(10)シーズン直前インタビュー 堀見華那

 長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。新たに明大の一員として氷上を舞う選手もいれば、今シーズンで引退となる選手もいる。新たなシーズンの始まりを前に何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。

(この取材は9月14日に行われたものです)

第6回は堀見華那(商4=愛知みずほ大瑞穂)のインタビューです。

――現在の調子はいかがですか。
 「前の試合(東京夏季大会)よりは、少しずつジャンプも戻ってきていて。今も状態で言ったらまだ6.5割ぐらいですが、少しずつ上がっているかなという感じです」

――ジャンプは東京夏季大会から今までにどのような部分を重点的に練習していますか。
 「回転のタイミングが結構ずれているところがあったので、これまでの動画を見返したりしています。あとは、キレを戻すトレーニングとして陸で縄跳びをしたりして、体を動けるようにしています」

――陸上でのトレーニングで縄跳びのほかに行っている練習はありますか。
 「初動負荷化トレーニングというのがあるのですが、それがジムみたいな感じで可動域を広げるトレーニングがあるので、そこに週に2、3回くらい行っている感じです」

――現在の練習量はいかがですか。
 「練習量は1日1時間を1回と45分を2回という感じで、全部で2時間半ぐらいです。氷上での練習は2時間半くらいですね。(昨年までと比べて氷上練習を増やしたりしていますか)増やしてはいないです」

――昨シーズンを振り返っていがかですか。
 「思うようにいったりいかなかったりという感じです。でも、良かったのは東日本選手権(東日本)だけだなという印象です。学生の大会にもあまり出られなかったので、少し悔しい部分が多かったです」

――東日本のFS(フリースケーティング)では、納得のいく演技ができたとおっしゃっていました。
 「あの時は『なるようになるしかならない』みたいな感じで、自分を、そしてやってきたことを信じて滑ることができたというのが大きいです。そこが一番の私の課題というか、練習をやっていても『これだけやってきたから大丈夫』みたいな気持ちになれるような練習が、ケガとか痛いところができてしまったりしてできなくて。練習が詰められていないから、試合であまり自信がなくてできないみたいなところが結構多かったです。東京選手権(ブロック)は良くなくて、ギリギリで東日本通って、そこからの1カ月間は結構いい練習ができていたので、それが良かったのかなと思います」

――今シーズンのSP(ショートプログラム)『エデンの東』は以前から滑りたい曲であったと伺いました。プログラムに対しての思い入れはありますか。
 「やはり以前から滑りたいと思っていた曲というのもあるし、今教えてもらっている佐藤先生(佐藤信夫さん)の娘さんである有香さん(佐藤有香さん)に振り付けをしてもらいました。その先生(有香さん)にも昔一度だけ、名古屋にいた時に少しだけレッスンをしてもらっていたことがあって。その時の振りの教え方とか、他の人の振り付けとかを見ていても、すごくいいプログラムだなって思っていて。それで、ずっと有香さんにいつか一回は(振り付けを)やってもらいたいなという気持ちがあったので、曲もそうですし、振り付けもしてもらえて、すごくいいプログラムを作ってもらえたので楽しく踊れています」

――振り付けでお気に入りの部分を教えていただけますか。
 「ステップの入りがイナバウアーなところや、最後もスピンで終わる人が結構多いんですけど、スピンの後にスパイラルみたいなものが入っていて一工夫がされているところです。そういうポイントで、見どころをたくさん作ってもらえたのがお気に入りの点です」

――以前、白の衣装を着たかったとおっしゃっていましたが理由はありますか。
 「着たことがなかったからというのが一番大きい理由ですが、今は結構紫色な感じにして良かったなと思っています。普段の服装も色物が好きで、色物を着ることが多いので、やはり色あった方がいいなと思っていたので、真っ白にしなくて良かったなと思っています」

――SPの仕上がりは、現在何パーセントぐらいですか。
 「ジャンプを入れなければ80%くらいですね。ジャンプがまだあまり入らないので、全体的には60%くらいという感じです。ステップに関しても足を踏むステップが難しくて、クラスターという三つ連続でステップを踏むものがあるのですが、その組み合わせがいつもと違う組み合わせで難しかったりします。今日も朝、先生に『もっとカーブを使って』とみたいなことを言われたところがあったのですが、普通に出だし10秒ぐらいで、それをやった瞬間につまずいて転んでしまって(笑)。そういうハプニングも、まだ改善するべきところはたくさんあるので、まだもう少しかなという感じです」

――SPの見どころはどのような部分ですか。
 「大きい滑りが得意というか、大きい滑りが自分の滑りの特徴だと思うんですけど、一歩を大きく滑れる感じが壮大な曲に合っているので、最後の盛り上がりと同時に、スケートも伸びやかに滑ることができたら、すごくいいプログラムというか、見どころになるのではないかなと思います」

