(29)15人制日本代表トレーニングスコッド 秋濱悠太「体格が小さい日本人だからこそできるラグビーを」

2024.06.29

 5月20日から29日まで行われた15人制日本代表トレーニングスコッド菅平合宿に、明大から秋濱悠太(商4=桐蔭学園)、田島貫太郎(政経4=東福岡)が招集された。リーグワンの選手も多く名を連ねたハイレベルな合宿で2人は何を学び、何を体得したのか。ここでは代表合宿を終えた2人に直接お話をうかがいました。第1回は秋濱選手のインタビューをお送りします。(この取材は6月14日に行われたものです)

――ジャパントレーニングスコッドに呼ばれた時の気持ちを教えてください。
 「U-20日本代表の遠征にオーバーエイジ枠で参加した際、エディさんが試合を見て選んでくださいました。直接エディさんのもとでラグビーができるのはとてもいい経験になると思っていたので、その先がどこにつながっているかはわからないんですけど、成長できたらなっていう風には思っていました」

――どのような部分が買われて選出されたとご自身では考えていますか。
 「直接エディさんと面談をしていた中では、アタックのところをとても褒めてくださっていました。昨年度の全国大学選手権の決勝、準決勝の試合を見にきてくださっていて、評価してくれたのがアタックの部分。加えてディフェンスのところやキックのオプションといった部分をどこまでできるのか見たいと言われました」

――ズバリ『超速ラグビー』とは何か、教えてください。
 「エディさんがよく言うのは、やはり日本人は他の国と比べて体格が小さい中で、相手よりも速いテンポで動かしたり、相手よりも動いている選手の数を多くする必要があるということです。菅平合宿の中でも、スピードラグビーはかなり重視されていました。スピードをあげるためにブレークダウンをどうするか、一個一個のキャリーをどうするのかというすごく細かいところをエディさんは見ていたので、体格が小さい日本人だからこそできるものであり、だからこそやらなくちゃいけないなっていうラグビースタイルだと思いますね」

――合宿のスケジュールを教えてください。
 「10日間あって、3日練習、1日オフ、3日練習、1日オフ、2日っていう日程でした。練習の日は朝6時からスタートして、午前中はBKとFWに分かれたユニット練習と、ウエートトレーニング。午後はチーム全員で練習というスタイルで毎日やっていたので結構きつかったです」

――トレーニングスコッド、U20日本代表と、明大とは別のチームで練習に参加されていると思います。その都度チームに適用する大変さはありましたか。
 「U-20の方はU-20メンバーだけでずっと動いてるところに追加招集された立場だったので、馴染むのに難しい部分もありました。とはいえ明治の選手がかなり多かったので割と早く馴染むことができましたし、結構自由にのびのびやっていい環境だったので変に気を遣わずに参加できました。明大以外の選手たちも気さくに話しかけてくれたので、そこまで緊張せずに最終的にプレーができました」

――菅平合宿を通して成長できたと感じる部分を教えてください。
 「周りが全員リーグワンでプレーしている選手だったので、一個一個のコンタクトや強度、それこそさっき言った速いラグビーの部分は相当レベルの高い選手ばかりでした。そういった中で実際に一緒にプレーして、まだまだ足りない部分が自分に多いっていうのは感じましたし、逆に自分の通用する部分もいくつか見つかりました。そこは本当にいい成長ができる場だったと思います」

――エディさん含め、コーチ陣がおっしゃっていたことで印象に残っていることはありますか。
 「はっきりは覚えてないんですけど、BKコーチを務めていたダン・ボーデンコーチが積極的に選手に話しかけてくれるタイプで、合宿中盤に練習が終わった後に僕を呼んで、一個一個のプレーを確認しながら『ここはよかったよ』とか『ここもうちょっとこうしよう』とか細かいところまで言ってくださいました。外国人のコーチということもありなかなかうまくコミュニケーションが取れない中で、一人一人に積極的に的確なアドバイスをくださったので、そこは合宿の中で僕が成長できた理由の一つになると思います」

――菅平合宿で学んで今後明大で生かしていきたいと強く感じたポイントはありますか。
 「ウイングで合宿に参加していた根塚洸雅さん(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)がすごくトークをしてくれて、僕自身とてもやりやすいというのがありました。それを明治のウイングにも求めなければいけない。プラス僕自身もしっかり内側の選手やFWの選手としっかりトーク、コミュニケーションを取って動きやすくしてあげる。これは合宿通して明治でもやっていかなくちゃならないことかなという風に感じました」

――ありがとうございました。

[成田美彩子]

◆秋濱 悠太(あきはま・ゆうた)商4、桐蔭学園高、174センチ・86キロ
合宿中の部屋メンは三菱重工相模原ダイナボアーズ所属のチャーリー・ローレンス選手。 
「英語は難しいですけどジェスチャーで会話頑張りました(笑)」
信玄餅を英語で伝えるのにとても苦労したとのこと。