(7)シーズン直前インタビュー 元榮愛子

 長いオフシーズンを越え、ついにシーズンが開幕する。新たに明大の一員として氷上を舞う選手もいれば、今シーズンで引退となる選手もいる。新たなシーズンの始まりを前に何を思うのか。本インタビューではそれぞれの選手の思いをお届けする。

(この取材は9月7日に行われたものです)

第3回は元榮愛子(商2=目黒日大)のインタビューです。

――オフシーズンはどのように過ごされていましたか。
 「基本毎日練習していたんですけど、夏前に1ヶ月ぐらいケガで休んでしまって。その後からは(体のコンディションを)戻すのにめちゃくちゃ精一杯という感じでした」

――どの部分をケガしてしまったのですか。
 「昔ずっとケガしていた膝が少し悪化してしまって、それで休むことになってしまいました。(現状のケガの状態はいかがですか。)常に痛い状態が続いているんですけど、でもましにはなってきたかなという感じです」

――大学生活は2年目となりましたが、何か変化はありましたか。
 「去年よりもめちゃくちゃ大変な授業をいっぱい取ってしまって、毎週テストがある授業とかで頭の中がすごく鍛えられているなと思います(笑)」

――授業などで印象に残っていることはありますか。
 「ゼミが始まって、みんなで昼休みや夜とかにも話し合ったりとかしていて。学校の時間以外にも考えることがいっぱいあって発表とかもめちゃくちゃ緊張したのが印象的です。(その発表はうまくいきましたか。)最初はすごく記憶が飛んでしまうくらい緊張していて。でも毎週のように発表があって、そしたらもう慣れてきて、少しうまくなってきたかなと思います」

――明大の部練で印象に残っていることはありますか。
 「やはり去年の合宿は練習がすごく多くて、喋りはしたけれど仲良くなるというよりは練習中心という感じだったんですけど、今年は少し人数も多くて練習も(去年よりは)少なめで、みんなで一緒に遊んだりとか、いっぱい話したりとかして、すごく仲良くなって雰囲気もめちゃくちゃ明るいなと思います」

――どんな遊びをしましたか。
 「なんていうゲームだったか少し忘れてしまったんですけど、1人だけ違うお題を(ワードウルフですかね。)あ、そうです。話し合って、誰が違うこと言っているかを当てるゲームや花火とかをしたりしました。(ワードウルフは誰が上手でしたか。)誰だろう(笑)。でもりをんちゃん(住吉りをん・商3=駒場学園)がうまくて楽しかったです。私はあまり喋らないから、多分分かりにくかったと思います(笑)」

――合宿は練習面の方ではいかがでしたか。
 「曲かけが結構あったのと、ジャンプが今跳べないので結構跳んで感覚をつかもうと頑張りました」

――合宿の前に出場した関東有志大会で何か収穫はありましたか。
 「結構長い間大会に出ていなかったので久々に大会に出て、緊張感を思い出して。あとスピンなども全然レベルを取れていないなと分かったりしたのが収穫だったかなと思います」

――SP(ショートプログラム)を継続した理由を教えてください。
 「SPもFS(フリースケーティング)も変えてしまうと私はぱっとすぐ踊れるタイプではなくて、振り付けを覚えるのも遅いしすごく時間がかかってしまうので。(今回)FSを変えたので、SPはそのままにしとこうと思いました」

――継続のSPで昨年からジャンプ構成を変えるなどのブラッシュアップはしましたか。
 「ジャンプはそのままなんですけど、 ステップとかが結構変わって、あとスピンとかも結構変わって、去年よりも自分的には難しくなっているので、そこをブラッシュアップしているのかなと思います」

――ステップやスピンを変えて感覚の方はいかがですか。
 「(ステップは)去年よりもすごい転けそうになるので『ここ転けないように』というのを結構意識してしまっているかもしれないです。(スピンは)変えて、でもこの間(東京夏季大会)は少し失敗してしまって、変えてから全然うまくいっていないので手応えも全然ないです」

――今シーズンのFSの曲名を教えてください。
 「『鉄道員』です」

――選曲理由や曲の雰囲気を教えてください。
 「選曲理由は聞いた時にいい曲だなと前から思っていたので、使ってみたいなと思って使ってみました。 雰囲気は、滑ってみるとあまり強弱がなくて、ずっと暗い感じなので表現が少し難しいなという感じです」

――難しいとおっしゃっていた表現の部分で何か意識していることはありますか。
 「振り付けがいつもの先生ではなくて、すごく久しぶりに違う先生にしていただいて。だから振り付けがいつもと違う感じなので、そこをまだうまくできていないんですけど、うまくいくようにかなり頑張っています」

――振付師の方が変わったというお話もあったと思うのですが、印象に残っているアドバイスはありますか。
 「『全然心が動いてないから心を動かして』ということをすごく言われて。それが印象に残っています」

――FSの披露は東京選手権(ブロック)が初になりますか。
 「そうですね。ブロックが初です」

――どういうところを見てほしいですか。
 「まず(ブロックで)FSに行けるかわからないんですけど、FSにいけたら新しいプログラムなので、ぎこちないところがいっぱいあると思うんですけど、頑張っているなと思って見てほしいです」

――前回3回転のコンビネーションジャンプや3回転の種類を増やしたいとおっしゃっていました。ケガの影響もあったと思いますが、これまでのジャンプの練習状況を教えてください。
 「今は新しいのはあまりできていなくて、 SPに入っている3回転サルコーと3回転ルッツを中心に練習していて、 FSはもう1種類入れられるように頑張って跳んでいるんですけど入れられないかもみたいな感じです。(入れようと考えているジャンプを教えてください。)3回転トーループなんですけど、結構(成功する)確率が悪いので入れないかなと」

――ブロックが約2週間後に控えている現在の心境を教えてください。
 「焦っていて、頑張るしかないという感じです」

――限られた時間ではあると思いますが、どのような部分に重きを置いて練習していきたいですか。
 「やはりジャンプが跳べないと(SPで)落ちてしまうので、ジャンプを頑張って跳べるようにして。ジャンプが曲に入るように重点的に練習したいなと思います」

――今シーズンの目標を教えてください。
 「まずはブロックでFSまで進んで、ブロック頑張って通過できるように、もう今はそれだけ頑張るという感じかなと。今シーズンは練習があまりできてないので、試合で思い切って跳べるように、練習でもしっかり跳べるように頑張りたいです」

――シーズンが始まると東日本学生選手権や全日本学生選手権(インカレ)などもあると思いますが、何か思いはありますか。
 「去年インカレですごく足を引っ張ってしまって、せっかく出してもらえたのにすごく悔しかったのがあって。いつかは明治にいい演技して貢献したいなという思いはあるので、まずは出られるように頑張りたいなと思います」

――ファンの方へのメッセージをお願いします。
 「去年は明治のインカレで足を引っ張ってしまったので、明治に貢献できるような選手になれるようにあと約3年頑張ります」

――ありがとうございました。

[堀口心遥]

(写真は本人提供)