――FS(フリースケーティング)は昨シーズンからの継続ですがいかがですか。
 「FSの方も少しだけ昨年から変えたりしていて。スピンのレベルが変わって、スピンで少し時間が取られてしまうので、少し短くしたり、長くしたりということをやっています。少し変わった部分はあるのですが、やはり昨年もやっている分、SPよりはなじんでいて、80%くらいかと思います」

――FSの衣装は青と黄色のグラデーションが印象的ですが、こだわりはありますか。
 「最初は黄色の衣装をやろうかなと考えていて。『La La Land』は黄色というイメージが自分の中であって、黄色と言っていましたが、(使っている曲の)曲調が元気な部分より、スローの部分が多い曲なので、そこを衣装さんに話したら『それは青か緑がいいんじゃない』みたいな感じで言われて。それで『確かにいいかも』と思って青と緑のデザインを作ってもらいました。そしたらそのデザインの裾の部分が黄色になっていて。黄色も入れてもらえたのでそれで決まりました」

――フィナーレに『Someone In The Crowd』を使用していますが、その曲を最後に持ってきた理由はありますか。
 「普通に色々曲を聞いていて、盛り上がる感じで終わりたかったんですけど、『La La Land』といったらこれだよねといった有名なオープニングの『Another Day Of Sun』を使っていなくて。どちらにするか迷いましたが、みんなが使っている部分じゃないところがいいなというのがあって。あとは自分の好きな方を選んで曲を作りました」

――特技は曲の編集とのことですが、プログラムはご自身で編集しているのですか。
 「そうですね。(いつごろから始めましたか)高校1年生くらいだったと思います」

――現在のFSのジャンプの調子はいかがですか。
 「はまったり、はまらなかったりという感じで日によってというところです。ループが2本入っているのですが、そのループと後半のサルコーに今は苦戦中です」

――今シーズン目指すFSの演技の理想像を教えていただきたいです。
 「ジャンプが全部はまったら、最後のステップも盛り上がると思うので、ジャンプを全部決めたいです。その上でそのジャンプに集中しすぎてしまうと他の振りのつなぎの部分がおろそかになってしまうことが多いのですが、そういうつなぎの部分にも気を使った上で、ジャンプがはまるプログラムに仕上げていきたいと思います」

――今年度の明大合宿はいかがでしたか。
 「昨年は滑る時間がすごく長かったので、昨年に比べたら今年は全然滑る時間が長くなくて。やはり合宿となると、普段あまりみんなで練習することもないので、それに感化されて練習ができるので、トレーニングをしたりだとか、練習内容も充実していました。みんなで遊ぶというか、部屋に集まったりして楽しかったです。きつかったっていうより楽しかった印象です」

――今年度はリレーと大縄を行ったそうですね。
 「大縄は今年初めてやりました。リレーと大縄をいつも4年生が主将と副将で分かれて、じゃんけんをしてドラフトみたいな感じでメンバーを集めて、二つのチームを作って戦うのですが、私と光翔くん(大島光翔・政経4=立教新座)でチームを作って、私のチームは大縄もリレーも勝ちました。負けたら、バーピーを20回やるという罰ゲームがあったんですけど、全部回避しました(笑)」

――チームのメンバーはいかがでしたか。
 「チームは6人でした。リレーでは舞美ちゃん(山﨑舞美・商1=釧路湖陵)の足が速かったです」

――部の雰囲気はいかがですか。
 「こことここが仲がいいとかではなくて、みんなで仲がいいという感じで、すごく雰囲気がいいと思います。人数が多いとグループ内でグループができるみたいなことがあるじゃないですか。そういうのがなくて、男子も女子も最終日の夜は全員で部屋に集まってカードゲームをしたりしていたので、今はすごく仲が良くて、雰囲気もいいですね」

――合宿中の一番の思い出を教えてください。
 「夜に花火をやったことです。全員で行って楽しかったですね」

――部練は今年に入ってどのくらい行っていますか。
 「5回くらいだと思います。4回か5回ですね。(参加人数は日によって違いますか)そうですね。日によって違います。多くても5、6人くらいで、少ない時は2、3人の時もあります。私とマリアちゃん(江川マリア・政経3=香椎)だけが皆勤賞で、あとはみんな学校があったりだとか、なんか来ないですね(笑)」

