
(87)日本インカレ事前インタビュー⑧/松下かなう
全国から強者が集い、短距離・競歩ブロックの大一番となる日本学生対校選手権(日本インカレ)。夏の鍛練を乗り越えた選手たちの準備は万端だ。それぞれがさらなる高みを、そしてチームとして「One Team」を目指す。今回は、そんな大舞台を迎える選手たちの声をお届けする。
第8回は松下かなう(法4=大分東明)のインタビューです。(この取材は9月12日にオンラインで行われたものです)
松下
男子100メートル
男子4×100メートルR
――現在のコンディションはいかがですか。
「春先に腰を痛めてしまい、前半シーズンは全く走れない状況にあったんですけど、少しずつ昨年度の状態に戻りつつあります。調子も上がってきているので、日本インカレに向けてしっかりコンディションを整えています」
――8月末に行われたAthlete Night Games in FUKUIに出場されました。
「日本選手権は復帰してから約1ヶ月だったので、タイム(10秒64)は妥当だろうなと思っていました。福井の大会は、少し調整はしたんですけど合宿の疲労と向かい風もあってタイム(10秒78)としてはすごく悪かったです。ただ、日本インカレに向けて速い人たちと走る機会ができたので出てよかったと思います」
――夏合宿では具体的にどのような練習に取り組んできましたか。
「まずは走り込みや補強の量を増やすなど、筋力の基礎を作り上げていました。そこから少しずつスピード練習に移行して、100メートルが走れるような形にできるように取り組んでいました」
――夏合宿は普段の練習環境と異なる中で取り組んだかと思います。
「そうですね。今年度は初めて菅平に行かせていただいたのですが、八幡山では急な坂がなかなか近くにないので、菅平では坂を利用して筋発揮や下半身の強化という部分ですごく大きなものを得られたと思っています。気温も涼しく、スピード練習ができたので充実した合宿になったと思います」
――夏合宿の前後で成長したと感じる部分はありますか。
「合宿前はどうしても100メートルを走る中で前半区間の動きが鈍いなと思っていました。合宿が明けてからはしっかり前半の出力も出るようになったので、大きな違いかなと思っています」
――少し競技とは離れてしまいますが、夏合宿中の思い出はありますか。
「オフの日に小林(真名世・政経4=八王子)と岡田(明香里マネジャー・農4=東洋英和)、矢島(芽依マネジャー・営3=県立岐阜商)でいろいろな所を回りました。その中で上田城に行ったんですけど、初めて御朱印を集める楽しさとかお城を見る楽しさを知れたのですごく思い出に残っています」
――100メートルの目標タイムはありますか。
「目標タイムはあまり考えていないのですが、日本インカレを走るにあたっては決勝に行きたいという思いがあります。しっかりとラウンドを勝ち進めて行けばおのずとタイムは付いてくると思っています。大体10秒2後半ぐらいのタイムを出せば決勝には残れると思うので、今のところはそこが目標です」
――4×100メートルR(4継)のメンバーの調子はいかがですか。
「バトンパスは良い状態ですが、やっぱり走力が強豪校に比べると劣っていると思います。個人の調子を上げることはリレーの結果につながると思うので、まずは個々がしっかりと走れる状態を作ることが大切です。また、関東学生対校選手権と同様にかなりケガ人が多くて、1人でもケガすると本当に危ない状態です。なので、ピリッとした雰囲気を保ちつつも試合ではリラックスできるように切り替えて、残りの期間で調整していけたら優勝できるんじゃないかなと思っています」
――昨年度の4継は39秒03の明大新記録で3位入賞を果たしましたが、今年度はどのような順位やタイムを目指しますか。
「順位を狙っています。昨年度が3位だったので、今年度はそれよりも上を目指して取り組んできました。優勝となるとおのずとタイムがついてくると思うのですが、38秒7に乗れば優勝できると思うので、そこを目指して頑張っています」
――4継メンバーの中で注目してほしい選手はいますか。
「今伸びているなと思うのは竹尾(拓真・農3=明星学園)です。今年度は調子がどんどん上がって、昨年度の自分みたいに何回もベストを更新しているので、注目できるんじゃないかなと思っています」
――10月の日本選手権リレーと日本インカレの4継ではどちらに照準を合わせていますか。
「基本的には本当に両方です。今の気持ちとしては日本インカレに気持ちが向いているんですけど、日本選手権リレー前になれば、そっちにちゃんと標準を持っていきたいです。どちらも全国規模の大きな大会なので、結果を残したいという気持ちはあります。日本選手権リレーは自分が大学の一員としてリレーを組むのが多分最後になるので、最後はいい形で終わりたいなと思います」
――先ほど、ケガ人が増えているという話がありましたが、その原因はどこにあると思いますか。
「何が原因だろうかと自分の中でも思うことがあるのですが、なかなかケガについては難しいですね。(練習の強度が強すぎるといった原因もありますか。)それもありますし、厳しい言い方をすると普段の生活がちょっと甘いという面もあります。ケアをあまりしないとか、食生活が原因じゃないかなと思ったりしますね。自分も実際そうでしたし、ケガをしてからそういう面をちゃんと行うようになったので、そこは一つ成長できました。ただ、もう大学4年生になってしまったので、それが分かる時期が遅かったなと後悔しています」
――最後の日本インカレに向けて意気込みをお聞かせください。
「大学に入学してからずっと日本インカレでの優勝を目標にしてきたので、出場するからにはしっかり勝ち残って結果を残せるように、それが後輩たちにとってもすごくいい刺激になるように結果を残すしかないなと。それしか思っていないです」
――短距離ブロックを応援してくださる方にメッセージをお願いします。
「僕が入学した時は短距離ブロックとしてはあまり注目を置かれていなかったんですけど、最近少しずつファンの方々が増えていってSNSを見ると短距離ブロックに対しての投稿をしてくださる方々が増えています。それが選手にとってはパワーになっているので、感謝しかありません。普段応援していただいているからにはしっかりと結果で返せるようにこれからも頑張ってまいります」
――ありがとうございました。
[松原輝]
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