
(4)秋季リーグ戦開幕前インタビュー(中編)/深尾徹主将×廣長晃太郎副将
昨年度の関東学生1部秋季リーグ戦を3位で終えた明治大学グリフィンズ。創部90周年の今秋、伝統を背負い、甲子園ボウル優勝へと挑む。本特集では、櫻井亮監督と4名の選手のインタビューを前・中・後編にわたってお送りする。
中編はLB#4深尾徹主将(政経4=啓明学院)、RB#34廣長晃太郎副将(商4=箕面自由学園)のインタビューです。(この取材は8月25日にZOOMで行われたものです)
――オープン戦を踏まえて現在のチーム状況はいかがでしょうか。
深尾 「現在は本当、春と比べて一体感というところでは、みんなが1つの方向を向いてやれているのではないかなと思います。今年の春はディフェンスとしては、不甲斐ない結果の試合が多々あったので、そこの部分の改善というところはこの夏特に力入れてできたというのと、 あとは本当に完成度を高く、秋に向けて準備できてるのではないかなと思います」
廣長 「この夏は、常にチームのスタンダードを上げていこうというのを掲げながら、当たり前の基準を高めてやっていくという意味では、フットボールのプレーのみならず、練習中のメリハリであったりとか、練習会、ミーティングもそうですけど、そういった時間の使い方をすごくこだわれているので、今はすごく良くなってきているかなと考えています。オフェンスでは、今まで、去年も一昨年もそうだったのですが、ランが出ていてもそのパッシングがうまく決まらずにリズムがつかめないということが今までの明治の弱いところでした。なのでそこを掲げて、解決するためにもこの夏練習してきたことが成果が出てきているのかなという風には思っているので、しっかり試合でつなげていきたいなと考えています」
――リーグ戦に向け、今年のチームカラーはいかがでしょうか。
深尾 「オフェンス的には変わらずランを出すというところが、まず1つ大事なところかなと思います。ディフェンスで言うと、しっかりパス阻止率などにこだわるのは、特に今年だからといって例年やってきたことが変わるわけではないと思っているので。僕はそこのイメージというよりかは『僕たちがやるべきことをやる』というイメージですね」
廣長 「僕からも基本的には同じで、まず明治としてしっかりランを出すというのはもちろんあるんですけど、しっかりそこに選択肢としてパスが出てきているというような考え方でいいかなと思っています。今まではそこのランに対してラン、ラン、ランというところだったのが、そのランとパスの選択肢が増えて、攻め方にバリエーションが出てきているかなという風には思います。なので、そこが今までとちょっと違うのかなという風に思うので、そこに関しては今まで通りしっかりランを出すのはもちろんなんですけど、要所のパスの使い方というのが少し違うかなという風に思っていただければと思います」
――オープン戦後には、細かなミスが多かったとの意見もありました。現在、監督やコーチなどから働きかけがあったり、チームとして力を入れている部分はございますか。
深尾 「チームとして僕たちは初戦や2戦目に弱いので、そこの部分ではしっかりと。今年はリーグ(戦方式)も変わって、1位にならないと、2位、3位では厳しい試合が続いたりというのもあるので、そこのところで1位を目指すためにも、しっかりと初戦から勝てる取り組みをしようというところでやってきています」
――プレー面での武器を、それぞれお伺いします。
深尾 「僕はそれこそ経験が長いので、その経験から来る考えであったりとか、そういうところを冷静に分析しながらやるであったりとか。あとは試合の要所で、止めるべき場所で、プレーに関われるというところは自分自身の1つの強みであるのかなという風に思います」
廣長 「僕はしっかりコンスタントにゲインを、ボールを前に進めることができるところかなと思っています。それに加えて、深尾と近いんですけど、しっかりビッグプレーというか、しっかりとリズムをこっちに持ってくるようなプレーをできる部分が自分の強みかなという風に思います」
――深尾主将はオープン戦後、チームのまとまり方、一体感、動きなど何か変化はございましたか。
深尾 「やはり春よりかは、全体的にみんながしっかり試合に向けて集中力を高めて練習に臨めているというところはあるのかなと思います。あとは、それこそ4年生がラストシーズンに対してしっかり思いを持って、その思いをグラウンドでぶつけられているのかなと思います。(上級生のそういった思いを感じる場面も?)やっぱり本当に僕たちは終わりなので。この 1試合1試合が、本当にラストの試合になってもおかしくないというのが今年のトーナメントではあり得るので、しっかり自分たちで引退試合を決められるというか、今日負けて終わりとかではなく、最後まで行ってしっかりとやりきれたらいいかなと考えています」
――オープン戦で僅差の試合展開が目立ちました。この接戦を勝ち切れるかが大事な要素になってくるかなという風に考えますが、いかがでしょうか。