――木下トロフィー争奪大会の際に佐藤駿(政経3=埼玉栄)選手も「まだ自分は一度しか行けていない」とおっしゃっていました。
 「忙しかったりしますが、みんなも来る気持ちはあると信じているんです。『来てね!』と言っても『わかった』みたいな。光翔くんもあんな感じなので、行くって言って来なかったりするので、大体信用していないですけど(笑)。あまり自分は来ないくせに『ちゃんと部練に来いよ』とか言っているので。(大島選手がですか)そうです。学校があったりして。あの人も卒業しないといけないから、学校に行ってもらわないといけないし、どうしても学校ある時間帯に部練になってしまうので仕方がないですけどね。あとは船橋でやっているので、埼玉とかの人は遠くて行きづらいとのもあると思います。大体4年生で暇な私と、ホームリンクのマリアちゃんは出席率が高いですが、他はバラバラという感じです。でも来たら来たで楽しくやっています(笑)」

――集まって練習する際は、どのようなことを練習するのですか。
 「普通に個人で曲かけをしたりしています。みんなでやるとかじゃないのですが、やはりいつもと違うメンバーで練習ができるし、それこそ男子は4回転をバンバン跳ぶので、男の子が集まった時はすごく活気があるなと感じます」

――大学生活はいかがですか。
 「秋は2コマだけですね。卒業単位は全部取れて卒業が確定したので、あとは本当に行かないと思います。ゼミだけで週1ですね」

――学校に行くことが少ない中で普段の生活はいかがですか。
 「スケート以外は、アルバイトをして、友達と遊びに行って、ランチを食べたりします。スケートがないときは外に出るのが好きなので、一人でウィンドーショッピングに行ったり、結構ぶらぶら出かけます」

――ドライブがお好きだと伺いました。
 「練習に一人で車に乗って行くこともあります。でも大体一人で行くのは練習だけで、遠出のドライブを一人でしたことはまだないです。友達を乗せて熱海の方に行ったり、この間は横須賀の方に行ったり、大体友達とドライブに行くことが多いですね」

――夏休みの思い出はありますか。
 「結構夏を満喫したと思っていて。今まで花火大会というものに行ったことがなくて、ずっと行きたかったので板橋の花火大会に行きましたが、すごくきれいでした。あとは高校の時の友達が東京に来てくれて、熱海の方にドライブに行ったりしてそういうのが楽しかったです」

――趣味はチーズケーキ巡りとのことですが、これまでに出会ったチーズケーキの中で一番おいしかったものはありますか。
 「一番おいしかったというと、名古屋のチーズケーキ屋さんですね。東京で食べたものもどこも全部おいしいですが、結局は名古屋のものが一番美味しいです。ディーズチーズというチーズケーキ専門店が名古屋にあるのですが、それがすごくおいしくて。東京で食べ歩いていても、このチーズケーキを超えるチーズケーキに出会っていないくらい、私の中ではおいしいチーズケーキです。でも東京のお店も全部おいしくて、毎回チーズケーキがあったらチーズケーキを頼みますね。東京だったらBalcony by 6thという麻布台ヒルズ中に入っている結構有名なお店ですかね。おいしかったです」

――名古屋のお店のチーズケーキはどのようなものなのですか。
 「いろいろな種類があります。ベイクドチーズ、レアチーズ、スフレチーズから、季節のフルーツが入っているものまであって。カフェの店内で食べられるところはパフェがあったりして。チーズケーキが一つあるのではなくて、チーズケーキの専門店なので何種類ものチーズケーキがあるという感じで、誕生日ケーキは毎年そこでお願いしていました。チーズケーキのホールをみんなで食べるという感じです」

――先日誕生日を迎えられたと思いますが、今年はいかがでしたか。
 「今回は新横浜のチームのみんなが、サーティーワンの大きいカップに3種類ぐらい入っている、多分一番大きいものだと思いますが、それを買ってきてくれました。更衣室の中に8人ぐらいいるんですけど、みんなでお祝いしてくれて、サーティーワンを食べました」

――話をスケートに戻しますが、今シーズンはどのようなシーズンにしたいですか。
 「やはり最後なので、自分の納得いく演技をしたいというのもそうですし、やはり今まで支えてくれた先生やお母さん、お父さんそして家族に続けてきて良かったなと思ってもらえるような演技をしたいと思います」

――具体的な目標はありますか。
 「インカレ(日本学生氷上選手権)に出るというのが一番の目標です。1年生の時に東インカレ(東日本学生選手権)に出ましたが、それ以来大学で順位がつく大会には出ていないので、最後くらいは大学の試合に出て、大学に貢献して、いい成績残して、インカレの総合優勝に選手として貢献できたらと思っています。それが一番の目標です」

――最後にファンの方へメッセージをお願いします。
 「本当に4年間あっという間でした。明大には応援をしてくださる人がいっぱいいて、大学に入ってからの出会いも多くて、いろいろな人に恵まれて、支えてもらったなというのがあるので、それを全部返せるような演技ができるように精一杯楽しんで頑張るので、最後まで応援よろしくお願いします」

――ありがとうございました。

[髙橋未羽]