(89)日本インカレ事後インタビュー①/園原健弘監督

2024.09.25

 大学陸上界の頂点を決める日本学生対校選手権(以下、日本インカレ)。明大からは10人の選手が出場した。その中で、神戸毅裕(営2=明星)が4位入賞を果たすなど、存在感を発揮。高いレベルのレースの中で、収穫と課題が見つかった。今回は、レース後のコメントをお届けする。

 第1回は園原健弘監督のインタビューです。

――男子100メートルに出場した神戸選手は今年度好走が続いていますが、今大会の走りはいかがでしたか。
 「もうプラスもマイナスもなく、今の実力を本当に100パーセント発揮できたと思います。上位の3人を見てもやはり強い選手たちなので。上できの結果というか、今の持てる力をしっかり出した結果だと思います」

――松下かなう(法4=大分東明)選手はケガに苦しんだシーズンだったと思います。
 「彼はケガの故障明けから間に合わなかったですね。もっとポテンシャルは高いんだけれども、やはりレースの感覚や後半の伸びとか、ピッチの速さは戻らないままのシーズンだったので。でも彼はこの後も競技を続けると思うので、この悔しさをバネにまた飛躍してもらいたいと思います」

――4×100メートルR(4継)はメンバー変更があった中で、決勝まであと一歩の結果を残しました。このレースを振り返っていかがですか。
 「大学全体としては決勝にいけるだけのチームですが、今回はケガでメンバー変更を余儀なくされました。全員が変わったわけではないけれど、新しいメンバーでもそこそこのタイムが出て、非常にチーム全体としては上がっていると感じました。チーム全体の底上げができたというのは確認できましたし、このベースの部分が高い位置から個々が強くなってくれるので、この結果は評価できる内容だと思います」

――400メートルで原田真聡選手(文2=東農大二)は2年連続入賞を果たしましたが、今大会の走りはいかがでしたか。
 「結果だけ見ると2年連続入賞なので非常にいい結果ではあります。ただ彼自身も悔しいと思っているように、我々としてはもっと力があるのに、どうしてなかなか実力を出せないのかなっていうところがあります。そこは彼自身がピーキングを合わせられなかったのか、それともやはりもう一歩力を付けないといけないのかというのは、しっかり課題を見つけて取り組んでくれるはずです。彼にはやはり日の丸を背負うような選手になってほしいと思っています。そこはしっかり自覚を持ってやってくれているので、飛躍してくれると思いますよ」

――4×400メートルR(マイル)は明大歴代2位の好記録が出ました。
 「マイルはやっと選手もそろってきました。4継共々強化種目なのでその一歩というか、 決勝には進めなかったけれども、非常に順調に強化できているというところは結果に表れているのではないかなと思います」

――そのマイルに1年生も出走しましたが、古俣由人選手(法1=東京学館新潟)と太田瑞渉選手(理工1=成田)の走りはいかがでしたか。
 「合格点以上だったと思います。彼らもチャンスをしっかり結果につなげるような走りができているので、来年度以降は非常に期待できます。リレーだけではなくて、個人種目でも活躍できるようなマイルの走り、結果だったと思います」

――今大会も応援が印象的でしたが、今年度のチームの雰囲気はどのように感じていますか。
 「OneTeamを4年生がスローガンに掲げて、その通りの行動を体現してくれていると思います。そういった意味で応援がしっかりしているだけに、あれだけの応援をしてくれる選手に失礼がないような準備をしてほしいです。いつもご支援いただいているファンの皆さんや後援会の皆さんに、失礼がないような準備をして臨むということはとても大事だなと。応援がしっかりしているだけに、サポートメンバーがしっかりしているだけに、余計そういうことは痛感しました」

――今後の短距離部門に期待することは何でしょうか。
 「短距離はこの今のメンバーの中から日の丸をつけるような選手が出てほしいと思っています。来年はワールドユニバーシティゲームがドイツであって、選考が4月にありますから、そこに神戸なり原田なりはぜひ行ってほしいです。次のもっともう一歩上のステージを戦える選手がどんどん出てきてほしいなと思います。それと他はやはり来年度の関東大学対校選手権(関東インカレ)で1部残留以上の活躍をしてほしいし、活躍できるだけの選手がそろっているので。みんな自己記録を更新して、飛躍していきたいと思います」

――競歩ブロックはこれからロードシーズンに入りますが、どのような展望を描いていますか。
 「競歩はチームとしては日本インカレより関東インカレの方が大事です。ただ、個々の選手でいくとやはり日の丸を狙うべき選手たちなので。この後の全日本競歩高畑大会や来年度の神戸の日本選手権、それから3月の能美がワールドユニバーシティゲームの選考会になるので、そこでしっかり結果を出すことが今回の日本インカレの評価ともつながってくると思います。要はそこを目指しているから、あるいは長距離は箱根駅伝を目指しているから、日本インカレは完璧に準備しない状態でも望んでいますよという結果なので。この結果をしっかり評価してもらうためには、そういう本当に狙った大会で結果を出していきたいと思います」

――先ほどお話にも上がりました、箱根駅伝予選会(予選会)が近づいています。
 「チーム全体で戦っていきたいと思います。1人、2人の力に頼るのではなくて、チーム全体で。それこそ村越(優汰主将・文4=横浜)が掲げてくれたOneTeamというスローガンで、長距離のメンバーだけではなくて、短距離や競歩のメンバーもしっかりサポートしてくれるし、応援してくれるので。ぜひしっかり予選会では力を発揮して、本戦に出場します」

――ありがとうございました。

[春田麻衣]