
(73)明大対立大対校大会事後インタビュー①/園原健弘監督
7月7日に開催された明大対立大対校大会(明立戦)。接戦の末、明大が優勝をつかみ取り、昨年度のリベンジを果たした。今回は、猛暑の中で熱戦を繰り広げた選手たちの声をお届けする。
第1回は園原健弘監督のインタビューです。
――監督からご覧になって、良かった選手は誰でしょうか。
「原田(真聡・文2=東農大二)と古俣(由人・法1=東京学館新潟)が復活してきたこと、短距離選手は全般的にいいと思います。長距離は暑い中なのでどうしても消化試合的な雰囲気があるのですが、今は全日本大学駅伝予選会(全日本予選)の敗退を受けて、7月は休んでから夏合宿に取組むための移行期です。短距離はしっかり頑張ってくれました。総合点で争っているので、村越(優汰主将・文4=横浜)の800メートルなど普段出ない種目でみんな頑張ってくれて、心意気を感じます。ありがたいと思うし、選手個々の成長につながっていると思います」
――チームの応援など雰囲気に関してはいかがでしょうか。
「昨年度の箱根駅伝(箱根)の結果が悪くて、そこから立て直しを図る意味でできることはやろうと決めました。記録を出すとか、箱根を優勝するとかは急にはできないじゃないですか。でも挨拶をきちんとする、整理整頓をする、みんなで応援するといったようにやると決めればできることはあります。そういうことをしっかりやろうという方針をチーム全体で出して、実行部隊の真っ先に切り込んでくれているのが村越です。彼が仕切ってくれているので、そのような雰囲気が実現しています」
――全日本予選敗退からチームの雰囲気はいかがですか。
「結果が出ないということは何かしら問題があります。今シーズンは長距離に限って言うと、8位までが入賞で9位とか、7位までが全日本通過のラインで8位とか、あと1個のところで入賞に結びつかない、上に進めないという状況です。1位とは力の差があります。ですが、7位のチームと8位のチーム力の差はそんなにありません。その差は日常生活の取り組みの甘さ、練習に対する取り組みの甘さ、意識の甘さなので、しっかり反省して、次につなげているところですね」
――今回で45回を迎える明立戦ですが、この大会の位置付けはいかがですか。
「大学スポーツは競技という側面だけではなくて、人間形成という部分もあります。人間形成の中には、心作り、体作り、頭作りをやらないといけないのと、それともう一個は、仲間作りです。自分の近いところだけではなくて、違う価値観を持った人たちと仲間になることは、自分の成長にとてもプラスになります。同じ体育会だけれども、立大と明大ではカルチャーが違うので、その大学同士が一緒になって競い合って、仲間として社会に出てから一緒に切磋琢磨(せっさたくま)して自分の人生と社会を良くするという大きな意味があります。それが45回も続いていることは本当に誇らしいし、先輩たちがこうやって作ってきてくれたことに敬意を表したいです」
――明大対法大定期大会(明法戦)の意気込みをお願いします。
「明法戦も一緒で、長い歴史がある中で対校戦はどうしても消化試合になる選手と記録にチャレンジする選手と大会の捉え方はいろいろで難しいです。ですが、対校戦として出る以上は誠意を持った形でチーム編成をしないといけないですし、競技という枠にとらわれず両校が親睦を深めて、今後の陸上界の一翼を担うような形でお互いに発展していきたいなというふうに思います」
――ファンの方にメッセージをお願いします。
「特に長距離は本当にご期待に応えられていないのですが、短距離や競歩はOBでパリ五輪に選手を輩出している点では日本陸上界の一翼を担うことが実現できています。ファンの皆さんの期待に応えられる五輪選手を輩出できるのも日頃の皆さんのご支援やご声援のおかげなので、今回パリ五輪代表になったメンバーを含めて、本当に皆さんには感謝を申し上げます。引き続き応援していただければうれしいです。パリ五輪の競歩は8月1日の14時30分からで、多分テレビ中継すると思います。メダルを狙っています」
――ありがとうございました。
[原田青空]
関連記事
RELATED ENTRIES