深尾 「そうですね。どの大学も負けたら終わりと思ってやってくるのは一緒なので、そこでやっぱ4年生、上級生、試合に出ているメンバーが気持ちで負けないというところ、その思いをしっかり持ってプレーするというところと、あとはもう日々の取り組みですよね。日々プレーに懸けて、試合と同じように練習ができているかというところで、そこの積み重ねが試合の1プレーに出ると思っているので、練習中からしっかりと積み重ねていきたいなという風に思います」
――RBでは、今春#25井上太陽選手(総合4=鎌倉学園)の活躍が光りました。4年生RBの2枚看板として、どのような思いですか。
廣長 「同じ4年間を過ごしてきている身としては、やはり安心感であったり、自分がサイドライン側にいる時にもしっかりと託せるような信頼関係が構築されているかなとは思っていて、一緒にローテーションを回せればという風に思っています」
――今期待している選手はいらっしゃいますか。
深尾 「僕はDLの水野(俊輔選手・商2=南山)です。それこそ今年からDLを頑張ってやってもらっている選手で、それこそ山下(遼太選手・文4=関西大倉)、守屋(圭選手・政経4=佼成学園)にしっかりと割って入ってほしい選手です。それこそ本当に地道な努力ができる人間なので、筋トレであったりとか、プレーに関することであったりとか、やっぱり何か1つミスがあったりとかするとしっかり自分で改善していける選手で、これから伸びるかなという風に思います。そこで少しうまくなった時に満足するんじゃなくて、まだまだ自分はもっとうまくなれると思ってやってほしいですね」
廣長 「僕は齋藤(翼選手・法3=明大中野)ですね。僕が好きなポイントは、めちゃくちゃプレーがうまいとか、そういった話じゃないのですが、ケガしていても絶対に痛い顔しながらやったりしないし、彼はハードでタフな選手ですね。そのタフさをしっかりと備えながらも、やっぱうまい選手になってほしいなと思うので。それを負えるだけの器がある選手だと思うので、そういった意味で彼に期待しています」
――経験を積んだ下級生が出場する機会もあると思いますが、メンバーの動きとしてはどのようなものがありますか。
深尾 「やはり上級生が多いんじゃないですかね。去年から出ている2年、3年生たちが出ているのが多いです。4年生でも存在感のある人間が出ていて、下級生もそれこそ試合に出る場面はあると思うのですが、どちらかというとやはり上級生が引っ張るチームなのかなという風に思います。(ディフェンスの陣容としては)若いメンバーがちょこちょこ出ているかなと思います。ただ、その若いメンバーが出られるということは、その若いメンバーが生き生きと自由にプレーできるように、しっかり自立できている他のメンバーたちがいるということなので、入れ替わりといってもそこまでですね。春に比べたら入れ替わっているんですけど、その分、層が厚くなったという風には思いますね」
――この夏、オフェンス、ディフェンスで注力したことはございますか。
深尾 「ディフェンスは本当にボールゲットするチャンスがほとんどなかったりとか、パシュート、集まりと言われるようなフィニッシュの部分が少し弱かったりとか。やっぱりここの部分が今年の春、本当に顕著に出てしまったので、この夏合宿は本当に1人でビックプレー起こすのもそうなんですけど、チームとして、その集まりであったりとか、声出しであったりとか、本当に基礎のところから徹底してという感じでした」
廣長 「オフェンスは自分たちのリズムを作るという意味で、ハドルを組んだところからのアーリーセットと、プレーが終わったタイミングからの集散というのを常に心がけてやってきました。 夏合宿を通してやってきたことでもあって、かなり自分たちの中でリズムを作れることができるようになってきたので、その点はすごいこの夏、成長できたことかなと思います」
――改めて甲子園ボウルに向け、学生日本一に向け、抱負をお願いします。
深尾 「今年はそれこそ(創部)90年という節目であって、いろいろな方々が関わってくださっているチームなので、その方々にしっかりと結果で恩返しするという形で見せていければなと思っています」
廣長 「チームとして、やはりもう勝たないといけないと思います。先ほどの深尾とも同じなんですけど、ここまで応援してくださっている人たちもそうですし、あとは櫻井監督、高橋光ヘッドコーチをしっかり甲子園に連れて行って優勝させるためにも、僕たちが一戦一戦落とさずに、やってきたことを全力で出して、悲願の甲子園優勝を達成したいなと思います。そこまでしっかり全員で、 幹部だけじゃなくて、部員110名全員で1つの方向を向いてやっていければいいなと思っています」
――ありがとうございました。
[松下日軌]
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