

——全日本予選からのチームの変化はありますか。
 「もう少しというところで落ちてしまったのですが、その少しの部分が埋めなければいけない差だと思います。予選会でしっかりそういうところを埋めていかないと足元をすくわれるので、そういう意味では危機感じゃないですけど、みんなもう1段ギアを入れてしっかりやり始めたのかなと思います」

——シーズン前半振り返って、収穫と課題をお願いします。
 「今年は特に勝ち切るレースというのを自分の中で一つテーマにしていました。関東インカレも入賞には届かなかったのですが、しっかりと決勝で戦うことができて、二つの対校戦もいいタイムとまあまあいい順位で走ることができたので、タイムとか勝負とか、そういった部分でしっかり勝てるようになったことが収穫かなと思っています。課題はベースというか、練習がきつくなったりすると自分の調子が崩れちゃうので、 多少の変化にもしっかり臨機応変に、疲労があっても対応できるようにしていきたいです」

——最後に今後の意気込みをお願いします。
 「とにかく予選会、本戦と絶対チームに貢献できるように頑張ります」

——ありがとうございました。

尾﨑健斗(商4=浜松商)
尾﨑
——合宿はどのチームで練習していますか。
 「1次合宿はずっとBチームでやっていましたが、2次合宿からはAチームでやり始めています」

——今の状態はいかがですか。
 「特別良くもないですが悪いわけでもないので、今は本当に並かなと思っています」

——合宿の練習の消化率はいかがですか。
 「この3次合宿から実践的な練習になって、多少練習の出来が良くないというのはありますが、それまで基礎固めをする目的でやってきた1、2次合宿はきちんとできました。ケガで(練習が)できずに試合に急ピッチで合わせるというようなことがなく、順調にできているのかなと思っています」

——3次合宿で重点的に取り組んでいることを教えてください
 「自分は質の高い練習は割と好きでやることが多いのですが、ジョギングなどは苦手な部分でもあります。今までそこができてないことが原因で本番ハーフのレースでも失速したり、後半粘れなかったりというのが多かったので、特に1、2次合宿では大体10〜15キロぐらいを目安に走るようにしてきました。今はもっと実践的な練習に変わってきていますが、ギリギリまでジョギングの量は落とさずにやってきています」

——部員日記で書かれていた「圧倒的な準備力」の具体例はありますか。
 「まずはとにかく、目的に合わせてケガせず継続して練習するというのが一番大きいかなと思います。その他には、例えば早く寝るといったことや、アップ1つに関してもただするだけでなく、動きの悪い股関節の動的ストレッチをやるなど、小さなことから含めての準備力だと思っています。日記にも書きましたが、馬場さん(勇一郎・令6政経卒)が特にそこをやっていたので、理想としてやっています」

——昨年度と比べて成長を感じた部分はどこですか。
 「高校に比べたらだいぶ伸び悩んで、結構ケガも多くて練習してもうまくいかないことや失敗が多かった分、その経験がかなり溜まってきて、4年目はちょっとした失敗やうまくいかないことがあっても全然動揺せずに冷静になれていることかなと思います」

——チームの一員としてこれからどのように貢献していきたいと考えていますか。
 「結果を残すことが1番シンプルで分かりやすくチームに貢献できることだと思います。実際応援してくださる方々にも結果の部分が1番見てもらえるところだと思うので、走りという部分ですごく貢献したいなと思っています」

——ありがとうございました。

溝上稜斗(商4=九州学院)
溝上
——現在のコンディションを教えてください。
 「1次合宿は順調にできましたが、2次で1週間ほど小さな故障をしてしまい、今回の菅平の最初は立ち上げみたいな感じでした。一昨日(13日)に重要なポイントがあって、そこはしっかりチームでこなせたので、コンディション的には6、7割ぐらいかなと思います。これから上げていきたいです」

——この夏合宿を通してのテーマを教えてください。
 「最上級生としての夏合宿になるので、自分のことに集中してやるというのはもちろん、視野を広く持って下級生に声掛けもしたりしています。特に1年生は合宿の流れが分からないので、チームとして予選会に向かってやっていく中で、気を配れるようにやっていました」

——夏合宿はそれぞれ三つあったと思いますが、振り返っていかがでしたか。
 「1次合宿は距離もしっかり踏めましたし、ポイント練習もしっかりできたので120点です。ですが1次でやりすぎてしまった分、2次でガタが出てしまい、1週間ぐらい故障して走れませんでした。その間もジョグでつないではいたのですが、ポイント練習ができない期間が続いて苦しかったです。現在は菅平でもう1回しっかり立て直せているので、トータルで見たら、今のところはいい形でできていると思います」

