
(62)伊勢路出場権をかけた戦い 昨年度の悔しさ晴らせるか/全日本大学駅伝予選会展望
全日本大学駅伝予選会(予選会)では各校8名が1万メートルを走り、その合計タイムの上位7校が全日本大学駅伝(全日本)への出場権を得る。昨年度は10位で予選落ちとなり、全日本の連続出場が途絶えるという悔しさを味わった紫紺の戦士たち。その悔しさを胸に、今年度はリベンジに燃えている。
昨年度3組目に出走した溝上稜斗(商4=九州学院)が今年度もエントリーメンバーに選出された。4年生である溝上にとっては今回が全日本へのラストチャンスとなる。「後輩たちに『溝上さんが言っているから自分も付いていこうかな』と思ってもらえるように、チームのためにも個人のためにも結果にこだわりたい」と最上級生としての責任も背負いながら、伊勢路へ向け全速力で突き進む。
好調を維持している吉川響(文3=世羅)にも期待がかかる。関東学生陸上競技対校選手権大会(関東インカレ)ではハーフマラソンに出場し、9位に食い込んだ。「関東インカレの後は調子を落とさないように、練習を継続できるように意識していた」。直近で出場した国士大競技会でも手応えを感じていた吉川。経験を積み安定感が増し始めた走りで、チームに勢いをもたらすことができるか。
同じく3年生の堀颯介(商3=仙台育英)の走りにも注目だ。昨年度もこの予選会に出走し、箱根駅伝(箱根)では6区で区間7位の力走を見せている。「昨年度の予選会に比べてかなりいい練習ができている」。学年も上がり主力としての存在感が増す堀の走りにさらなる期待がかかる。
2年生からは大湊柊翔(情コミ2=学法石川)・綾一輝(理工2=八千代松陰)がエントリー。両者とも箱根での大活躍が記憶に新しい。今シーズン序盤は不調に苦しんでいた大湊だが「1カ月ほど前から調子は上がってきていて、6月9日の国士大競技会もペース走でうまく走ることができた。予選会に向けてポイント練習をこなしていく中で感覚も良くなってきている」と復調の兆しは十分だ。綾は「いかに4組目の選手を楽にさせてあげるかが重要だと思う。昨年度の悔しさを晴らすのはこのレースしかないので、本戦出場に貢献できるように頑張りたい」と昨年度の経験を踏まえ静かに闘志を燃やしている。明大の未来を担う2人の走りから目が離せない。
同じく1年生の成合洸琉(情コミ1=宮崎日大)はルーキーながら関東インカレで5000メートルに出場した実力派。「積極的に勝負を仕掛けていきたい。ショートスパートが苦手なので残り3000メートルからラストスパートをかけたい」と既に具体的なレースプランを組み立て準備万端だ。
出走メンバーが一人でも棄権した瞬間、チーム自体が失格となるのが予選会のルール。明大からはこれまで名を挙げた選手の他にも好調を維持している東原豪輝(政経4=大阪)や室田安寿(情コミ3=宮崎日大)など実力を持ち経験も重ねてきている選手たちがエントリーしている。この選手層の厚さも、予選突破を後押しする重要な強みだ。昨年度予選落ちしたことで途絶えた全日本の連続出場。その悔しさを晴らす舞台は整った。明大競走部の新たな章が始まろうとしている。
[春田麻衣]
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