(84)日本インカレ事前インタビュー⑤/上新魁、鷹羽柊弥、竹尾拓真

2024.09.17

 全国から強者が集い、短距離・競歩ブロックの大一番となる日本学生対校選手権(日本インカレ)。夏の鍛練を乗り越えた選手たちの準備は万端だ。それぞれがさらなる高みを、そしてチームとして「One Team」を目指す。今回は、そんな大舞台を迎える選手たちの声をお届けする。

 第5回は上新魁(政経3=明大八王子)、鷹羽柊弥(法3=盛岡第四)、竹尾拓真(農3=明星学園)のインタビューです。(この取材は9月12日、14日、15日にオンラインで行われたものです)

上新
男子4×100メートルR
――コンディションはいかがですか。
 「6月の大会後から足首のケガをしてしまい、あまり思うように走れてはいなかったので、今回はサポートに回ることがメインになるかなと思っています」

――日本インカレの印象を教えてください。
 「私は大学1年生の時に走らせてもらって、また関東学生対校選手権(関東インカレ)とも違うような印象です。関東インカレは本当に気合いで勝つぞー!という感じでしたが、日本インカレはそれとは違い、個人個人が集中して、ひたすら勝ちだけを狙いに行くような人たちの集まりみたいな、そんな印象です。昨年度はリレーでの入賞もできましたし、400メートルで原田(真聡・文2=東農大二)が入賞してくれたので、年々手が届くような大会になり始めていると思います。今回もただ出場するだけじゃなく、ちゃんと入賞しに行き、メダルを取りに行くぞという意気込みで挑める大会だと思います」

――普段のリレーはどんなことを重視して練習していますか。
 「ちゃんとバトンが渡るということがやっぱり大事なので、どれだけ手のエラーをなくすかということを意識しています。練習でもバトンを渡す時には、スピードや目線など試合を想定するイメージです。周りの選手もピリッとした雰囲気を作り、絶対にミスできないぞというプレッシャーの中で出る練習を心がけていると思います。また、明大はオーバーハンドパスというオリンピックでアメリカの選手が使っているバトンパス方式を採用しています。人によってはそれが苦手ということがあったりするので、日本代表みたいにアンダーパスも練習してみようみたいな取り組みもしていて、今年度はただ現状維持で挑むってことはないようにしています」

――今大会、応援の目標はありますか。
 「今回はチーム全体で残留がかかっているわけではないので、全体的に熱が入りにくいかなという印象があります。関東インカレでは応援団長というポジションを村越優汰主将(文4=横浜)からもらって、One Teamで動くというのを第一に応援していました。今回はそれ以上に必要なものがあるかなと思っていて、あの時みたいに狂ったように踊りやるかどうかは決まっていないです(笑)。ですが、少数のチームではあるので、走る選手たちがアウェーと感じることがないように全力で頑張りたいと思います」

――日本インカレに向けての目標を教えてください。
 「短距離の主将は松下かなうさん(法4=大分東明)なのですが、私の1個上の4年生の代というのは選手が3人しかいなくて、 年々増えていく短距離の部員をずっとまとめてくれていました。本当に感謝の思いしかありません。日本インカレと日本選手権リレーは僕たちがチーム競技としてかなうさんに感謝を伝えられる最後の機会になってしまうので、最後にかなうさんを勝たせたいという思いで、全員一致団結して今回の日本インカレに挑もうと思います。なので、私もサポートメンバーとして、応援団長として、全力で支えたい、押し上げたいという思いで挑もうと思います」

――ありがとうございました。

鷹羽
男子4×100メートルR
男子4×400メートルR
――現在のコンディションはいかがですか。
 「関東インカレで肉離れをしてしまって、そこから練習を積み始めて1ヵ月が経とうとしてるところです。現在は練習もしっかり積めて、スピードも出てきたので、コンディション的には万全な状態かなというふうに思っています」

――夏にどのような練習を取り組まれてきましたか。
 「菅平合宿に行った際に4×400メートルR(マイル)メンバーに選んでいただいたのですが、肉離れから復帰してから2ヵ月と、練習を再開してから2週間ぐらいの出来事だったので、正直、リレーに向けて行った練習は特になかったです。そこまでは普段の練習や自分のやることをやっていました。しかし、合宿中に言われてからは、自分は普段は短距離100、200メートルを専門にしていて、あまりロングの練習をしてこなかったので、走行距離を伸ばしてスピードを維持する練習を多く取り入れてきました」