——前半のシーズンを終えて、収穫と課題をお願いします。
 「今年度はロード中心に組み立てていて、新潟ハーフマラソンのほか、関東インカレもハーフを走ってという感じでした。その中で関東インカレや全日本予選など、主要な大会にメンバーとして出走することができたというのは良かったです。ただ、まだその中で他大学の選手と勝負して優勝したりだとか、全日本予選ではトップの方で走ったりすることはできなかったので、もう1段階上のレベルに行きたいなと思いました」

——自分のチームの立ち位置を教えてください。
 「昨年度も引っ張ってはいましたが、1番上には児玉(真輝・令6文卒)さんだったり、杉(彩文海・令6文卒)さんだったりといった選手がチームに安心感を与えてくれたり、大事なところで声掛けしてくださっていて、そこに甘えていた部分がありました。今年度はそういう人がおらず、自分が引っ張っていかないといけない中で、練習前に『この練習はこういうことだよ』とか、『今の時期はこれくらいしっかり走り込んだ方がいいよ』という声掛けや、昨年度の児玉さんや杉さんの姿を見てすごいなと思ったところを自分も実際にやってみています」

——全日本予選後に4年生の代を引っ張りたいとおっしゃっていました。
 「自分はこの学年の中では高校時代の持ちタイムも一番下で入ってきました。なので、自分が結果を出すというのは他の4年生にとって刺激になると思っているので、頑張りたいです」

——他の選手からも溝上選手の練習量が多いと聞きますが、意識されている部分はありますか。
 「自分は他の選手みたいにポテンシャルが高かったり、才能があったりという感じではなく、努力しないとみんなに勝てないタイプの人間だと思っているので、 とにかく練習量で負けないようにと思って取り組んでいます」

——全日本予選敗退から、今までどのような練習をされてきましたか。
 「全日本予選はもちろん悔しい結果になりましたが、16秒負けたからといって何か特別なことをやったり、何かやることを変えたりするということは正直ありません。ずっとやってきていることを今もずっと継続しています」

——昨年度のご自身と比べて、成長や違いなどを感じられる部分はありますか。
 「昨年度は大きい大会に出たことがない中で、初めて関東インカレや全日本予選に出場し、気持ち的に浮ついている部分がありました。今年度は、昨年度よりも落ち着いてレースに臨むことができたというところで成長したと思います。予選会は今年度が初めてですが、変に気負わず、直前で余計なことをしないでいつも通りのことをやって臨みたいなと思います」

——チームの雰囲気はいかがですか。
 「森下(翔太・政経3=世羅)や綾(一輝・理工2=八千代松蔭)など、チームのトップの選手がうまく走れていないので苦しい状況ではありますが、樹(山本・営3=専大松戸)や室田(安寿・情コミ3=宮崎日大)などの中間層だった選手がチームを引っ張る存在になって伸びてきているという点では、チームの雰囲気としてはいいかなと思います」

——菅平合宿の25キロ走を振り返っていかがでしたか。
 「25キロを走って、ラスト5キロをフリーでほぼ競争みたいな感じでした。予選会のメンバーを決める中でも大事なレースですが、自分は立ち上げという段階だったので、うまく走れるか不安でした。ですが、その中でも先頭の方でゴールできたので、良かったと思います。ケガの間も走り込みがあったので、そこまで不安にならなくていいかなと少し自信が持てました」

——夏合宿で1番強化されたポイントは何でしょうか。
 「スタミナです。例年以上に距離を重視して2次までやってきました。ハーフを走るにはやっぱりスタミナが大事なので、そこは強化できたかなと思います」

——期待する選手を教えてください。
 「樹です。昨年度と比べて、練習の結果もですが、チームを引っ張るという気持ちが見えます。話していても『自分(ハーフで)62分くらい出します』と言っており、とても頼もしいですし、自分自身も負けられないなという気持ちがあります」

——後半のシーズンの意気込みを最後お願いします。
 「予選会に向けてはまず昨年度と同じ失敗を繰り返さず、体調管理を徹底することです。結果としては、 チームの5番以内で63分半以内を目標にしています。予選会をしっかり通過して、箱根駅伝は陸上人生の集大成という感覚なので、走る区間でしっかり自分の力を発揮してシード権を獲得したい、絶対してやるという気持ちで頑張りたいと思います」

——ありがとうございました。

[原田青空、加藤菜々香、安田賢司]