――最近出場された川崎市陸上競技選手権を振り返っていかがでしたか。
 「復帰明け初めての200メートルで出場したのですが、最初はカーブの走りでスピードを出し切るのが怖くてスピードを上げて走ることができませんでした。ですが、決勝でもう一段階ギアを上げて、もう走れるだろうという自信を取り戻すために全速力で頑張りました。そこでちゃんとケガなく走りきれたので、自分に自信がついたレースになりました。スピードが戻っているかどうか、カーブをうまく走れるかを確認するためにこの大会には出場しました」

――前半シーズンを振り返っていかがでしたか。
 「東京六大学対校大会では敢闘賞をいただき、100メートルでもシーズン初戦から自己ベストを更新できたりと順調に滑り出したシーズンでした。関東インカレでは200メートルで勝負したかったというのが本音なんですけど4×100メートルR(4継)の決勝で明大の4走として走らせていただいたのは自分の中でも大きい出来事でもありました。結果が残せなかったのは自分の実力とメンタル面の弱さが出た部分だったので、今回の日本インカレではそこを修正していきたいというふうに思っています」

――現在の短距離ブロックの雰囲気はいかがですか。
 「チーム全体として、みんなで高い目標を持って、個人で練習するというより何人か『この練習やるからどう』みたいな声を掛けてみんなで頑張れていることが短距離の良さだと思います。基本的に上下関係がないので、上の学年がやるぞとかではなくて、下の学年から『やりましょう、どうですか』みたいなやらなきゃおかしいという雰囲気があって、誰かが引っ張るというより全員が主体的に行動しているという感じです」

――目標のタイムと順位を教えてください。
 「4継は本番まで出られる万全の準備をして、走った際には1位でバトンパスできるようにしっかりコーナーを走っていくことが目標です。マイルは4年ぶり、高校2年時の新人戦ぶりです。肉離れ明けで全然体力ないのに選んでいただいたので正直走りには今のところ自信はないのですが、過去のシーズンの中では今のシーズンが一番練習を積めているという自信があります。チームとして明大新記録を狙って、決勝進出していきたいなと思っています」

――最後に意気込みをお願いします。 
 「後ろの選手は一人も越されない、後ろの選手から逃げ切ります」

――ありがとうございました。

竹尾
男子100メートル
――最近は自己ベストを複数回更新していますが、どのように捉えていますか。
 「日本インカレのA標準を切ることが目標だったんですけど、あとちょっとだけ届かなかったです。関東インカレが終わってからタイムを上げていけたのは良かったのですが、A標準を切れなかったのはちょっと悔しいです」

――8月8日の第3回Tokai Sprint Gamesで10秒37を出しました。
 「あの大会は日本インカレのA標準を切る最後の大会と決めていたので、とても集中して走りました。A標準にはぎりぎり届かなかったですが、自己ベストを更新できて良かったと思っています」

――夏合宿で集中的に取り組んだことはありますか。
 「夏合宿は連戦もあって結構疲労が溜まっていたので、練習をし過ぎずにどれだけ質と量を増やせるかなと思っていました。質を上げていくために一本一本集中して取り組んでいました」

――インスタグラムの事前動画で「全マシマシで」というコメントがありました。
 「短距離ブロックにはジロリアン(二郎系ラーメンが好きな人)が多いんです。二郎で全マシマシでと言うのは、食べきらなきゃいけないプレッシャーもあって結構緊張感あるじゃないですか。なので、気合いを入れて食べるっていうのと同じような意味ですね。緊張感もあるし気合いを入れてレースに臨むぞという意味があります」

――日本インカレにおける目標はありますか。
 「大学3年目にしてやっと出ることができましたし、4継にも初めて出るので、びびらずにチャレンジしていきたいです。4継ではちゃんと決勝に残って優勝を狙っていきたいです」

――日本インカレに向けて意気込みをお願いします。
 「楽しんでチャレンジャーとして臨んでいきたいです」

――ありがとうございました。

[原田青空、松原輝、安田賢司]